WordPressを悪意のあるソフトに改竄されました

きっかけはこちらです。他の方からもメールで直接くわしく症状と対処方法の連絡いただきまして、データを本格的に調査しました。その結果実際に攻撃にやられていたのが判明したので、その内容について注意喚起含めてまとめておきます。

https://twitter.com/DiaryOneword/status/1291720541800259585?s=20

症状は上記のように広告がランダムで表示されるというもののようです。問題はどこに埋め込まれたかです。Wordpress上だと怪しい点はなかったので、FTPからファイルを確認します。Wordpressプラグインで改竄チェックのプラグインもありましたが検出されず、自分で調べるしかありません。

とりあえず最初にやったのは日付が新しい見たことがないファイルがないかどうかです。

そうしたらありました。8/1に更新してないので心当たりないファイルです。ファイル名も怪しい!このicoファイルは危険らしく中身を確認しようとするとOSのウィルス検知に引っかかり消されます。まず間違いなく怪しすぎるファイル。そしてもう一つ4/18日のタイムスタンプになっているagtkfeyb.phpも名前的に怪しいです。

この中身なのですが、このようになっています。コードそのまま貼ると何があるかわからないので画像で貼ります。ウィルス語は翻訳しないとわからないのでここで翻訳をしています。

https://malwaredecoder.com/

正直翻訳後をみてもよくはわかりませんが、なんとなくPostたどって文字列追加しているような雰囲気です。これがいつどこから入ったのかわからないのが気持ち悪いです。

他にもやられている場所を調べると、パスを辿れるwp-configは全部改竄されていたのと、オンラインからリンクをたどっているディレクトリにはほぼ例外なくindex.phpが追加/改竄されており、以下のように怪しい文字列が追加されています。wp-comfigとindexはほぼ同じ内容です。

これも上のウィルス語翻訳サイトで翻訳すると、icoファイルへのリンクでした。とりあえずicoファイルは全部削除、あとはwp-configとindexの重要箇所は全部該当文字列を削除して対応しました。

これで広告は表示されなくなると思うのですが、セキュリティーの穴を塞がなければまた再発してしまいます。これがどこから入ったかが一番問題です。ひととおり改竄場所を見るとpublic-htmlの上位までやられていましたから、プラグインとかwordpress管理者経由と言うよりFTP経由でやられているように見えましたので、FTPの設定をかなり強力と思われるパスワード文字列に変更しました。以前のパスワードは他で使っていないものなのですが莫大な時間をかければもしかしたら破れるパスワードでしたので実力行使で突破はありえなくはないです。本当はFTPも証明書付きが良いのでしょうがサーバー側が対応していないと出来ませんね。念の為wordpress側のパスワードも全部変更です。もう一度やられたらサーバー側管理者に相談してみます。

これでしばらく様子を見てみようと思います。ご連絡いただいた方ありがとうございました。もし今後にたような症例が出たらまたご報告いただけますと助かります。

年収400万円台からはじめるバーチャル富裕層

今後このシリーズは書くべきことが出てきたら継続的に書いていきますので、ある程度記事が溜まったらオーディオのトップのような特設ページを作成して記事を読みやすいようにまとめる予定です。

バーチャル富裕層とは何か

それは富裕層達の生活や価値観、その一部または断片を「バーチャル=擬似的に再現」し、可能な範囲で本物を取り入れること、そしてそのような環境に自分自身を置くことで、自分自身の価値観を少しずつアップデートし、富裕層を真に理解していこうという試みです。

習慣が人格を作る、これは私の師匠の格言ですが、自分はこれは正しいと思っています。自分を変えるには習慣から。ただ富裕層に憧れ理解しようと思っても、真の価値観や感覚は庶民にはなかなか理解することができません。それよりも普段の身の回りのものを「できる限り費用をかけず」アップグレードさせて、生活スタイル、空気感をバーチャルに近づけることで、自分自身の価値観をアップグレードしていきます。日頃から良いもの良さそうなものに触れて感性を鍛えるという言い方にもなると思います。

もちろん全てを再現することは最初から目標ではありません。年収400万円で本物を再現したら即破産です。だからバーチャル。あくまで一部分または表面的な要素のみを取り入れ、彼らを理解するための足がかりとするつもりです。

これは私個人のバーチャル富裕層プロジェクトの記録です。オーディオにおけるハイエンドの精神性を理解する、その一部を身につけるための生活習慣、ライフスタイルになります。最初は幅広い読者に向けた参考記事を書ければと思ったのですが、自分自身がこれからスタートする内容であり、まだ全貌も実現可能性も達成結果も何も明らかになっていません。なので個人プロジェクトの経過をただ公開する連載記事と考えてください。

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Mola Mola Makua(DAC付きプリ)を導入しました

2020/05/13 補足:記事公開時点でDAVEの嫁ぎ先は決まっていました

長らくHPが死んでおりましてすみません。もともとサーバー管理者は私ではなかったのですが、最近多忙でメンテナンスの負担が大きそうだったので、私が借りているサーバーに移転作業を行っていました。この分野は素人なのでWordpressの引っ越しは未知の問題も多くて移転までかなり苦労をしてしまいました。おそらくなれている方ならこんなに時間がかからなかったかと思います。とはいえ色々と勉強になりました。

ということで、やっと復帰したので、ずっと書きたかったレビューを書きます。DAVEに代わる新しいリファレンスDACになります。

音の傾向は?

注意点としてmakuaはプリアンプで、DACは常時プリアンプに接続されている状態ということです。また、だいぶ前になってしまいましたが、前回にこのような記事を書いていますので可能な限り特徴を比較してみたいと思います。

MSB discrete DAC, dCS Bartok, Chord DAVEの音について

基本無色透明、強い個性や意図的な音楽性などは感じません。Mola Mola製品は測定主義で開発者のBruno自身が音作りは否定しています。基本性能がオーディオ機器の役目であると言う発言を見たことがあります。なので個性は薄めです。

しかし高精度な比較をすると個性と感じられる部分があります。高精度な比較とはどういうことかというと、オーディオは上下関係があると絶対的な格差となって上位機種の個性はわかりにくいことがあります。性能差がありすぎて癖がわからないのですね。しかし近いレベルになってくると、こっちはこの部分がよくて、こっちはこの部分はよくない、等特徴が見えてくるものです。なので近いレベルの機器と比較すると個性はわかりやすいです。

今回導入したMola Mola makuaはプリアンプと別売りDACオプションの一体型モデルになりますが、実はパワーアンプも試聴機会がありまして自作のNC500(+自前のインプットバッファ)と比較することが出来ました。またDACもハイレベルな音を出す数機種と何度も比較試聴をしたのである程度Mola Molaの音というものが見えてきました。これはパワーアンプでもDACでもプリアンプでも感じます。もしかしたらBruno設計の電源回路の音かもしれません。

それは、高いSNや広いレンジ、正確なタイミング描写を基本とした上で、特徴的に中域の音圧が強いです。中域はやや塊のような押し出し感があって分離や奥行きを再重視しているわけではないようです。やや詰まった圧力を感じる音です。そして高域は少しだけエッジが立っています。基本は澄んでいて引き締まった高域なのですが、すこしキレを強調したようなところがあります。このあたりは機器の相性とか音の趣向によってはちょっときついと感じられるシーンもあるかもしれません。そして駆動力が見た目以上に高いです。Mola Molaは外見デザインや小型軽量という開発ポリシー的にどうしてもハイエンド的目線だと線が細いイメージを持たれそうですが、繊細な音というよりはピアノ線のような細くても非常に強固な印象があります。

ちなみにDAC、プリアンプより、パワーアンプのほうが上記個性を強く感じました。個性を感じさせないという意味ではパワーアンプよりプリアンプやDACのほうが完成度は高いのかもしれません。パワーアンプは音だけで言えば個人的には好みではないかなというところです。高域はちょっときつめですし、奥行き重視派だと物足りないです。逆に中域の音圧とかやや刺激的な高域が好きな方はMola Molaがおすすめです。しかし音だけで言えばNC400キットのBTLでも問題はない音出そうです。駆動力はさすがにKalugaのほうがいいかもしれませんが、BTL出来るならその部分でもいいところまで持っていけるはずです。というかNC400の完成度が異常に高いです。

以下、音を要素ごとに書くとこのようになります。DACは代表的な数機種と比較ができましたので、厳密比較ではありませんが、だいたいどれくらいのレベルなのか、まとめておきたいと思います。大まかにまとめると全体的にかなりハイレベルです。スキが本当に少ないです。他の製品で一つ二つこれより優れている製品はあると思うのですが、総合力ではかなり実力が高いです。課題があるとしたら音が素っ気なさすぎることでしょうか。DACやプリアンプにそういう方向性を期待している方にはおすすめできます。しかし音源の欠点や問題をなんとかしてくれる要素は皆無なのでそこは期待してはいけません

駆動力とパワー

これは強いです。機会があったら新しめのdCSとも比較してみたいです。以前の比較表で駆動力トップの古いdeliusやPCM-501ESには負けてないと思います。ディスクリートDACなのでといったらあれなんですが、IC-DACでは出しにくい、とても音の芯の強さや揺るぎなさがあります。

価格帯とサイズがちょっと似ていますがDAVEとはここが一番違います。DAVEはディスクリートの割に駆動力はさほどではないため、瞬発力とか音の安定感を求めるなら、Mola Molaはいい感じです。

奥行きと描写力

これも強いです。DAVEと比較して負けてないというか優位です。なぜかというとMola Mola DACは駆動力が強いので前に出てくる音が弱くならないのが大きい理由と思いました。DAVEは少し音が遠く感じます。そしてMola Mola DACは前に出てくると同時に背景音が不明瞭になることもないため、結果として前後感が非常にはっきりしています。SNがいいとかノイズフロア変調がないとか多分そのあたりの性能です。

この要素はMSBも良さそうなので比較する機会があったら比較してみたいところです。MSBも強そうな部分です。

高域の情報量

これはDAVEとPCM-501ESが優秀です。この部分はDAVEが最もいいですがM-Scalerがあればさらに良くなると思います。M-ScalerはChordのDACと組み合わせる前提ですが実はChord以外のDACに接続することが出来るならM-scaler+Mola Molaというのは究極に近い組み合わせかもしれません。

この部分を重視する方にはMola Mola DACは推奨しません。所謂NOSDACとかマルチビットが好きでΔΣはどうも苦手という方のことです。Mola Mola DACはスローロールオフフィルタなので分離がよくさっぱりした音なのですが高域にかぎって言えばややデジタル階調に聞こえます。要するに普通の音です。

高域の付帯音

帯域外ノイズはありますが盛大ではありません。耳で聞いた限りでは付帯音はそれなりに抑えられているように思います。またスローロールオフフィルタなのでシャープロールオフかつ帯域外ノイズがきっちり抑えられているDAC(PCM-501ESなど)と比べると伸びがある高音です。高域は密度より伸びを重視する方もいますのでその点は趣向によってはプラス評価になるかもしれません。

左右の定位広さ

広すぎず、狭すぎず、中央も左右も明瞭です。強調はなく正確な広がりだと思います。不自然に広げることは技術的に可能ですがそのような印象はありません。

録音による実際の音の比較

語るだけでは、ということで実際に録音した音を比較をできるようにしたので、音源をアップします。実際の録音は24/88で取っていますがすべてアップすると2GBにもなってしまうので、この記事ではmp3になります。わかりにくいと思いますが参考にはなると思います。ゲストでAmariとLavry AD122-96MX(ADC)が登場します。これは面白い比較だと思います!

PCM-501ES Makua AD122-96MX

PCM-501ES Makua Amari

Makua AD122-96MX

Makua Amari

Amari AD122-96MX

Amari Amari

DAVE AD122-96MX

DAVE Amari

DAVE Makua AD122-96MX

DAVE Makua Amari

楽曲は前半2曲が私が打ち込みで作った古い音源でちょっとしょぼいですが、twitterでアップするときに著作権でアカウント凍結されても困るのでこのようにしました。本当は誰でも知ってる優秀録音とか使いたいですが今後はなかなか難しそうです(今までもそういう事例は少ないですが)。

後半はフリーで公開されているTAK氏の音源です。元音源のDLはこちらからできます。

1drv.ms/1aSMPuX

録音条件はADC側はどちらも最大+24dBuですが、概ね+18dBuにそろえたあとDAWで0dBFS付近になるよう再補正しています。録音時のゲインは手動でプリアンプとFFTを見ながら揃えたので多少の誤差があります。PCM-501ESは単独ではゲインが低くボリューム機能もないのでMola Mola makua経由のみです。DAVEはmakua経由とそうでないものを両方用意しました。

twitterでは期間限定でgigafile便で4/26まで24/88のwavをDL出来るようにしておきましたが、感想を見た感じだとmakuaの評判が良かったようです。

DACアーキテクチャについて

すでに色々書きました。必読かもしれないのは後半、DACアーキテクチャについて濃い会話もありますので興味がある方はリンク先も合わせてどうぞ。

上記一点補足がありまして、100/32 = 5bitですが、実質的マルチビットΔΣ変調で5bitに32bit埋め込みをしているという想定です。面白いアイデアなのはTIのアドバンスドセグメントのように電流源を並べてマルチビットにするのではなく、PWM+1bitでの5bitマルチビット表現になっている点です。エレメントを個別にオンオフする構造だとセグメントの誤差要因がそのまま出力特性に現れますが、1bitなら単独素子で5bitを表現するので素子単体のレベル誤差要因はありません。その分クロックには厳しくなるでしょう。そして素子のSNも限度があるのですがmakua DACでは実際の素子を32パラにすることで素子要因の誤差、クロック誤差を平均化で抑圧しています。このあたりが高特性の秘密のようです。

測定特性 改めてDAVEと比較

まずはMola Mola makuaの計測結果です。Mola Molaは単体DACのTambaquiですがAudio Science Reviewにも計測値は公開があります。が、あちらにはDAVEはありません。そしてうちはAPの測定器ではありません。帯域外ノイズの測定もあちらにはないですね。なのであえてこちらの環境、評価軸でDAVEと比較してみたいと思います。

なお本当はAudioTesterのほうがTHDが正確なのですが、DAVEは以前の計測値と比較用にWaveSpectraを使用しました。THDの数値は目安で高調波の高さで判断していただくようにお願いします。

1kHz/44.1kHz sine +24dBuスケール

16kHz/44.1kHz sine +24dBuスケール

20kHz/44.1kHz sine +24dBuスケール

j-test 24bit +24dBuスケール

5Mhz 帯域外ノイズの分布(60-70kHzの成分は環境ノイズ)

60dBローノイズプリアンプ+20kフィルタあり、makuaボリューム最小時の0dBFSサイン時の出力

60dBローノイズプリアンプ+20kフィルタあり、makuaボリューム最小時のノイズフロア

次にDAVEを似た条件で計測しなおしましたので掲載します。以前の計測データのうち、Lynx HiloでADした内容はゲインが低かったのでDACの真の実力だったかというとそうでもありませんでした。今回は+24dBuフルスケールでみた信号を掲載します。これによってノイズフロアは以前より下がりました。そして謎の成分も見えるようになりました。

+6dBuと比較すると+24dBuのほうがDAVEはノイズレベルが低いです。プリアンプを使ったほうがいいというのはこれが理由だと思います。デジタルボリュームで絞るとSNが低下しますが、フルスケールで使用すればSNはより高いです。もちろんそのためにはDAVEよりノイズの少ないプリアンプを使用する必要があります。

1kHz/44.1kHz sine +24dBuスケール

20kHz/44.1kHz sine +24dBuスケール

1kHz/44.1kHz sine +6dBuスケール

j-test 24bit +24dBuスケール

参考 10.05kHz/44.1kHz sine +24dBuスケール 10.05kは謎の成分が最も大きい周波数で、信号周波数と相関性があります。

DAVEの以前の測定値はこちらの記事を参考にしてください。帯域外ノイズなどはこちらに情報があります。

Chord DAVE来ました!(とても高額なDAC)

ちなみにですがDAVEとTambaquiの測定比較が海外にあります。結果を紹介しておきます。+24dBフルスケールはこちらの計測値でもDAVEのほうが高調波が低いですがノイズ成分については一考の余地ありです。THDのみの評価だと一部の性質しかわからないという一例だと思います。もちろん当サイトの結果も一つの参考程度としてください。

https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/mola-mola-tambaqui-measurements.10693/page-4#post-306420

また計測についてですが、個人的に音質との相関性はないとは言い切りませんが、音質のほんの一部を示している断片だと認識しています。うちの測定FFTをみるとDAVEとMakuaでMakuaのほうが性能が高そうに見えますが、THDのみの計測ではDAVEが上です。そして計測での見え方の印象と実際の音の差は全然違います。基本性能はどちらも高いのですが、その音質上の最大の違いは駆動力と高域解像度にあります。駆動力はMakua、高域解像度はDAVEが優秀です。しかし駆動力も高域解像度も上記の測定で相関性のある要素は何も見つけることが出来ません。なので測定では見えない要素があり、それは計測だけではまだ判断が出来ない、ということは良く理解しておかなければなりません。

導入の経緯

ここからは遅い前置きです。前置きをあとにするのは、自分自身も長々とした前置きが好きではなくて先に音について読みたいからです。オーディオイベントなどもそうですね。長々と喋りおわるのをまって、やっと音を出すということがよくありますが、正直百聞は一見にしかず、音を聞かなければわかりません。流暢なトークも音が駄目なら説得力を失うというものです。まずは音を聞いて、良いと感じて、それからです。

ということで前置きが遅くなりましたが買い替えの経緯です。簡単に言えば高性能なプリアンプ、そして高性能のDACをリファレンスとして手元においておきたかったということです。プリアンプはボリュームのないDACを比較するときに今までよりもより正しい評価が可能になります。今までは自作のプリアンプだったのですがこれから評価するべきDACの性能からして見劣りする性能なので音の良い高性能なプリアンプが必要でした。DACもDAVEを手放すため測定性能で劣らない製品が必要です。測定値だけなら中華DACでも良いのですが音としても良い必要があります。なかなかそのような製品はありません。

そしてMakuaのDACは基板を見ても設計がわからない珍しい未知のアーキテクチャのDACです。そのうえで最高峰の測定値を持っている、そして測定値だけではなく音質面でもスキが少ない、これは十分次世代リファレンスの特徴を兼ね備えています。なのでMakuaはどちらかというと技術的リファレンスの側面が強いかもしれません。技術的にはあきらかに私よりも上位にあります。何しろ基板を見ても理解ができないからです。

過去ログにもありますが私の以前のリファレンスDACはChord DAVEでした。これも購入当時はかなり高性能な描写力に感心したものです。しかし現在ではいくつか欠点もわかってきております。たとえば高域付帯音、駆動力と余裕のなさ、定位の狭さ、です。特に駆動力の評価は私自身の判断能力の弱点でもあり、当時はこの欠点に気づいていませんでした。ただDAVEも相変わらず高域解像度性能はとんでもないですし、この性能の部分だけはMola Molaでは代用がききません。しかしその部分はPCM-501ESがあるので問題ないという判断です。DAVEも基本性能は今でも高いとは思うのですが、私が目指す要素ではなくなりました。今はPCM-501ESやAK4499があるからです。

一人のDAC音質追求を目的とする開発者としては、やはり自分よりも何らかの部分で優位にある作品を所持し、常にその音を比較できる環境に身を置くことはとても大事だと思っています。

ちなみに今更のお話なのですが、そもそも私自身はオーディオは自己満足の手段ではありません。一般的には自分自身の理想を追求することが多いと思いますが、個人的には自分を満足させるためにはハイエンドオーディオは不要という立場です。自己満足ならもっとずっと低いレベル(例えばAntelopeの安いIFくらい)で十分です。ハイエンドは不要です。なぜならある程度の出音からあとは脳内補完して聞けばいいからです。そのための最低限の性能があれば十分です。そういう自分勝手な聞き方でいいなら実際の出音が素晴らしい必要はありません。

ですが自分を満足させることではなく、他人に価値を提供したいと考えるなら、さらに最高を提供することを目指すのであれば、自身の感覚を最高の環境に置くことは最低限の条件とも思います。安い機材の音しか知らず世界を知らずして最高なんて作ることはできるわけがありません。だから私はそういう機材を手元に置きたいと考えています。

貸し出しのような短時間の評価ではなかなか難しいことがあります。特に自分自身の聴覚で経験したことがない新しい音は正しく認識できるようになるまでしばらくの時間がかかります。その時間は耳がアップデートされている時間です。そのためそういう機材はしばらく手元において聞き続けなければなりません。Makuaの音質は今の私からするとそこまでの圧倒的高みのDACではありませんが、当時DAVEを導入したときはここに書いたとおりでした。

なので、もしそのような音質的高みのDACが今後登場したらそれはあたらしいリファレンスとして追加しなければならないかもしれません(Select DACのような価格ではどうしようもないですが)。

実際のところ、例のAK4499と比べてどうですか?

大事なことはここに少しだけ書きました。せっかくの長文記事なのでもう少し詳しく書きます。

全く基本構造も設計思想もアーキテクチャも違うDACですが、不思議と音の傾向が良く似ています。大きく違うのは高域解像度の部分です。AK4499DACではAK4499内蔵ではなくデジタルフィルターを一般的な特性ではない独自のものに変更しているのでどちらかというとPCM-501ESやDAVEに近い高域です。それ以外の部分はよく似ています。特にプリアンプとしてmakuaにAK4499DACを接続するとデジタルフィルター以外はほとんど違いはないかもしれません。

ではmakuaは不要なのではないかと思われるかもしれませんが、そこは上記のような測定値リファレンスやプリアンプとしての価値がメインです。音質的リファレンスとしてはAK4499DACがある現在としては正直不要かもしれません。ですが偶然似通っているなんてほぼありえません。一般的に考えてみて、違う会社の違う設計者の完成品で同じような音がするオーディオ機器なんてまず見つけることすら困難だと思います。逆にそこに興味を惹かれたのは事実です。全く同じとはいいませんが生まれの違う双子のような気分です。

まだmakuaは開封して解析などはやっていませんが、基板を見ても理解できない稀有な設計ですから、引っ越しをして落ち着いたらぜひ開けてみたいと思っています。次にこの記事を更新することがあるとしたら、内部を開けてもっと詳しい設計が判明したり、面白い波形や測定ができた時になると思います。ひとまず今回は長くなりましたが以上です。

MSB discrete DAC, dCS Bartok, Chord DAVEの音について

中野のフジヤエービックさんで試聴をさせていただきました。貴重な高額品を比較試聴できる機会はなかなかありません。機会を提供いただきまして、大変有り難うございます。

このなかでChord DAVEは所持品ですが、実際に所持していた関係で音をよく覚えているのでこの中に比較として参加させてみたいと思います。価格帯も似ていますので気になる方も多いかと思います。

いつもどおり、いきなり音についてのみ書きます。褒めるレビューと言うよりそれぞれの特徴、良し悪しもはっきりと書きます。音以外の部分、見た目や機能や操作感とかは書かないので他を参考にしてください。個人的に長々使用感や外観などの前置きを書くレビューは好きじゃないのでうちではやりません。

試聴条件ですがヘッドフォンはすべてFinal D8000です。

MSB discrete DAC

初試聴です。接続はLANです。MSBはなかなか比較評価ができることが少ないのでとても良いデータが取れました。ヘッドフォンアンプがReleafのE3ですがMSBは内蔵ヘッドフォンアンプがないので仕方ありません。電流伝送はD8000だと低音が出なくなるのでdCSと条件を揃える目的もあって電圧伝送で聞きました。

音の特徴は大人しさ、背景音の静かさ、定位の左右の広さでしょうか。SN感はとても優秀です。全体的に癖が少なく「これが強い」という部分が目立たない印象です。そうなると上品で大人しいことが最大の特徴かもしれません。

よく言えばバランスが良い、悪く言えば強みも特徴も薄い、となります。他のコンポーネントの個性が強くDACで何かの要素を追加したくない場合には良い選択肢になるかもしれません。

ちなみに弱点があるとしたら中高域の付帯音です。かき氷みたいな少しだけ硬質だけど透明な棘のような成分が音の周囲に常に舞っている印象があって、アタックの強めの音に特にはっきりとまとわりついています。ただしR2Rでよくあるチリチリ音のような露骨な成分ではないし、ΔΣ系のサラサラした質感とも違います。MSBの最新モジュールの方式によるものかもしれません。個性的な質感に聞こえました。これは最悪の場合E3の音の可能性もありますが比較評価ができないのでなんとも言えません。(追記:以前のMSBモジュールでは感じなかった個性なので最新のモジュールで若干方式が変わったのか、その他内部設計上の問題、E3側の個性、これらの可能性を残します)

この付帯音を含めた使いこなしとしてはこの成分をもう少し散らしてある種の美音系にもっていくか、外部でこれが目立たないような機器と組み合わせてより上品さや大人しさが感じられるように調整すると良いのではないかと思いました。

ちなみに駆動力はこの中では低めです。R2RディスクリートDACなのでもっと音にパワーがあると予想していたのですがそうでもなかったので意外でした。これはE3の駆動力もあるかもしれないので参考程度にしてください。これ以降、こういう部分部分での音のパラメータはあとで比較して列挙します。

dCS Bartok

送り出しはDELAからUSBです。ヘッドフォンアンプは内蔵です。

低音と駆動力が最大の特徴になります。背景音はやや見えにくい、背景が白っぽいです。遠い奥行き成分は小さく聞こえます。なので基本は前に出るパワー、駆動力、そして少しの荒々しさ、このあたりがBartokの特徴と思いました。このうち半分の要素はヘッドフォンアンプの音だと思います。

これだけだとdCSでイメージされる美音や上品さというイメージから遠いですが、これがヘッドフォンで聞いた正直な印象です。上品さで言うならMSBのほうが今回の比較では印象的です。それよりもやや荒い力押しの印象を受けました。そして低音の厚みです。高域はかなりあっさりしています。その上で駆動力がありますから、そういう特徴が生きる音楽ジャンルにはよく合うかと思います。EDMとかロックとかベースブリブリ曲、迫力系映画音楽などでしょうか。若干感じる荒さが良さにつながる音楽がいいです。逆に繊細な女性ボーカルとか背景音主体のクラシックとかは合わなそうかなぁと思いました。美音成分があればこのあたりも面白さがあるのですがBartokではそこはかなり控えめです。

低音について。低音はヘッドホンで聞くと個性的です。それは量がまるでEQで盛ってるのではないかと思うくらい、特定帯域に音がとどまる印象があります。多分なんですが押したあとに引かない帯域があるためにそう聞こえるのだと思います。初めて聞くとびっくりしますね。でも個性が強いので注意が必要です。長く使うと人によっては違和感を感じるはずです。とはいえ下支えはしっかりしているし量が多く聞こえるので好きな人は好きかなと思います。安定感はありますね。これが好きかどうかがとても重要と思います。

ただしこの低音の個性はDACとしてdCSを聞いた場合には感じなかった変な個性なので、ヘッドフォンアンプ固有の音ではないかと思っています。DACとして使ったら普通の低音の可能性もあります。

Chord DAVE

以前にレビューを書いたので下にリンクを張りました。

ここで簡単にまとめると解像度高め、高域情報量最高、付帯音あり、左右狭め、駆動力弱め、このようなところです。どちらかというと人工音の曲と相性が抜群と思うのですが、生楽器の曲が駄目というわけではないです。

最近気づいたのですが、DAVEで生音を綺麗に鳴らすための使いこなしとしては、付帯音が弱点であり帯域外ノイズが原因なのははっきりしているので、100kくらいから急激に減衰するトランスを出力に挟むととんでもなく化けるかもしれないです。もしこれでノイズがなくなったら大きな弱点が解消されます。

Chord DAVE来ました!(とても高額なDAC)

各音質パラメータの比較

駆動力とパワー

dCS Bartok>>MSB discrete>Chord DAVE

これはヘッドフォンの比較なのでDACとしての比較ではない部分も含まれます。ですがこの中ではBartokの駆動力とパワーは圧倒的でしょう。dCSはDACとして使っても駆動力が高い印象がありますのでこの順位は大きく変わらないはずです。discreteとDAVEは大差ない印象ですが、DAVEは内蔵ヘッドフォンアンプが弱いのでDAC出力同士で比較したら逆転する可能性もありそうです。

奥行きと描写力

MSB discrete>Chord DAVE>>dCS Bartok

減衰の描写力とディテールの部分です。リバーブ成分の消え際とそこに含まれるディテールをどれだけ聞き取りやすいかを評価します。この要素はdiscreteとDAVEでかなり迷いましたがdiscreteを上にしました。SN感は若干discreteのほうが良いかなと思いますがディテールはDAVEとが良いかもしれません。ちょっとここは自信がありません。とにかくDAVEもこの部分は強いので他の要素の好みで選んでもいいと思います。

高域の情報量

Chord DAVE>>dCS Bartok>MSB discrete

高域成分のデジタル階調感です。この部分はNOSのアナログフィルターだったり特殊なデジタルフィルターのDACで優秀な傾向があります。普通のDACチップ内蔵のデジタルフィルターではすぐに不明瞭になる部分です。ここは各社独自のアルゴリズムによるアップサンプルだったと思いますから個性が出てくるところです。ですがDAVEがこの部分は圧倒的に良いでしょう。それと比較するとBartokとdiscreteは大差がなく付帯音が目立つので付帯音の優劣で選んでも良いでしょう。どちらも一般のDACよりは良いかもしれないですが圧倒的に優秀とは思いませんでした。この部分はDAVEが優秀です。

高域の付帯音

dCS Bartok>Chord DAVE>MSB discrete

付帯音は余計な音がまとわりついているかどうかを示します。高域の素直さとも言えます。この順位は付帯音が少ない順です。discreteの高域付帯音はR2Rとしては異例に多いです。ΔΣのような帯域外ノイズではなく、R2R特有のどこまでも上に続く高調波成分が原因ではないかと思いますが普通のチリチリ音と違います。どちらにせよマルチビットはこの部分が課題なことが多いです。ΔΣは帯域外ノイズの問題があります。その点でDAVEは帯域外ノイズが大きのでそれが付帯音になります。この中ではBartokが一番素直でしたが、dCSの美音をあえて求めるならBartokは物足りないでしょう。

左右の定位広さ

MSB discrete>dCS Bartok>>Chord DAVE

文字通りです。ただしdiscreteの左右定位はちょっと違和感がありまして左右のバランスが正しくないかもしれません。R2Rの誤差の可能性があります。中央の音が僅かに曖昧です。左右の分離自体は良いのですが必要以上に広がっている可能性があるということです。この中ではBartokが一番違和感がなく広い定位、DAVEは明らかに狭いです。

番外:Antelope Amariはどうなのか?

先日このようなレビューをTwitterで書きました。ちなみにですが個人的にはこの中に入れても勝負できる製品かなと思います。特にAmariの奥行きの描写力は高性能です。あとはDACとしての駆動力、高域解像度は普通なのでそこを気にしなければというところです。ヘッドフォンアンプとしての駆動力はDAVEよりはありますからなかなか侮れません。

801takaさんのおもてなしオーディオ

基本理念

ワイドレンジ、ハイスピードが基本、情報量の多さ→多彩な表現力→ソースの中の音楽性が出る

こちらが801takaさんの基本理念になります。これを念頭に置いて、以下をお読み頂ければと思います。

システムの音の印象について

まずは音です。一言で言うならハイクオリティで多くの要素において隙がなく、音楽的ということです。音楽がすっと入ってくる音で、気づいたらいつの間にか音楽を聞いているのです。抜きん出たシステムでよくある現象なのですが、リファレンス音源で音質チェックをさせて頂いていたはずなのに、ハッと我に返るとただ音楽を楽しんでいました。音質の細かい部分をチェックするより前に、圧倒的表現力で音楽を聞かされるのです。

基本的な基礎クオリティを隙なく積み上げて、その上で音楽的チューニングをしたようで、その順番を取り違えていないと思います。私自身も音作りや音楽性は基礎クオリティを限界まで引き上げてからが望ましいと感じていますのでその点では目標となる鳴らし方です。

もちろん注意して聞くと音質面では他の超越したハイエンダーと比較して劣る部分もあります。そういった凄いシステムを聞いたときの第一印象も同じ様に、気づいたら音を聞かされています。しかしそれらの超越システムでは「〇〇の音が凄い」という感想が出るのに比較すると、ここはちょっと違います。行き過ぎた部分が目立っておらず自然に音楽を聞いているのです。

まるで気づかないうちに高度なおもてなしをされて自然とくつろいでしまうようなそんな体験です。もちろん優しい曲だけじゃなくて激しい曲であれば相応に感じるので、この例えは一例であって適当ではないかもしれません。とにかく言いたいことは、音質の精度ではなくて音楽性に集中できるシステムであるということです。

これはなかなか体験したことのない感覚です。高度なバランスがなせる技?と思いましたが、かなり長時間聞いていてもなかなか深く真相にたどり着くことが出来ませんでした。

音質面の特徴

まずNautilusシリーズでセッティングはしっかり決まっていますので定位はかなり良いです。ほかと一番違う特徴はハイレベルな帯域が低域にあることです。ありがちなパターンとしては細部を丁寧に神経質に仕上げていった結果の印象として、低音より高音が目立つ、悪く言えばハイ上がり気味になることが多いのですが、ここが逆です。最も低音の存在感が目立っており、中、高より低音のほうが特筆して質が良い、または存在感や実体感がある、と感じます。

かつての評判としてNautilus 801の低音はかなり鳴らすのが難しいと言われているので、これは非常に高度な仕上がりだと思います。

感じたのは大抵の人が陥るオーディオの罠にハマっていないシステムだということです。それはどういうことかというと、全体の俯瞰を維持した上で顕微鏡を見るように細部の改善に取り組んでいくやり方です。木を見て森を見ずというように、大きな欠点を孕んだまま微細な改善のみに目を奪われてしまうことは、結局システムのバランスが永遠に改善しないことと同じです。オーディオではそのような効率の悪い対策でもしっかり音が良くなってしまうところが落とし穴なのです。

自分はオーディオの最終結果は正方形の面積に例えています。辺の長さを投資(お金だけでなく労力も含め)、面積を音質だとすると、同じ投資なら辺の長さが等しい正方形が最も面積が大きくなります。短辺をそのまま短いままに長辺のみ伸ばしていくことは投資効率が悪いのです。実際のオーディオではこれが超多次元に軸があります。まだ見ぬ軸を探しそこを先に改善する方が効率が良いのですが、そのようなまだ見ぬ弱点を見つけ効率的に対策することは難しく、すでに見えている軸を伸ばす対策に目を奪われることが多いかと思います。自分のシステムが絶対だと考えているような自信過剰では見えない軸がある事が多いでしょう。

しかし、801takaさんのシステムは短辺が殆ど残されていないようです。もしかしたら最初から短辺の改善を本能的に意識しており、さらに仕上げとして微細領域まで対策されているシステムではないかと感じました。

音楽性の幅、浸透力が高い

音質というより音楽のバランスが非常によく、ジャンルごとにシステムやケーブルを切り替えています。通常システムでも対応力が高いですが特化したシステムのほうがやはり説得力は高かったです。初めて聞いた曲であっても、その音楽に素直に感動できる、聞いたことがある曲であってもその音楽の良いところを再発見しやすい、こういう特徴がありました。

これは音楽への高度な理解とシステムの最適化によるものです。そしてその感性に個人的に違和感は感じず、音楽性と音質のマッチングはとれていると感じられました。

具体的には、激しい曲はダイナミックに、エネルギーを感じるように、美しい曲はより華やかに、哀愁を感じる曲は暗くしっとりと、このように多様な音楽に適応する柔軟性がシステムにありました。文章だと味気なくしか書くことができませんが、音楽で感動したことがある方ならどういう意味か理解していただけるものと思っています。

正直自分があれこれ評価できるレベルではないかもしれません。普段なら音質的には欠点だと感じる音質的特徴も、音楽とともに説得力を持って鳴らされていたのがとても印象的です。高度に音楽と音質を理解していなければこれは出来ません。

当日鳴らされていたCDをよく見ると、システム構成と音量の指定がすべてにメモされていたのが印象的です。これを鳴らすときはこの音量でこの構成、というところまで普段から追求しているという証拠です。

どのようにして現在のシステムを作ったのか

普通の人にとっては未知の欠点を見つけることは大抵難しいものですが、どうやって欠点を解消しここにたどり着いたのかはとても興味があるところです。これは皆さん興味があるかもしれません。とても興味があったので聞いてみました。最初は国産の低価格からスタートだそうです。しかしそこからが違います!

なんと音を試聴してあまり迷ったことはないそうです。比較的最初から必要な要素を理解しており、あれこれ取っ替え引っ替えや迷ったりしていないそうです!天才的ですね。最初から音楽性や音質をよく理解しており無駄のない投資を繰り返してきたということのようです。

これでは普通の人はどのように参考にしたら良いのかわかりませんが、私個人の経験からするとまずはとても良い音を聞いてそれを覚えて真似から入って最後は自分の音を探していくことでしょうか。最初はとにかくハイレベルな再生音を知ることが最初な気がします。良い音を知らなければどこに向かったら良いのかわかりません。良い音を知らずに好みという迷宮に入るといつまでも答えが見つからないということはあると思います。

ウーファー駆動とハイエンド評

ここは詳しく書いてよいのか迷いましたのでとても簡単にだけ書いておきます。最初はNautilus 801をいまだに使う理由です。重く鳴らしにくいウーファーに拘る理由はサイズと重量にありました。そして1chに1つのユニットということ。音がにじまないからです。2つ以上のユニットがあると個体差や動作ズレなどがありますので100%同じ動作にはなりません。しかし1つであればそれはありません。そしてサイズと重量からでしか得られない音、この2つを同時に追求した結果ということのようです。

もう一つはパワーアンプの電流供給を強く意識しているということです。これにより重いウーファーを強力に制御します。確かにこの理念に違和感はありません。重いウーファーから逃げることなく確信的にそれを追求した結果がこの存在感の高い低音ということかもしれません。

ハイエンド評についてはあまり詳しくは書けませんが、上記のような流れから、このシステムは現代的なハイエンド志向とはちょっと違うということだけ書いておきます。しかし出ている音楽は本物でした。ここからわかることは、オーディオの答えは最新のものが最高ではないという可能性です。少し前にPCM-501ESの記事もありましたし、謎男さんの家でも感じました。現代ハイエンドは全てにおいて最高、ということではないかもしれません。少なからず得たものと失ったものがあるように思いました。

ご挨拶

空気録音で圧倒的な浸透力を感じ、ぜひ実際の音を聞いてみたいと思っていました。突然の申し出にも関わらず快く受け入れてくれた801takaさん、素晴らしい音をありがとうございました。

最後に大事なうどん!

四国なのでこれは外せませんね。とても美味しかったです。食レポは得意じゃないので写真だけアップしておきます。

あと四国の噂が本当か確認しました

  • 朝うどんは一般的なのか?  → NO
  • 風呂うどんは一般的なのか?  → NO

意外と普通でした。

本物のギターアンプで打ち込みギターを生録音!

発端はこのツイートです。

オーディオオフで盛り上がって、そのままの勢いでギターアンプをもってきてくださいました!大変感謝です。自分的にも打ち込みギターで音色が気に入らない曲を、実際のギターアンプで取り直してどうなるのか、とても期待が高まってきました。

実際に持ち込んでもらったのがこれです。アンプ以外にもフォンケーブルや小さいエフェクター類ももってきてもらいました。

つないでちゃんとした音が出るまでは電源のルーティングや設定でちょっと手間取りましたが、盛大なハムは電源を3Pのアース付きにすることで解決、ゲインの問題はオーディオIFのギターアウトを使うことで解決できました。

こんな感じでセッティングしました。この日は基本的なセッティングと音作り、レコーディングのテストをして、超ラフミックスで良い音が出ることを確認して終わりました。

その後いろいろ調整を掛けて仕上げたのがこちらです。プラグインのディストーションは潰れて埋もれる音でしたが、空気録音による生アンプのギターの音色はだいぶ音色だけで聞かせられる感じになりましたね。

Rose in Nightmare

収録作品:Collapse of Vampire (廃版)

作曲:yohine アレンジ:yohine

作詞:いずみあや ボーカル:真野紫(元:いずみあや)

そのあと上記のようにメッセージで送りました。その後のやり取りは以下のとおりです。

具体的な改善意見がもらえるとのことで、実際にやってみようという流れになりました。

そのあとで来たのはこんな内容、ADCのFPGA開発が落ち着いたタイミングで、上記の意見をもとにフレーズ追加してみました。それが以下のものです。ついでに遊びのフレーズも足して、Vo食うギリギリなところに調整しました。

以上のように、感想もいただきました。もちろん遠慮込みの内容と思いますが、お仕事じゃなくて遊びなのでこれでいいですね。こういうお気楽な作業はとても良いです。とっても久しぶりにギターの打ち込みをやりました。長いことやっていませんが、作業を始めると普通に以前と同じようにできますね。こういうのが本当に身についているものだと思います。もちろん生ギターは弾けませんが。

ギターを取り直した、その他の曲

当然ながら全部打ち込みギターです。他にも取り直そうと思っている曲があるのですが、LTC2380-24とAK4499に取り掛かっているのでなかなか思うように進められていません。今やり直したいと思っている曲は、Eternity Vow、叙聖のクオリア、GrilledBird、ですね。古いバージョンは全部ここからダウンロードできます。

Significant point ~加速する崩壊

収録作品:背徳姉妹~紅に染まる片翼、Innocent Key The Best 2

原曲:U.N.オーエンは彼女なのか?

アレンジ:yohine

イントロの音色はオリジナルと同じエフェクターがなくて適当再現になっています。

求聞持の能力

収録作品:東方萃翠酒酔、Innocent Key The Best 3

原曲:夜の鳩山を飛ぶ-Power Mix

アレンジ:yohine 作詞:ひくら、夕野ヨシミ ボーカル:あさな

ベースライン、ドラム、最後の繰り返しのギターは細かいところですがダレないように修正してあります。特にミックスバランスはイオシス収録の旧版より劇的に改善していると思います。

アンプと一緒にギターも借りました!

ありがとうございます!でも

弾けません!!!!

一応一人暮らし時代の音楽制作環境の時代にギターもってました。大学生の頃に買ったんですよねこれ。でも自分がもっていても弾けないしギターがかわいそうなので、ギター引きたいけどギターもってない、という人にただであげてしまいました。その頃の写真が出てきたので貼っておきます。画面が液晶じゃないのが時代を感じさせますね。SPはDynaudio Audience 42でアンプがICE-powerの500Wです。トラペのクリーン電源使ってました。

おまけ

lookkg486さんのオーディオオフの感想は以下

高級スピーカユニットに囲まれて…takeさん宅訪問

先月になりますがまささんの紹介で表題のtakeさん宅に訪問しました。膨大なユニットがあることからわかるようにかなり自作SPの経験豊富な方です。すべてのお話を伺ったわけではありませんが、お話をした限り有名なハイエンド系ユニットの大半を実際に試してこられているように見受けられました。

その中でも特筆はなんといってもメインシステムで使われているのがAccuton最高峰のダイヤモンドユニット、これで中高音を統一していることでしょう。このダイヤモンドツイータだけでも数十万ですが、その中でも5cmの下記ユニットは300万円だそうです。ユニットだけでこの価格となると搭載SPが市販されたらいったいいくらになるのかあまり考えたくないですね。takeさん自身は円高のときに買われたそうですがそれでもかなり高かったのでしょう。

https://accuton.com/en-home/produkte/lautsprecher/diamant/Diamant-Technologie

と、価格についてまず書きましたが、じゃあダイヤモンドの何がそんなに良いの?というお話になるかと思いますが、ダイヤモンドの優位性は軽さと強度、そして素直な固有の音にあるのではないかと思います。スピーカユニットの材質は薄く軽くしたほうが動作は有利です。ですが強度がないと変形したり(これが音質劣化の元)壊れたりしてしまいますのでそこは材質の特性に強く依存します。ダイヤモンドは非常に硬く軽いのでそれがスピーカに求められる特性にあっているということになりそうです。

従来からAccutonはセラミックのユニットで有名ですが、このセラミックも軽くて硬い材質なので基本的な発想は同じで、それを更に推し進めたのがダイヤモンドということになります。

diamond_measurement_prog.jpg

実際にダイヤモンドの特性を見てみるとブレークアップ周波数のピークは相当上の帯域に来ています。一般にハードドームツイータでは強い共振特性をどこかに持つことが普通ですが、ダイヤモンドはその中でも非常に高い周波数にまでピークの帯域を追いやることが出来ています。70kはダイヤモンドでないとなかなか実現できない領域でしょう。セラミックやベリリウムでも30-50k位までのものが多いです。

いずれにせよ音声帯域外になりますが、アンプで実験してもわかりますが意外と100k以内のピークは音声帯域内の過渡応答にも若干影響を与えているように思います。人間の耳はサイン波に分解して聞いているわけじゃないのでFFTの理論がそのまま当てはまるわけではないようで、過渡応答の違いを意外と敏感に察知していると思います。要するにこの帯域のピークは音の違いとして聞こえる可能性があるということです。

まとめますとセラミックでも20kHzより余裕のある帯域にピーク周波数がありますが、ダイヤモンドはさらに音声帯域から遠い=音声帯域内の音がより素直になるという解釈をしています(音を聞く限りでもそうです)。

もう一つ上の図からわかるのは歪率がとても低いことも特徴ですが、これはAccutonではセラミックでも優秀な特性だったのでダイヤモンドだけの特性ではありません。

極めてなめらかな高域、伸びる低域

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前置きが長くなりましたが、実際の音について書きたいと思います。4wayのメインシステムです。上の帯域の2wayがダイヤモンド、mid-Lowは平面型ユニット(詳細忘れてしまいました)、LowはAudioTechnologyの大口径ユニットです。チャンデバはAD/DA一体型の業務機でFIRではなくIIRで組んでいるというお話だったように思います(違っていたら訂正します)。

この日はクラシックがメインだったのですが、私のテストソースといってもいろいろな曲で構成されたものを一通り掛けさせてもらいました。

ここのシステムで特筆すべきは中高域の質感ですね。磨き上げたような美しい高域です。決して美音系の作られた美しさではありません。つるつるに磨いた鏡面をイメージさせるようなかさつきやざらつきとは無縁の透明感あふれる中高域です。これはかつて聞いたことがない領域の音です!非常に早く自然でなめらかな音質で自分の趣向にもとてもあっています。個人的には作られた美音よりは中高音の質感にはこういう方向性を求めたいところです。

それ以外の音の特徴としては、部屋が左右に広く天井が高いので非常に空間に余裕のある音が出ています。左右と奥行きがとても広い音場空間であると言えるでしょう。定位もなかなか良かったのですがそれよりも絶対的な音空間の広さのほうが印象的でした。また低域にAudioTechnologyの大口径ユニットを使っているので低音の伸びも十分です。ホールの雰囲気をしっかり描ける帯域の余裕があります。とはいえ流石に中高音の速度には追従出来ず低音はむしろゆったりした感じです。

オーケストラを中心にチューニングをされているので相性の良いジャンルは本当に最高です。ホールのような音空間の広さ、中高域の圧倒的な質感と情報量の両立、周波数レンジがもたらすスケール感、これは凄い完成度だと思いました。

ただ万能システムではなく、これはあとから恐る恐るお尋ねしたのですが低音が遅いのは意図的ということでした。オーケストラの再現を目指されているというお話で、低音は早いより遅めなほうが生のソレらしさ(低音の質感など)が出るということで、あえてそのように設定しているというお話でした。

なのでここでリズム主体のEDMみたいな曲をかけるとバスドラがワンテンポ遅れて聞こえますが、明らかにそういう高速なリズム主体の曲をかけることは目的としていないシステムです。

takeさんは主にクラシックを愛好されているようで、当日も室内に入りますとバロックの曲がかかっていました。この日は同じくクラシック好きのまささんも同行ですのでほとんどクラシックばかり掛けていました。過去の貴重な録画映像を見ながら名演を聞かせていただいたりと、私自身もクラシック愛好家とは呼べないまでもクラシック楽曲はそれなりに好んで聞いていますので、非常にクオリティの高い音と楽曲に囲まれて、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。

超ハイコストパフォーマンスな小型スピーカ

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次に聞かせていただいたのはこれです。見た目は自作感のあるSPで高価なものには見えないというか、実際にユニットはかなり低価格(数千円、ネットワーク、エンクロージャ込みでも10万円以内)だそうですが、これは音を聞いてびっくりしました。

目をつぶったらこのSPから出てるとはとても信じられないような広大な空間描写力と描写力。音の立ち上がりの速度が早く粒が揃っています。バランスがとても良くどんな音楽でも良くなりそうです。

とはいえ低音の伸びは流石にこのサイズなので物理的な限界がありますが、低音の伸び以外はかなりの高性能、見た目を良くしたら結構いい値段で売れてしまう(数十万円は余裕?)レベルと思います。木製の箱型ですが木箱っぽい音はしませんでした。ネットワーク周りも見せてもらったのですがとても謎のテクノロジーです。

このSPは聞いた方が欲しがるそうですが手間がかかるし商売するつもりはないのでそういう対応はしていないそうです。上のユニットはVifaと聞きましたが下のユニットはちょっと忘れてしまいました。

豊富な自作経験から無駄のない取捨選択をすると、お金や物量を掛けなくてもこういうものが出来上がるという良い事例かもしれません。

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この日に印象的だったこと、その他

部屋の温度

冬場にもかかわらず、かなり暖かい部屋でした。暖房はしていないと聞いて驚きました。かなりしっかりした断熱材が入っているそうで、冬も夏も温度変化の少ない快適な部屋のようです。

クラシック音楽

あまり指揮者まで掘り下げて聞く方ではないのですが、この日良いなと思ったのはベルリン・フィルの指揮者、確かクラウディオ・アバドだったと思います。この演奏です。非常に静と動のコントラストのはっきりした、キレと表現力のある演奏が印象的でした。詳細聞いたのですが名前を覚えるのが苦手で忘れてしまったのが残念です。また今度確認してみます。

ケーブルの音質対策

オーディオ的にはこれが一番インパクトがあると思うのですが、個人的なノウハウということなので詳しくは書けません。

大雑把に書きますとケーブルに直接行う音質対策です。この部屋のすべての機器、すべての電源と信号線に対策を施しているとのことで、実際に付けたり外したりすると音の質感が大きく変わります。高域が落ち着いたしっとりした質感に変化します。しかもレンジ感はあまり犠牲になっていないので副作用が少ないようです。

確かにこれがあると無いとではかなり音の差があります。しかも機器に繋がっているすべての配線に対策をすると相当違うそうで、たしかに目的や理屈とかを聞くと、おそらくそのとおりだと思いますし、とても理にかなった対策です。

この対策による音質差、品位差がかなりあるため、実際に「この部屋にハイエンドケーブルなどを持ち込んでも大した音の差が出ない」という、とんでもないお話もありました。私は実際に聴き比べをしたわけではないのですが実際に試した方がいるそうです。持ち込んだ本人も思ったほど違いが出ないことに驚いていたとか。すごいですね。

しかもここで使っているケーブルはどれも元々使っている線自体は高額なものはなく、独自の対策によって高級ケーブルを無用なものにしているということでした。

その他の写真

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書いていると終わりがなくなってしまいそうなので、大事な点のみまとめました。この度は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました!

中国、上海のオーディオクラブ訪問と思ったこと

12月上旬に中国の上海に行ってきました。今回は付き合いの長いオーディオ関係の友人と会うのが目的です。現地のオーディオ関係の方が集う場所にも行けましたのでこちらにまとめておきたいと思います。

道中で思ったこと

まず行きの飛行機で思ったことなのですが、中国人と思われる方がたくさんいたのですが、皆さんよく喋るし自由です。

離陸のときに色々注意事項の説明がありますが、周りがうるさくて全く聞こえなかったです。あと反対側の席の人が3シート一人だったのですけどずっと横になって寝てました。そしてその方は着陸のときにシートベルトつけるように注意されてましたが一度起きてつけたのは一瞬で、すぐ横になって寝てました。添乗員も一度しか注意せずあとは放置です。降りてベルト外すサインが出たときもベルト外す音がしなかったのでみんな付けてないようです。

適当でゆるい空気はすでに飛行機内にもありました。良くも悪くも他人に興味がないというか自由です。ちなみに自分はこういうのをけしからんという姿勢では見ておらず、そういう感じなのだと思うだけです。自分自身も元々自由なタイプなので窮屈なルールや厳密な空気よりこういうゆるい感じのほうが気分的には楽です。

なんとなくなんですが平地の続く大陸なので日本みたいに細かいことに神経質なタイプは殺し合って滅びたのかなとか思いました。わかりませんが。それくらいみんな適当でゆるいです。見方を変えれば日本が異常に見えてくる位です。このあたりは土地柄でしょうね。日本だと逆に細かいことしっかりしないと駄目だったのかなというところです。

また現地は英語がほとんど通じないので合流するまではちょっと苦労しました。いや英語もヤバイのですけど中国語より絶望感ないですね。当日は空港から町中までは自力でたどり着かなければなりませんでした。目的地を印刷した紙をタクシー運転手に見せれば大丈夫と言われていましたので、何もわからない現地でタクシー乗って紙を見せます。

ちなみにタクシー内は禁煙マークが付いてるのですがすごいタバコ臭い!窓開けても空気が悪いレベルです。そして運転手は運転中スマホで奥さんとビデオチャットしてたりラジオを聞いてます。さすが中国自由です。運転は凄い荒くて渋滞に入るとイライラしてて無理な割り込みとか追い越し(日本ではありえないレベル)もするし、このあたりは中国に来てる感ありました。

ちなみにラジオでは現地の歌が流れてましたが泣くように歌う曲があって面白かったです。歌というより途中からはほとんど泣いてて歌としては崩壊してるのですが溢れる情感は伝わってくる感じの曲でした。日本ではあまり聞かないタイプの歌いかたですね。

その後タクシー内でWeChatを運転手に渡して会話してもらったりしてなんとか友人と合流できましたが、無事に合流するまではちょっとドキドキする時間でした。

上海オーディオクラブ

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紹介で現地のオーディオクラブに行くことが出来ました。ここでも空気は非常にゆるいです。オーディオがかかってるのですがみんなお茶を飲んで自由に談笑しています。子供連れ、奥さん連れ、色々です。各々寛いでゆったりした時間を過ごしています。

システムは見ての通り最新のものではありません。入った瞬間に感じた音質は時代を感じさせるものなのですが、しばらく音を聞いていると段々なれてきます。そうすると非常に雄大で力強く、ゆとりや余裕があり、温度感と柔らかさと厚みと存在感を重視した音楽性なことがわかります。これは良い音です、そしてしっかりとした明確な方向性を突き詰めた音です!音楽的に明確なポリシーを感じます。

システムを見ると古いわからない機材が多いのですが、こだわっていることは伝わってきます。例えばこのレコードプレイヤーはお気に入りらしく予備で3台所持しているとのこと。いろいろ買い替えてきてここに行き着いたそうです。またHifi堂の常連さんで年間ランクトップ取ったと言っていました。ここのオーナーさんとは別の方もHifi堂を使っているそうで中国ではHifi堂が人気があるようです。相当な勢いで音源や機材を買っているようです。

決して現代的な分解能とか細かい情報とか性能を重視した音ではありません。神経質さは最大限に排除した余裕とゆとりのある音です。包み込まれるような音です。まったりこってり系ですね。ここのオーナーさんも非常に柔らかく包み込むような優しさを感じる方です。出ている音を聞いてオーナーさんを見るととても納得が出来ます。

この出音はまるで富裕層の生活そのものではないでしょうか?この部屋も上海の中心地にありながら町中の喧騒とは別世界のような隔離された場所です。広い庭園があり日本の盆栽が並んでいて、室内の随所にインテリアのこだわりも見せています。そしてオーディオがあり、休日にオーディオ仲間が集って自由かつゆったりした時間を共有する。そしてここに集まる皆さんも同様にあたりが柔らかく他人への配慮がある、良い人たちだなと思いました。聞いた話ですが中国では他人へ配慮できる人はすごく少ないそうです。そういう意味でもレベル、階層の高い方々なのだと思います。中国語が全然わからないのが残念でした。

ちなみにここでかけてもらったのはマーラーの2番、指揮は小澤征爾。小澤征爾というセレクションがこのシステムによく合っています。個人的な印象では小澤征爾は雄大さとややテンポが後ろノリというのか貯めが長めでスケールの大きさを感じる演奏をする方です。このシステムで彼の演奏を聞くとなるほどと思う瞬間が多くて納得でした。

とても心地よくリラックスできる感じで、そこそこ時間いたのですが、体感的にはそんなに長く感じませんでした。

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某有名ブランド製品の偽物

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どこの何とは書きませんが、これも音を聞かせてもらいました。中国製です。これは上記オーディオクラブにあったものではありません。勘違いのないようにお願いします。彼らの名誉のためにそれは否定します。彼らなら本物を買うでしょう。

こういものは一律でけしからんと思う方が多いと思うので深くは触れませんが、こういうものが実際に存在するのは事実です。そして中身と音質もチェックさせてもらってきました。音は本物と同じではありません。中身は改造が施されておりオリジナルとは意図的に違う部分があります。とりあえず本家のほうが「味が濃い」とだけ言っておきます。

重要なのは彼らは手段を選ばず解析によって技術を身に着けているということです。一部の中国ブランドでかつてコピーをやっていたメーカーがあります。有名ブランドのノウハウを彼らは貪欲に学んでいるということです。技術的な解析と探求とマナーの重要性をどう考えるかというところです。個人的にはこういうものを金儲けで売ることはどうかと思いますが、解析し身につけることは重要だというスタンスです。もちろん異論はあると思いますがあくまで私の意見です。

他人を納得させるようなセンスは簡単には身につきませんが、最低限の技術がなければビジョンは実現できません。どちらも大事ですが技術は疎かにしないほうが最終的に良い表現ができる確率は上がるでしょう。

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中国インターネットと巨大企業による効率化

現地で感心したのは効率化と分業化です。どのようなお店でも一つにアプリで出前ができるし、タクシーも同じように都心ならいつでもどこでも呼べるしキャンセルも自由です。出前をしているのはお店の人じゃなくて請負人だそうです。

このあたりは自分が書くより、詳しいBlogがあるのでこちらを参考にしてください。

http://takiyori-china.hatenadiary.com/entry/2018/01/31/193449

そして支払いはすべてスマホのみ。顔認証がついているのでセキュリティはそれなりに硬そうです。食べ物屋もスマホ決済のみでした。現金がないのでひったくりや空き巣、盗難も減ったそうです。今だと随所にある監視カメラの影響も大きそうです。

重要なのがこの効率化を単一の巨大企業が請け負っているというところ。日本だと出前というと各社自前で賄っています。人員もシステムも。だから統一された一つのシステムですべてを賄う中国とは全然違います。

電子決済もpaypayとか出てきましたがこれから各社の囲い込み競争になりそうです。既存のnanacoとかsuicaとかバラバラですよね。これが中国だとほぼ独占企業(テンセント、アリババ)が賄っているイメージです。このあたりは共産主義の良いところなのかもしれません。決して日本もこうなるべきという意味ではありませんが使う方は便利ですね。

あと滞在はホテルじゃなくて友人宅だったのですが、ハウスキーピングは物件のサービスだそうです。掃除とか洗濯とかベットメイクは全部家賃に入っているそうです。ゴミの分別もないで勝手にやってくれるそう。

日本では自分のことは何でもできるのが一人前という認識がありますが中国ではこういうところは分業化なんですね。

よく考えれば時給1万円の人がいたとしてその人が何時間もかけて家事をする位なら、もっと安く外注したほうが良いとなりますね。その分の時間は仕事や休息などもっと有意義な時間に使うほうが効率的という考え方はあると思います。

人生には時間に限りがありますし、すべてのスキルをマスターできるわけでもありません。苦手なことは素直に頼んで向いていることに集中する。合理的ではあります。

中国料理の写真

現地で撮影したものです。

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日本のかつての強みと衰退した理由?

これは帰りの飛行機でふと思ったことです。そしてここからは半分ファンタジーというか自分の狭い知識からのお話なので話半分で読んでください

専門じゃないしこれについて掘り下げることに時間を使う気がないので、これについて長文でコメントとかは勘弁してください。大事な話じゃないので料理の写真の下に配置しました。料理の写真のほうが大事ということです。あくまでちょっとした合間に考えたお話です。普段こういうことあまり書きませんがたまにはこういうことも書いてみたいと思います。

日本の強みは何かと考えたときに頼まれたら一人でなんでもやる、組織の一員として理不尽だったり無理な要求でも頑張ってなんとかする、みたいな部分があると思うのですが、そういうやり方はインターネット前の日本が強かった理由と関係しているのかなと思いました。

例えば分業化って人と人をつないだり連携するためにコストと手間と時間がかかります。だから日本みたいな白紙の新入社員を入れて年功序列で縛り会社に絶対忠誠として会社の都合で一人を使い倒すシステムは、人員を分業化でその都度専門家を集める手法よりネット以前は効率が良かったのかもしれません。個人の努力が分業化を結びつける様々なコストを上回っていたということです。

しかしインターネットを境にこれが変わった、人と人をつなぎ、仕事をシステムで瞬間的に効率的に管理できる手法が広がっていきました。特に中国の現状なんかはまさにこれが極端に進んだ姿に見えました。スマホでリアルタイムで人と人を繋いでそれが仕事になっています。支払いも瞬時で確実です。各人の都合で仕事ができる。ネットやスマホがなければ実現出来なかったことです。

そういうインターネットによる適正と仕事をつなぐ効率化が一人でなんでも頑張る効率を超えたこと、これは一つの要因じゃないかと思いました。個人がいくら身をすり減らして頑張っても、特化した適正を持つ専門家の分業効率に負け始めたのではないかということです。

もちろんこれはただの一面的な部分だけだと思うのでこれが全部なんて言うつもりは全くありません。日本の大きな成長には人口ボーナス期とかインフレ後の円安など世界的なサイクル要因があると思うので、この限りではないはずなんですが、上記のような視点の意見はあまり見たことがなかったので(的はずれなだけかもしれませんが)書いてみました。

上記を踏まえて日本はどうするべきか

これも個人的な意見でしかないし専門家でもありませんから適当に読んでください。

日本が中国みたいに分業化で効率化するのが良いとは思いません。やっぱり民族の基質ってあると思うので、日本の価値観や考え方に沿ったやり方で進めていくのが良いと思っています。中国や欧米にならって同じやり方では勝てないと思うからです。

自分の意見ではこれからはいろいろな意味での規制緩和と棲み分けのバランスが大事な気がしています。

たとえば国内でよくあるのがローカルルール。エスカレータで右空けるなんかもそうですよね。これは極端な例なのですが、国内だとマナーとかルールは誰かが文句を言い出すといつの間にか出来上がっていて、いつの間にかそれを守れないと駄目という空気が醸成されていく。最近日本がとても息が詰まる感じの一つはこれかなって思います。良くも悪くもそういうルールは建前だとしても表向きしっかり守るべきっていう真面目さは美徳ですがそろそろ限度問題かもしれません。

またルールを守ること自体が問題ではなくて、上記の基質がネットと相性悪いと思ってます。ネットでそういうルールが次々と全国的に共有されていくことでルールやマナーみたいなのがどんどん増えていって、あらゆることが段々と面倒になっているような気がします。ネットで全国的に色々な規制が「誰かわからないがこれがけしからんらしい」ということでどんどん共有されていくイメージです。

それは本来限られた範囲(村社会?昭和の会社?)でうまくいく考え方だと思うのですが、ネットによって全国的にあらゆるジャンルで規制が発生し増殖していくと最後は何をやるにも窮屈になりそうです。そもそも規制って生産的じゃないです。もちろんなんでもアリにしろって話じゃないです。

上手く言えないのですが、細かいルールみたいなものは局地的にうまくゾーニングして棲み分け、それぞれが前に進んで行けたら良いのかなと思いました。価値観の違う考え方はうまく距離をとって尊重しあい、無理強いせずそれぞれが個別で前に進む。各分野の特区をつくって相互に異なるルールを細分化して適用するようなイメージです。狭い範囲でルールを守って協調していくのは日本人は得意だと思います。でもやりすぎると横のつながりが薄くなりそうですけど、それこそはネットでつなぐ分業化でカバーなのでしょうか。村社会に戻るだけってのはただの退化です。テクノロジーと日本的価値観でうまく付き合っていくこれが大事なのではということです。あくまで私の意見です。

とにかく長い時間によって培われた基質は変えられないので、基質にあった形で、というのが大事なのだろうと思います。少なくとも今は何かうまく行っていない感覚はあります。まぁふわっとした意見ですし、あくまで個人の妄想ですからここは適当に解釈お願いします。

MYTEK Manhattan 2 レビュー

大変ありがたくお借りしましたので感想をまとめます。内容は購入検討されている方が比較参考になるように意識して書きました。強い部分、弱い部分、音楽的な特徴、性能的な特徴、そして設計面での特徴にも触れます。

音楽的、性能的特徴

男性的で力強い音、左右定位と上下帯域のワイドレンジさ、前に出てくる音、そしてスピードとパワーを重視する描写が特徴です。スピードとパワーに振った分丁寧さにかける部分もありますが、その分勢いを感じさせる出音となっています。繊細な描写を要求するクラシック系は荒くて相性が悪いですけど、低音重視の曲やリズムの強い曲では優位性を感じました。

低域に個性のある帯域があります。ベースのちょっと上くらいの帯域です。このあたりに倍音の厚みのある帯域があって、そこから下は細くなっていきます。絶対的な伸びるローというより少し上が張り出してその下からはパッと聞いた印象ほどは出ていません。

これが個性的な低音感を生み出しています。多分ですけどレギュレータ出力以降に大きめの電解コンデンサを並べているのでその特性の帯域にちょうど上記のような個性が出ているものと思います。美味しい帯域ではありますから意図的だと思います。

駆動力についてはICを使ったDACの中では実力が高いです。大半の現代的なICを使ったDACよりは駆動力があると思います。同じような現代的なICを使っている自分のAK4497とはかなりの駆動力差があった(Manhattan2がより良い)ので驚きました。

でもdCSみたいなディスクリートDAC、古い積分形DACのような余裕を感じさせる程の駆動力はありません。これらが余裕で低音から高音までビシバシ正確に描写する感じだとしたらManhattan2は必死で描写している印象があります。やはりES9038であっても小さいIC一つなので限界があるのだと思いました。

楽器演奏で例えるならスピードの早いたくさんの音符をしっかり演奏できずにややルーズな演奏になってしまっている印象と似ています。早く正確に弾くという意味ではdCSや積分形DACが最も高性能で、Manhattan2はパワーとスピードでやや力押しが目立つ表現です。

例えばですが、爪弾きのような非常に細かい表現の機微を正確に描写することは苦手です。演奏の抑揚や現場の空気感は埋もれがちで明瞭に聞き取りがしにくいです。そのため抑揚がない一辺倒な演奏に聞こえたり、録音現場の雰囲気やまとわりつく余韻などが埋もれがちです。この点でもManhattan2は細かいことは良いんだよ的な勢いと力強さでパワフルに押す音という印象を受けます。

駆動力、特定帯域の厚み、この2つはどちらも低音にとって重要パラメータです。Manhattan2は独特の厚み(ベースの上、ギターの胴なりのあたり)があり、勢いを感じさせる個性があるのでこれらが気に入ったら強いです。

最後に高域ですが、色付けは現代的な標準で薄めであり付帯音も少なめ、Manhattan1と比べるとだいぶ個性は薄くなりました。Manhattan1のほうが筐体デザインと音とのマッチングはしっくりきます。でも2のほうがクオリティは明らかに上です。

高域のトータルバランス=仕上がりは若干色がある程よいバランスだと思います。dCSほど個性的ではありませんが粒子感もあるので空気感にも程よく貢献しています。この粒子感によって余韻が前に出てきますし、色彩感もあります。そのかわり本当に細かい部分は均質になります。またDAVEほど高域の付帯音が強くないので最初の印象ではむしろおとなしい高音とすら感じました。

高域のピントの正確さとか緻密でなめらかな描写を追い求めるならDAVEなど他の製品が良いでしょう。高域の正確な描写力はDAVEや積分形DACにはかないません。滲んだ音で一般的な現代DACと同じです。(高域の付帯音と解像度は別の要素です)

そのほか、Manhattan2は上記の通り音の前後感が若干希薄になりますので、この点はDAVEのほうが前後感と現場の雰囲気が感じられます。

DAVE比では高域付帯音の少なさ、定位の広さ、音の安定感、に注目するならManhattan2が上になります。DAVEが優位なのは高域情報量と奥行きですが、奥行き描写もDAVEより少し劣るレベルでそこを重視しない方なら問題ないレベルで描写出来ているのでなかなかハイレベルかと思います。

どちらにせよ試聴して比較したら、聞きたい音が定まっている方なら迷うことはない位に個性が異なります。

設計上の特徴

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設計上の音質の肝は次のとおりかと思います。

・トランスと電解コンデンサと整流ダイオードの物量が凄い
・電流の余裕を重視した設計でパワフルな出音が期待できる
・ESSの専用電源ICを使っている=DACの電源がローノイズ
・クロックが低位相雑音品(ただしBrooklynも同等)
・IVオペアンプが8パラレルになっている=アンプ起因のノイズが抑圧

デジタル段はFPGAで処理してそうなので不明です。

アナログの電源ICはLM2990とLM2940でかなり平凡なスペックです。なのでアナログ回路は実はローノイズ重視ではありません。オペアンプが8パラなのでアンプ回路側に起因するノイズの影響を防げていると思うのですが、実は電源起因のノイズは共通なのでパラレル化では打ち消されません。

アナログ電源はハイスピードなレギュレートではなく電流の余裕を重視した設計のため絶対的なフラット感やスピードよりも電流持続力と余裕に舵を振った設計になっています。

アンプ直近に大きな電解コンデンサがついているので負荷への電流供給を狙った設計だと思います。そのかわり電解コンデンサは周波数特性、特に低域方面への特性の伸びが限定されますので周波数応答にはどうしても個性が出ます。これは独特の低域が強調された音作りと繋がっているものと考えます。

大型トランス、大型整流ダイオード、DACとしては巨大な整流用電解コンデンサ(22000uF等)、太い配線、MELF抵抗、フィルムコン、負荷直近の大型電解コンデンサ、ES9038Pro+ESSの専用電源IC、IVオペアンプ8パラ+平凡なアナログ電源レギュレータ、これらが設計上の特徴となりそうです。自作の場合でも上記設計に似せたコンセプトで設計すれば基本的な出音の雰囲気は似てくる可能性が高いと思います。

もしここから最も手軽に音質的なアップグレードをするならLM2990とLM2940をローノイズなレギュレータに変更することが一番でしょう。しかしそうするとManhattan2の独特の音楽性でもある勢いがなくなって、おとなしい地味な出音になって物足りないということがあるかもしれません。

Manhattan2はデジタルフィルターを色々変更できますのでそういった音質要因もありますが、実装されている各種フィルターはどれもChordほど音質に支配的なフィルターではない普通のフィルターなので微調整レベルで音に支配的ではありません。

測定値(個人測定なので参考程度にお願いします)

1000hz_thd_trim24

アナログボリュームフル設定、1kHz THD、+24dBV trim

1000hz_thd_trim24_dgvol

デジタルボリュームフル設定、1kHz THD、+24dBV trim 同じ出力ですがアナログボリューム経由よりTHDは良好です。

j-test_trim24

J-test、+24dBV trim

crosstalk

クロストーク -120dB前後

rcaout_5mhz

5Mhz帯域のノイズフロア分布。帯域外ノイズは少なくよく抑圧出来ています。これが付帯音の少なさに関係します。なお60kHzの膨らみは外来ノイズの影響でDACによるものではありません。

rcaout_100khz

100kHz帯域+20kHzLPF時の微小領域の残留ノイズ。この結果は現代DACとしてはやや高めです。

超低音とスピード感の高度な両立、avcatさん宅システム

2018/11/03にお邪魔しました。現代最高峰と思われるYG acoustics Sonja XV jrを使用されています。いつもどおり詳しい機器の情報などは書きません。写真にシステムを写しましたので写真から判断してください。音質についてを中心に書きます。

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驚愕の低音とそれ以上に凄い中低域の描写スピード

他の方のavcatさん宅レビューでもXVに変更してからのシステムについては非常に低音の評価が高かったのですが、個人的には超低音そのものよりも低音+速度の両立のほうが驚愕でした。

まずは低音の伸びがどれくらいなのかを書きます。最初にRodrigo y Gabrielaのギタープレイを聞いたのですが、この曲は実は凄い下の帯域で暗騒音と思われる超低音が録音されているのですが、それが非常に明瞭に聞こえました。これは自宅システムでは全く出ていない帯域です。一応自宅システムも30Hz台までフラットに出てますのでもっと下です。この帯域を綺麗に再生できるシステムは少ないでしょう。

次に凄いと思った低音のスピード感です。これは中低音について特に強く感じた特徴です。今まで聞いたYG AcousticのSonja 2.2、Haileyとは明らかに異質な部分です。非常に下の帯域まで出ているのに低音の立ち上がりが圧倒的に早く、それにより中低域の透明感と描写力がかつて聞いたことがないようなレベルにあるということです。この音源のこの部分はこんな音だったのかということが色々な曲を聞いていて何度かありました。

avcatさんのお話ではXVではないSonjaまでは単一のユニットで低音をミッドとウーファーで分担して受け持っていますが、これがXV jrになるともっとたくさんのユニットで低音を受け持つようになりました。なので一つ一つのユニットのストロークがかなり小さくても同じ音量が出せるようになり、その結果立ち上がりまでのスピードが上がっているとのことです。これがフルXVになると更にユニットが増えるのでもっと立ち上がりが早くなるとのことです。全く出音が予想できません。恐ろしいです。

確かにこのXV jrの出音を知っているとノーマルSonjaまでは低音がやや遅く中高音との接続が不完全だったことがわかってしまいます。唯一このネガをカバーできていたのはlookkgさんの低音ネットワークバイパス+バイアンプ状態の音でしょうか。おそらく普通にネットワークを経由したSonjaではこの音は出ないのではないかと思います。

ということで個人的には超低音再生能力も凄いですが、それ以上にこの低音とスピード感を両立していること、それによって初めて浮かび上がる中低音の詳細なディテール、この部分が非常に印象的でした。

スーパーハイエンドの条件、高音の”色”

もう一つ書かなければならないことがあります。それは高域の質感です。私が持ち込みをした試聴CDの前半では高音に明らかに色が乗っていると思ったのです。最初は高音が滲んでいると思ったのですが、後半のソースで高音の質感と帯域バランスをチェックするための曲をかけたときにすばやく立ち上がっており、決して出音が滲んでいるわけじゃないことがわかりました。

ちょうどボーカルのサ行より少し下の帯域に継続的に響く付帯音があります。やや大きめの粒子感のある音がその帯域にずっと漂っています。実際の高音描写は非常にピントが合っていてシャープかつ高速な描写なのですが、基本的な描写とは別に上記のような付帯音が常に鳴っているのです。

私自身はこのたぐいの音はとても好物ではないほうなのですが、それについてavcatさんに聞いてみると、この音が鳴っていないと逆に駄目というご意見でした。理由についてお伺いすると世界のスーパーハイエンド、今で言う100万クラスから上の数百万円クラスの機材の持つ共通した特徴とのことです。

元々はオーディオイベントで高額な世界のハイエンドが出していた音のようです。憧れとしてこの音があり、そのためにオーディオで聞く意義があるというほど重要なエッセンスのようです。ちょうど銀線とか美音とかそういう方向性ですね。

トランスポートの支配力、Vivaldiの魅力

この日は最近出来上がったデジタルコンバータを持っていったのでPCから接続させてもらってVivaldiトランスポート+クロックとの比較をさせていただきました。ノートPC+デジタルコンバータからVivaldi DAC、それ以降は既存のシステムと全く同じなのですが出音は全く違いました。

驚いたのはシステム全体の音色のうち40%くらいが変わったように聞こえました。極端かもしれませんがトランスポートが実は音を支配しているというお話です。体感的にはトランスポートを自分の設計品に変更したら半分くらいシステムが自分の音になってしまったようなイメージです。

avcatさんにトランスポートの重要度のお話を聞くと、やはりVivaldiはトランスポートが大事というようなことを言っていました。どうしてもDACに注目が集まりがちですが実は音色面ではトランスポートの支配力はかなりあるとのことです。Vivaldiの音色はDACだけでなくトランスポートも含めて完成するようです。

トランスポートも含めたVivaldiはやっぱり美音系と力強さに独自の魅力があると思います。上記にも書いたハイエンドらしいオーディオらしい高音です。それに力感と量感があって図太さを感じる描写になります。

例えるならVivaldiが鈍器で殴られる感じだとしたら、こちらのトランスポートは槍で刺されるとか刃物で切られるような感じです。このあたりははっきりと好みの分かれる方向性の明確な違いがあると思いました。

支配力というのは、フルVivaldiとDACだけVivaldiという構成に予想以上の大きな差があったということです。そしてVivaldiの音色が好きならばトランスポートまで揃えないと真の個性は発揮されていないのだと思いました。

その他、印象的な部分

良くオーディオに大金をかけるならコンサートやライブに行ったほうがいい的な意見がありますが、以下のavcatさんの考え方はそもそも生音を基準にしていない、生音を理想としていない点で個人的には面白い考え方だと思いました。

  • オーディオでしか実現できない音世界を理想とする
  • 生音ではなくオーディオの音が聞きたいという境地

ここからわかるようにavcatさんは音楽より純粋にオーディオを愛する方だと思いました。日本国内は勿論、世界中のオーディオイベントに出かけていって写真を取りそれを記録していく、それを安定して長期間にわたって継続していく…、それは熱心なオーディオファンであっても簡単に誰でもできることではないと思うのです。むしろ専業の仕事であってもここまで熱心にできるのかと思うようなことを長期で継続しています。とても凄いことだと思います。

私としては今回がほとんど初対面で、あまり長い時間お話できたわけでもないので、普段の発言から推測や引用した部分もありますが、大まかな印象的な部分をまとめますと以上です。

この度は貴重なお時間をいただき、素晴らしい体験をさせていただきまして、ありがとうございました。

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