中国、上海のオーディオクラブ訪問と思ったこと

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12月上旬に中国の上海に行ってきました。今回は付き合いの長いオーディオ関係の友人と会うのが目的です。現地のオーディオ関係の方が集う場所にも行けましたのでこちらにまとめておきたいと思います。

道中で思ったこと

まず行きの飛行機で思ったことなのですが、中国人と思われる方がたくさんいたのですが、皆さんよく喋るし自由です。

離陸のときに色々注意事項の説明がありますが、周りがうるさくて全く聞こえなかったです。あと反対側の席の人が3シート一人だったのですけどずっと横になって寝てました。そしてその方は着陸のときにシートベルトつけるように注意されてましたが一度起きてつけたのは一瞬で、すぐ横になって寝てました。添乗員も一度しか注意せずあとは放置です。降りてベルト外すサインが出たときもベルト外す音がしなかったのでみんな付けてないようです。

適当でゆるい空気はすでに飛行機内にもありました。良くも悪くも他人に興味がないというか自由です。ちなみに自分はこういうのをけしからんという姿勢では見ておらず、そういう感じなのだと思うだけです。自分自身も元々自由なタイプなので窮屈なルールや厳密な空気よりこういうゆるい感じのほうが気分的には楽です。

なんとなくなんですが平地の続く大陸なので日本みたいに細かいことに神経質なタイプは殺し合って滅びたのかなとか思いました。わかりませんが。それくらいみんな適当でゆるいです。見方を変えれば日本が異常に見えてくる位です。このあたりは土地柄でしょうね。日本だと逆に細かいことしっかりしないと駄目だったのかなというところです。

また現地は英語がほとんど通じないので合流するまではちょっと苦労しました。いや英語もヤバイのですけど中国語より絶望感ないですね。当日は空港から町中までは自力でたどり着かなければなりませんでした。目的地を印刷した紙をタクシー運転手に見せれば大丈夫と言われていましたので、何もわからない現地でタクシー乗って紙を見せます。

ちなみにタクシー内は禁煙マークが付いてるのですがすごいタバコ臭い!窓開けても空気が悪いレベルです。そして運転手は運転中スマホで奥さんとビデオチャットしてたりラジオを聞いてます。さすが中国自由です。運転は凄い荒くて渋滞に入るとイライラしてて無理な割り込みとか追い越し(日本ではありえないレベル)もするし、このあたりは中国に来てる感ありました。

ちなみにラジオでは現地の歌が流れてましたが泣くように歌う曲があって面白かったです。歌というより途中からはほとんど泣いてて歌としては崩壊してるのですが溢れる情感は伝わってくる感じの曲でした。日本ではあまり聞かないタイプの歌いかたですね。

その後タクシー内でWeChatを運転手に渡して会話してもらったりしてなんとか友人と合流できましたが、無事に合流するまではちょっとドキドキする時間でした。

上海オーディオクラブ

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紹介で現地のオーディオクラブに行くことが出来ました。ここでも空気は非常にゆるいです。オーディオがかかってるのですがみんなお茶を飲んで自由に談笑しています。子供連れ、奥さん連れ、色々です。各々寛いでゆったりした時間を過ごしています。

システムは見ての通り最新のものではありません。入った瞬間に感じた音質は時代を感じさせるものなのですが、しばらく音を聞いていると段々なれてきます。そうすると非常に雄大で力強く、ゆとりや余裕があり、温度感と柔らかさと厚みと存在感を重視した音楽性なことがわかります。これは良い音です、そしてしっかりとした明確な方向性を突き詰めた音です!音楽的に明確なポリシーを感じます。

システムを見ると古いわからない機材が多いのですが、こだわっていることは伝わってきます。例えばこのレコードプレイヤーはお気に入りらしく予備で3台所持しているとのこと。いろいろ買い替えてきてここに行き着いたそうです。またHifi堂の常連さんで年間ランクトップ取ったと言っていました。ここのオーナーさんとは別の方もHifi堂を使っているそうで中国ではHifi堂が人気があるようです。相当な勢いで音源や機材を買っているようです。

決して現代的な分解能とか細かい情報とか性能を重視した音ではありません。神経質さは最大限に排除した余裕とゆとりのある音です。包み込まれるような音です。まったりこってり系ですね。ここのオーナーさんも非常に柔らかく包み込むような優しさを感じる方です。出ている音を聞いてオーナーさんを見るととても納得が出来ます。

この出音はまるで富裕層の生活そのものではないでしょうか?この部屋も上海の中心地にありながら町中の喧騒とは別世界のような隔離された場所です。広い庭園があり日本の盆栽が並んでいて、室内の随所にインテリアのこだわりも見せています。そしてオーディオがあり、休日にオーディオ仲間が集って自由かつゆったりした時間を共有する。そしてここに集まる皆さんも同様にあたりが柔らかく他人への配慮がある、良い人たちだなと思いました。聞いた話ですが中国では他人へ配慮できる人はすごく少ないそうです。そういう意味でもレベル、階層の高い方々なのだと思います。中国語が全然わからないのが残念でした。

ちなみにここでかけてもらったのはマーラーの2番、指揮は小澤征爾。小澤征爾というセレクションがこのシステムによく合っています。個人的な印象では小澤征爾は雄大さとややテンポが後ろノリというのか貯めが長めでスケールの大きさを感じる演奏をする方です。このシステムで彼の演奏を聞くとなるほどと思う瞬間が多くて納得でした。

とても心地よくリラックスできる感じで、そこそこ時間いたのですが、体感的にはそんなに長く感じませんでした。

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某有名ブランド製品の偽物

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どこの何とは書きませんが、これも音を聞かせてもらいました。中国製です。これは上記オーディオクラブにあったものではありません。勘違いのないようにお願いします。彼らの名誉のためにそれは否定します。彼らなら本物を買うでしょう。

こういものは一律でけしからんと思う方が多いと思うので深くは触れませんが、こういうものが実際に存在するのは事実です。そして中身と音質もチェックさせてもらってきました。音は本物と同じではありません。中身は改造が施されておりオリジナルとは意図的に違う部分があります。とりあえず本家のほうが「味が濃い」とだけ言っておきます。

重要なのは彼らは手段を選ばず解析によって技術を身に着けているということです。一部の中国ブランドでかつてコピーをやっていたメーカーがあります。有名ブランドのノウハウを彼らは貪欲に学んでいるということです。技術的な解析と探求とマナーの重要性をどう考えるかというところです。個人的にはこういうものを金儲けで売ることはどうかと思いますが、解析し身につけることは重要だというスタンスです。もちろん異論はあると思いますがあくまで私の意見です。

他人を納得させるようなセンスは簡単には身につきませんが、最低限の技術がなければビジョンは実現できません。どちらも大事ですが技術は疎かにしないほうが最終的に良い表現ができる確率は上がるでしょう。

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中国インターネットと巨大企業による効率化

現地で感心したのは効率化と分業化です。どのようなお店でも一つにアプリで出前ができるし、タクシーも同じように都心ならいつでもどこでも呼べるしキャンセルも自由です。出前をしているのはお店の人じゃなくて請負人だそうです。

このあたりは自分が書くより、詳しいBlogがあるのでこちらを参考にしてください。

http://takiyori-china.hatenadiary.com/entry/2018/01/31/193449

そして支払いはすべてスマホのみ。顔認証がついているのでセキュリティはそれなりに硬そうです。食べ物屋もスマホ決済のみでした。現金がないのでひったくりや空き巣、盗難も減ったそうです。今だと随所にある監視カメラの影響も大きそうです。

重要なのがこの効率化を単一の巨大企業が請け負っているというところ。日本だと出前というと各社自前で賄っています。人員もシステムも。だから統一された一つのシステムですべてを賄う中国とは全然違います。

電子決済もpaypayとか出てきましたがこれから各社の囲い込み競争になりそうです。既存のnanacoとかsuicaとかバラバラですよね。これが中国だとほぼ独占企業(テンセント、アリババ)が賄っているイメージです。このあたりは共産主義の良いところなのかもしれません。決して日本もこうなるべきという意味ではありませんが使う方は便利ですね。

あと滞在はホテルじゃなくて友人宅だったのですが、ハウスキーピングは物件のサービスだそうです。掃除とか洗濯とかベットメイクは全部家賃に入っているそうです。ゴミの分別もないで勝手にやってくれるそう。

日本では自分のことは何でもできるのが一人前という認識がありますが中国ではこういうところは分業化なんですね。

よく考えれば時給1万円の人がいたとしてその人が何時間もかけて家事をする位なら、もっと安く外注したほうが良いとなりますね。その分の時間は仕事や休息などもっと有意義な時間に使うほうが効率的という考え方はあると思います。

人生には時間に限りがありますし、すべてのスキルをマスターできるわけでもありません。苦手なことは素直に頼んで向いていることに集中する。合理的ではあります。

中国料理の写真

現地で撮影したものです。

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日本のかつての強みと衰退した理由?

これは帰りの飛行機でふと思ったことです。そしてここからは半分ファンタジーというか自分の狭い知識からのお話なので話半分で読んでください

専門じゃないしこれについて掘り下げることに時間を使う気がないので、これについて長文でコメントとかは勘弁してください。大事な話じゃないので料理の写真の下に配置しました。料理の写真のほうが大事ということです。あくまでちょっとした合間に考えたお話です。普段こういうことあまり書きませんがたまにはこういうことも書いてみたいと思います。

日本の強みは何かと考えたときに頼まれたら一人でなんでもやる、組織の一員として理不尽だったり無理な要求でも頑張ってなんとかする、みたいな部分があると思うのですが、そういうやり方はインターネット前の日本が強かった理由と関係しているのかなと思いました。

例えば分業化って人と人をつないだり連携するためにコストと手間と時間がかかります。だから日本みたいな白紙の新入社員を入れて年功序列で縛り会社に絶対忠誠として会社の都合で一人を使い倒すシステムは、人員を分業化でその都度専門家を集める手法よりネット以前は効率が良かったのかもしれません。個人の努力が分業化を結びつける様々なコストを上回っていたということです。

しかしインターネットを境にこれが変わった、人と人をつなぎ、仕事をシステムで瞬間的に効率的に管理できる手法が広がっていきました。特に中国の現状なんかはまさにこれが極端に進んだ姿に見えました。スマホでリアルタイムで人と人を繋いでそれが仕事になっています。支払いも瞬時で確実です。各人の都合で仕事ができる。ネットやスマホがなければ実現出来なかったことです。

そういうインターネットによる適正と仕事をつなぐ効率化が一人でなんでも頑張る効率を超えたこと、これは一つの要因じゃないかと思いました。個人がいくら身をすり減らして頑張っても、特化した適正を持つ専門家の分業効率に負け始めたのではないかということです。

もちろんこれはただの一面的な部分だけだと思うのでこれが全部なんて言うつもりは全くありません。日本の大きな成長には人口ボーナス期とかインフレ後の円安など世界的なサイクル要因があると思うので、この限りではないはずなんですが、上記のような視点の意見はあまり見たことがなかったので(的はずれなだけかもしれませんが)書いてみました。

上記を踏まえて日本はどうするべきか

これも個人的な意見でしかないし専門家でもありませんから適当に読んでください。

日本が中国みたいに分業化で効率化するのが良いとは思いません。やっぱり民族の基質ってあると思うので、日本の価値観や考え方に沿ったやり方で進めていくのが良いと思っています。中国や欧米にならって同じやり方では勝てないと思うからです。

自分の意見ではこれからはいろいろな意味での規制緩和と棲み分けのバランスが大事な気がしています。

たとえば国内でよくあるのがローカルルール。エスカレータで右空けるなんかもそうですよね。これは極端な例なのですが、国内だとマナーとかルールは誰かが文句を言い出すといつの間にか出来上がっていて、いつの間にかそれを守れないと駄目という空気が醸成されていく。最近日本がとても息が詰まる感じの一つはこれかなって思います。良くも悪くもそういうルールは建前だとしても表向きしっかり守るべきっていう真面目さは美徳ですがそろそろ限度問題かもしれません。

またルールを守ること自体が問題ではなくて、上記の基質がネットと相性悪いと思ってます。ネットでそういうルールが次々と全国的に共有されていくことでルールやマナーみたいなのがどんどん増えていって、あらゆることが段々と面倒になっているような気がします。ネットで全国的に色々な規制が「誰かわからないがこれがけしからんらしい」ということでどんどん共有されていくイメージです。

それは本来限られた範囲(村社会?昭和の会社?)でうまくいく考え方だと思うのですが、ネットによって全国的にあらゆるジャンルで規制が発生し増殖していくと最後は何をやるにも窮屈になりそうです。そもそも規制って生産的じゃないです。もちろんなんでもアリにしろって話じゃないです。

上手く言えないのですが、細かいルールみたいなものは局地的にうまくゾーニングして棲み分け、それぞれが前に進んで行けたら良いのかなと思いました。価値観の違う考え方はうまく距離をとって尊重しあい、無理強いせずそれぞれが個別で前に進む。各分野の特区をつくって相互に異なるルールを細分化して適用するようなイメージです。狭い範囲でルールを守って協調していくのは日本人は得意だと思います。でもやりすぎると横のつながりが薄くなりそうですけど、それこそはネットでつなぐ分業化でカバーなのでしょうか。村社会に戻るだけってのはただの退化です。テクノロジーと日本的価値観でうまく付き合っていくこれが大事なのではということです。あくまで私の意見です。

とにかく長い時間によって培われた基質は変えられないので、基質にあった形で、というのが大事なのだろうと思います。少なくとも今は何かうまく行っていない感覚はあります。まぁふわっとした意見ですし、あくまで個人の妄想ですからここは適当に解釈お願いします。