2017/06/27 補足を追加しました
こちらの製品をお借りしたのでレビューをアップしてみたいと思います。
公式サイト:http://composite-inshulator.p2.weblife.me/lineup.html
DACに使ったときの第一印象は余韻が強調されて色が乗るイメージでした。中高音は響いて余韻が伸びます。低音の厚みも若干ですが増えます。全体的に響きを載せて音作りがなされている印象です。響きと言っても複合素材のようなので金属っぽいとか明らかにわざとらしい響きが乗るわけじゃないのですが、全体的にほんのり薄くリバーブがかかったようなイメージです。
これによって原音に近づくとか生楽器のような音が出るという謳い文句ですが、余韻を追加して解像度が上がるわけはなく、逆に余計な響きが乗るのでセオリー通り見通しは悪化します。
普通ミックスでリバーブを足すことは解像度を増やす行為ではありません。むしろリバーブ過多で音がぼやけてしまうのは初心者がやる失敗です。まぁその音が心地よかったりってのは確かにあるのですがそれは曲によります。ということで第一印象はあまり良いものではありませんでした。
しかし世間で高評価をされているので何か良い理由があるはずと思い、適合する音源を探しました。最初は低音が厚く余韻が追加されるのでR&B系、弾き語りレベルの編成のバラード等、低音が重くなっても良いジャンル、楽器数が非常に少ない曲で選んでいたのですが、それによる変化は所詮「好みの領域」という印象でした。決して原音とか生楽器とか大げさな音が出ることはありません。
しかしその印象が大きく変わったのは偶然に古い録音を再生したときです。古い録音と言ってもレコード時代まで遡るわけではなくて、もうちょっと手前くらいの時代のものです。丁度80年代~90年代くらいのデジタルシンセ+デジタルリバーブ+デジタル録音のややロービット系の音源と合わせたときに印象が大きく変わりました。
その時代のいろいろな音源で試してみると、ザラッとした質感がなめらかになって階調が深くなり細部の見通しが改善しました!しかもそういう音質の楽曲なら音数が増えても問題ありませんでした。
当時の音質はデジタルの初期なので機材の質もそれほどではないので、質感もデジデジしていて高域もザラッと砂が撒き散らされたような音質が多いのですが、こういう音源にKaNaDe01を使うと音が滑らかになって解像度が上がるようです。時代やソースの種類限定で威力を発揮することがわかりました。
この原理はアナログディザーといえば良いのでしょうか。デジタルの階調をアナログの振動で散らして階調を補完し解像度を高めるイメージです。やっていることはデジタルのディザーに似ています。なのでこの手法はそういう音質のソースにだけ音質改善効果があります。スネアにゲートリバーブ使ってるような時代から90年台中期くらいまでの音源限定のイメージです。
ここでいう中央の画像に相当するような音源を再生すると右のようになるわけです(イメージなので実際にこういう状態ということではありません)。
ただし左のようなソースに使ったときはノイズが追加されるのと同じなので解像度は低下します。左に該当するソースとは、デジタル機材が出てくる以前のフルアナログ時代の音源、デジタルが進化して高解像度化してしまった時代のソースなどが該当します。これらには基本合いません。
現代では非常に高性能なデジタルリバーブもありますし高解像度サンプリングの音源があります。録音機材もデジタルばかりにはなりましたが昔よりも質はかなり向上しました。こういった音源だともともとの綺麗な質感に余計な振動と余韻が追加されてしまいます。
ということで、KaNaDe01は新しい発想のインシュレータであり、適合するソースならCDに収録されている音以上の音を出せる可能性のある製品だと感じました。そのかわりどんなソースでも音が良くなるような万能型のアクセサリではないと思いました。
疑問
ですがネットでいろいろ評判を調べると悪い意見は殆ど見かけません。こちらの環境では一部の年代を除く殆どすべてのソースで劣化が見られるのでネットでの評判とはだいぶ印象が異なります。何故でしょうか?
この理由について考えた結果は次のとおりです。
古い録音じゃなくてもDACの性能が不十分でデジタルらしさが残っている場合などでは、KaNaDeのアナログディザー効果で音の荒さが緩和され、上記のような限定年代のソースと同じような理由で解像度が上がる可能性があるのではと思いました。そう考えると使用箇所がDACやCDPなど上流に推奨されているのも納得できます。
恐らく中価格帯(目安で30万円以内くらい?)までのほとんどのDACやCDPではよく聞こえる可能性があるのかもしれません。システムのデジタルっぽさがどの程度残っているかによって、この製品の効果がよく聞こえるか悪く聞こえるかの「しきい値」があるということです。
この考え方がアナログディザーという製品の効果から推測したとき最も妥当な結論です。
逆に一線を越えているDACを使っていたり、デジタルらしさを他の要因でうまく緩和が出来ているシステムの場合にはKaNaDeの副作用が見えてしまう為、上記のような限定されたソースの時だけに良い効果が出ます。
まとめ
システムにデジタルっぽい質感が残っており、それを緩和したいというニーズにはよく適合するアクセサリです。ソース+システムのレベルによって印象が大きく変わるアクセサリなので事前の試聴はした方が良いと思いました。
また十分デジタルっぽさを緩和出来ているシステムであっても特定の時代のソースには適合するので、そういったソースを好んで聞く場合にはこの製品を試してみても良いと思います。
補足
型番とその特徴について補足です。ツイッターで情報をいただきましたのでこちらに紹介しておきます。上記の感想は参考までにお願い致します。
初めまして‼️🙇🏻😊🌈
私も奏ユーザーの一人ですが、こちらの商品はフェルトの色から「奏01アニソン」といったものです。
特許の関係から御本人が接触出来ない為、私が御伝えに参りました😊
お邪魔致しました🙇🏻 pic.twitter.com/0D2p6T2oLL— 寿司BOY (@1_800_SUSHIBOY) 2017年6月22日
とんでもございません🙇🏻😊✨
奏フットは木材の上で開発されているので、フット下のベースは木が理想だそうです。フットに彫られている溝にも設置する方向があります。フットの位置も出来るだけ機材底版の外側が理想らしく、機材が軽すぎて浮き気味の場合は重りを載せられる事をオススメされてます😊— 寿司BOY (@1_800_SUSHIBOY) 2017年6月22日
はじめまして。奏は一通り試聴しておりますが個人的には01アニソンだけは特殊で、寧ろその他のモデルの方が基本コンセプトは似ているかなという印象です。もしよろしければ他のモデルもお試しになってみてください。横からでしゃばって失礼いたしました🙇
— TU (@TU_audio_yacht) 2017年6月22日
情報ありがとうございます。そういうことなら納得です。全然知らないでレビュー書いてました。まぁ私は借りただけなので知らなくて当然だったかもしれません。時間が取れたら皆さんから頂いたコメントをまとめて記事に追記したいと思います。
— Innocent Key (@_yohine) June 23, 2017