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作曲少女の感想、素人向けの耳コピの方法

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作曲少女ってこれです!

【作曲少女】楽しみながらよくわかる! 作曲入門ライトノベル『作曲少女~平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話~』

番外編が連載されていますが、こちらは無料で読めますので合わせてこちらもおすすめしておきます。結構ためになるお話が続いています。

【作曲少女Q】~作曲少女・番外編~デジランド独占公開スタート!

実は最近読んだのではなくて大分前に読んでいたのですが、今更ながらこの本を読んで思ったことを書いてみたいと思います。長いので興味がない人は帰宅推奨です!

自分自身(yohine)は「奇跡的に」音楽制作で少しだけ実績を残すことが出来ましたが、もともとは音楽を作るって意味では相当致命的な問題を抱えていたので出来るようになるまで凄く苦労しました。だからこの本は共感できるところがとても多かったです。

あまり言いにくいことなのですが、自分はかなり音感というか音程感覚が悪くてこれだけ音楽制作をやってきたにも関わらず、今でもまともな相対音感すら持っていません。今も音を聞いてもどれがどの音程か全くわからないのは当然として、童謡レベルの曲でも音が飛ぶとわからないです。それでも曲は作れました。(それでどんなのが出来るのかは一番下の方に古い自作曲データ置いておきました)

ということで、下はそれを前提に読んで欲しいです。

それとあわせて作曲少女で一番重要視されている耳コピについて、あまりほかでは紹介されていない変わった耳コピ方法を紹介します。耳コピの方法で検索してみましたが全く同じやり方は見つけることが出来ませんでした。個人的にはですが、このやり方で相性が良ければ音感なんてほとんどなくても実力以上に正確なデータを作ることが可能です。

作曲少女の感想

まずはこの本の全体的な印象です。これは音楽の素養がない何も知らない素人がどうやって音楽を作れるようになるのかっていう絶望的課題に対して真剣に立ち向かった作品です。

あまり才能や素質のない初心者こそ100%詰まったり絶望そして挫折するポイントをすごく丁寧に拾って書いているのが好印象です。おそらく今もっともド素人にとって音楽制作に入りやすい本だと思います。プロになりたいとかそういうレベルじゃなくて、とにかく音楽を形にしたい、何かを作りたいって人に最適です。

等身大のキャラクターが良い

キャラクターが生きていて、出て来る等身大なキャラクターに説得や相談している気分にさせられるのもポイントが高いですね。よくある偉い先生と生徒みたいな上下関係じゃないところが良いです。

出来ない人にとってはフレンドリーで等身大なキャラだからこそ共感して頑張れるものです。すごく出来る人に突き放されている感が無いですね。出来なくて自信喪失している人にとっては、こういう展開やキャラ配置も凄く勇気づけられるところです。

一見無駄なキャラクターの挫折や苦難の心理描写は無駄じゃないです。だってそれは同じ目標を実現したいなら能力がない人ほど必ず通る苦難の道だからです。

出来すぎている生徒や高圧的な先生を使った流れの良すぎる教科書だと、出来ない自分をみて自信喪失するか、喪失感が悪化するだけです。コンプレックスを刺激されてもうすべてを辞めたくなってきますね。どうせ先生は特別なんだって思って諦めてしまいます。

挫折も苦労もしていて、気軽に相談できる友達感覚のなかに大事なアドバイスがある、これが何気にすごい重要です。

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ド素人時代の辛い経験から、この本がよく出来ていると共感した

この本がもっと早く出版されていれば、という凄く悔しい思いでいっぱいです。なにしろ昔の自分がまったく同じ壁を乗り越えるのに必要だったことがすべて網羅されているからです。当時はこういう入り口として優れている本当の初心者のための書物がありませんでした。

例えばですが、自分自身も音楽を始めた最初の頃はこの本の主人公と同じような、何をどうしたらよいか何も分からないとか、もうダメだ能力がない諦めようっていう気持ちがありました。それこそ能力、知識、やりたい気持ち、こういう壁に何度も何度もぶち当たり続けていました。音楽ってどうやって出来ているのか本当に謎に満ちた存在でした。だからこそ知りたいと思ったのですが!

それを乗り越えるためにやったことは殆どこの本の主人公と全く同じ方法です。違うのは誰の助言も相談者も無かったのですべてが自力の試行錯誤だったことです。そのため作曲は作りたいと思ってから初めての曲を完成させるまでに5-6年くらいはかかりました。当時は何もガイドラインが無かったので完成までこれくらい期間を必要としました。そりゃあこの本を読んで悔しくなります。

実際あの頃の状況を思い出すと、音楽は学校以外で楽器を触ったことがほとんどない、音楽の基礎知識がない(調とコードの概念がわかっていない)、耳で音程をまったく捉えることが出来ない。このような状態だったので当然ながらほとんど何も進むことが出来ませんでした

例えば、イメージした音が何のどういう音なのか、どうやって音を置いたら重ねたら良いのか、そもそも音楽がどうやって出来上がっているのか、全てがわからないのです。紙とペンだけあれば書ける文章や絵とは音楽はここが違います。目に見えないのでまず捉えること自体が難しいのです。頭のなかでなんとなく音が鳴っているのに何だか分からない、それを形にする方法も当然ながら全くわからないです。

この本の主人公も似たようなものですね。こういうレベルで出来ない人が出来るようになっていく過程って焦点が当たることがあまりなかったと思います。このあたり普通に楽器が弾けたり能力がもともとある人には苦もなく出来るようなフツーのことなのかもしれないですし、特別に悩むところでもなんでもないことなのでしょうが、ここがわからない人はどうしたら良いのか全くわからないのですよ。

実はまず脳で何らかの形として音楽を捉えられるようにすることが出来てないから問題だったわけなのですが、それがすべて耳コピで鍛えられます!これはこの本のオススメ事項と同じです。理論や音感トレーニングよりまずは耳コピやってみることは大正解でした。完成した楽曲は生きた教科書です。

この本はそういう本当にどうしようもない人のための本です。そういう人にとっては、いまは作曲少女があります。能力がなくて自信がなくてそれでも作りたいものがある人は必読だと思います!自分みたいな音感が元々ゼロにちかいタイプには凄く共感出来る内容の多い本でした。読んでて当時のことを思い出して辛かったくらいには。

音感ゼロの人は”いろは”よりもっと出来ない

ただこの本でまだ不備があるとしたら、耳コピを多少出来るようになった後の作曲の章についてです。

この本の主人公いろはは耳コピが出来るようになったら比較的すぐにイメージした作曲が出来ているのですが、それはちょっと優秀すぎると思います。多分自分と同じくらい音程感覚がないタイプだとちょっとくらい耳コピしても音感がそもそも駄目なので、作曲したい曲が思いついても音を思い通りに置けるようになんてなりません(涙)。もちろん声出しも出来ないです、音が取れないから。そこでまた絶望するんです。

結局、作曲のときに頭にイメージした音がどの音なのか全くわからない状態なので、思った音をいつまでも置くことすら出来ないですから、作れたとしても最初にイメージしたものとは別物しか出来上がりません。なかなか思い通りの曲なんて作れないのです。思いついた音がどこか探しているうちに全部忘れるからです。

耳コピまでの流れが凄い良かったので、なおさらこのあたりのフォローがあったらもっと良かったと思います。正直なところ自分は未だにこの状態から大して進化してないです。ここから脱却できる方法は世の中にはあるのですが凄く面白くない苦痛な訓練(数年かけて子供のためのソルフェージュをひたすらやること)なので、もっと良い方法があれば知りたいです。

正直そういうレベルの人は音楽なんかやってはいけないのかもしれませんが、そういう脱落者を出すことはこの本が意図するところではないと思うので(初心者救済のための本ですから)、ぜひフォローのご検討お願いしたいです。

誰でも出来るかもしれない耳コピの方法(同時比較法)

このやり方が合いそうなのは次のような人です。

  • 2つの音の音程を比較して高いか低いか同じかわかる
  • 曲の主なパート編成は一応見える(メロとベース程度から)

さすがにメロとベースってどれなのか全くわからない、単音同士の比較で高いか低いかわからない場合はどうしたら良いかわかりません。逆にそれらさえわかればこの方法で聞こえる音はとれます。

簡単に言うと、音取りをしたい元曲と、採譜するパートを同時に流して音を一つずつ比較していく方法です。意外とこういう耳コピ方法を紹介しているところがないのでここで紹介します。自分はこの方法以外だと全く取れません。

この同時比較法の利点はメロディの流れや個別の音程が全く分からなくても、取りたい音と取った音が同じ音程かどうかさえ判定できれば最終的には聞こえるすべての音は取れるということです!この方法ならフレーズ内の音程差なんて全く分からなくても単音が聞こえさえすればどんどんとれます。

この方法で取った曲のサンプルを貼ります。まずは原曲です。

これを採譜後の音符+原曲を同時に鳴らすとこんな感じです。このようにテンポを完全同期した状態で取っていく方法です。実際には左右にパンを振らずどちらも中央定位で鳴らします。今回はわかりやすいように左右に分けました。

この曲は2008年に採譜したものなのですが、今回の記事のサンプルに選んだ最大の理由はソロパートの音が早いので普通に取ると結構難しいからです。でもこの方法ならこういう早い音でも慣れれば取れるということです。素の実力だったらこんなソロ絶対に取れませんよ。でも一音ずつ取ればこれくらいとれます!もちろんいきなりやってもここまではできないと思いますがだんだん出来るようになるってことです。

私は人間じゃないから MIDIでーた

同時比較法の特徴

この方法を実践するためには最初は曲を聞いてどれだけ細かい音が聞こえているかも重要なのですが、それが聞こえるようになるためのコツは作曲少女に書いてあるのでそこは本を参考にしてください。というかこのページに書いてない初心者のためのノウハウはほとんど作曲少女に書いてあります

当然ですが、これは原曲を聞いて真似て演奏とか全然できない人のための方法です。欲しい音を探っているうちに元の音がなんだかわからくなるようなレベルの人なら有効だと思います。当然楽器が出来ないのが前提なのでマウスで1音ずつ置いていきます。普通に音が取れる人はこんな方法取らなくていいですから、そういう人は普通に取ったほうがラクだと思います。

同時比較法のいいところは原曲と取った音を同時に聴き比べしますから、比較のための時間が0なので取った音が正しいかどうか判別がしやすいです。普通の方法では元の音を聞いて一度止めて、それからキーボードで音を確認するのですが、止めて鳴らすまでの時間の間に元の音を忘れてしまいます

正直それで音を忘れるのはよほど才能がない人の特徴だと思うので、そういう人にとってはこの時間差を縮めることは超重要だと思います。自分は一瞬で忘れてしまいますので少しでも時間が開くと取った音が正しいかどうかわからなくなります。でも同時に聴き比べが出来るこの方法なら忘れる心配はありません。この方法を見つけてから飛躍的に音が早く取れるようになりました。

また採譜した音を原曲と同時に重ねていると、取った音が変だったら音が濁ります。正しい音で取れたときはキレイに馴染みます。慣れてくるとなんとなく馴染んでるか濁っているか判別ができるようになるので、そうなったら総当りでそのうち正しい音が取れます。ハッキリと構成音が聞こえないコード成分を取るときも慣れが必要ですが有効です。

作業を始める前に大事なこと

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同時比較法は原曲とDAWのテンポ設定が完全に同期してから取り掛かることが重要です。何故ならテンポが同期していないと採譜した音と原曲のタイミングがずれてしまい、今どこの音を取っているのかわからなくなるからです。

なので原曲と完全同期が出来るところまでテンポ設定は詰めておきます。最近の曲ならDAWの整数テンポで合います。古い曲だと微妙に小数点以下のテンポ設定の曲もあります。曲の出だしと後半のどちらでもピッタリ合うことを確認してから作業します。必ず完璧に合わせます。

テンポさえ完璧に合わせておけば、リズム感がなくても発音のタイミングも結果として正確に取れるのが良いところです。大体の曲は16分のグリッド上で音程が変化するので、その音程が変化した立ち上がりの瞬間の場所に音を置いていけば、最終的に正しいタイミングに音が配置されていきます。立ち上がりの音が音程も取りやすいので結局自然に作業していけばリズムを意識しなくてもデータは完成していきます。

音程を置く時に困るのが最初の出だしです。一つも音程がわからない状態からスタートなので取りやすいところから最初に手探りで探します。最初の音がわからないと全部おかしくなりますので、どこか一つでも「これは絶対正しい」って思える音を見つけることがとても重要です。一つでも見つかれば次に進めます。

最初の音がどうしても取れなかったら一番取りやすい場所を見つけて、そこを起点に推測すると良いです。一音ずつ比較してもよくわからなくても、幾つか取ってから前後流して聞いてみるとあってるか間違ってるかわかることもあります。最初のうちは長く継続している音が取りやすいです。鳴っている時間が短い音は取りにくいです。

本当は理論的に推測できるようになるともっと楽ですが最初は感覚からはいらないと理論だけ見ても何も理解できないので最初は仕方ありません。

その他のコツ

あとはこれは自分だけかもしれませんが、なれない頃は音色がぜんぜん違うと正しい音程か違う音程か全くわからなかったので、取りたい音は原曲と似たような音色を選んでからにすると音程を合わせやすかった印象です。歌メロは似たような音が音源にないので取るのが非常に難しかったですね。今でも歌メロは最初の一音を取るのが苦手です。同じ音程なのにあってるかわからないことがあります。

とても早いフレーズは一音ずつひたすら集中して何度も同じところを聞いているとそのうちなんとなく聞こえてきます。最初は聞こえなくても諦めないでずっと同じところを聞くことが大事です。そのうち聞こえるものです。たとえば最初は1ヶ月位同じ曲を繰り返して聞いたら少しずつ聞こえるようになると思います。最初に音取りした曲はほとんど毎日作業して1ヶ月以上かかって取りました。どんなに出来なくても諦めないことが一番大事です。

ということで気長に根気よくやれば、普通の方法では全然音が取れない人でもそのうち曲全体を取ることが出来ます。なにしろ同じ音程か判別できる能力があれば聞こえる音はすべてを取ることが出来るからです。頑張ればちょっとスラスラ音取りが出来るレベルの人よりこの方法を使ったほうがずっと正確に取れます。

移調すると間違いを発見しやすい

ある程度作業が終わった後は取った音があっているかチェックしてみましょう。

完成した音をより客観的にチェックする良い方法は移調してみることです。DAWで採譜したパート全体を+1とか-1とかすると結構雰囲気が変わるので、今まで違和感がないと思っていた音でも聞こえ方が変わって、それで初めて間違いに気づいたりします。(もちろんこの時原曲はオフにします。そうじゃないと音がぶつかってチェックどころじゃないです。)

これは丁度イラストを書いて左右反転してみると違和感に気づくテクニックと似ています。意外と有効なので是非試してみてください。これも音感が悪い人ほど有効な手段のはずです。

こちらの以前に投稿した楽曲解析の耳コピデータも全部この方法で取っています。

花ハ踊レヤいろはにほ解説と、耳コピMidi(外部サイト)とか

耳コピで身につくもの

自分はこれで短期間に100曲以上は耳コピをしました。今考えるとこの時代が一番成長していましたね。耳コピを一度でもしないとその曲の技術や感覚は身につかないので気になった曲は全部耳コピをしたら100曲くらいはすぐに行きました。

耳コピは音楽の感性がとても鍛えられます。もともと耳が良くなくて能力が低い人ほどそうだと思います。能力があって出来る人は聞くだけで吸収出来るみたいですし、どんどん身につくみたいなのでそんな訓練必要ないのだと思いますがそういう人は特別です。耳コピしたことないけどプロになったとか言ってる人がたまにいますが、それは天才なので真に受けてはいけません。平凡かそれ以下の能力しかないと感じたら気になった曲は全部耳コピしまくるほうがずっと実力を上げる近道です。

自分のような音感がもともとゼロに近いタイプは最初の初期能力の感覚では作曲するためには全然足りないので、まずは沢山耳コピして最低限鍛えておかないと作曲では全く歯が立ちません

あとコレも大事だと思うのですが耳コピは最初は簡単なものからだんだん難しい曲にチャレンジしていきたいです。同じ難易度の曲ばかりだとあまり成長しません。幸い耳が成長するとより難易度の高い曲を好むようになるので、そういう難しい曲の音をあえて取ってみたくなりました。これは人によると思いますが、大まかな傾向はこのようになっていくと思います。難易度って何なのかは慣れてきた頃にわかります。実際に取ってみて音程が全然把握できない場所が多い曲は難易度が高い曲です。

参考までに、未だに音程感が十分ではない自分の場合ですが、音の流れの自然さ、正しい音、間違っている音のような「在るべき音」みたいなのは100曲もやるとかなり見えてくるようになりました。こういう正しい音を聞き分ける感覚のような能力が一番成長していたのはこの耳コピをやっていた時です。むしろ耳コピ以外では音感は全く成長しませんでした。だからなによりまず耳コピをしろって言ってる作曲少女は絶対的に正しいです。

これが鍛えられると音程がおかしい曲を聞いたときに変だって感じるようになります。たまにプロでも変な音出してる曲も結構ありますよ。本来あるべき音がわかる感覚がついてくると、それが未熟な曲かよく出来てる曲かもある程度わかるようになりました。当然ながらもっと上のレベルがあるでしょうけど、もともと音感ゼロに近い自分がそこまでわかるようなったというのは最初の状態からしたら相当の飛躍です。

ただ、今だと耳コピのやる気を支えるような成果を発表できる場所がなくなったのがとても残念です。昔は耳コピデータをアップしたりするコミュニティがあったのでそれはそれでやる気にも繋がったのです。

自分がいちばん耳コピをしていた頃はマビノギってゲームの演奏データを投稿するサイトがあったので、そこに取った曲をよく投稿していたのですがある日突然JAS某に潰されたのでJAS某は大嫌いです。昔のMIDI界隈もそうですね。なので自分はいつか誰かがJASを成敗してくれることをMIDI神に祈っておきますね。

それはともかく、それからはたまにしか耳コピしなくなってしまいましたから、ああいうコミュニティって実は大事だと思います。今は合法にアップできるのはyoutubeとかニコニコがあるので大丈夫です。

音感が無くてどうやって曲を作るのか?

これはもう音程感覚以外の感覚が十二分にあったからなんとかなった、としか言えません…。これはかなり例外なケースだと思うので、同じようなことが誰でも出来るわけじゃないし、むしろ同じくらいの音感レベルの人が出来るようになるのは大変だと思います。ここまで音感が駄目だったら普通はまともな曲なんて作れないでしょう…。それこそ耳コピ100曲やってから理論も勉強してやっと出来るかどうか、という話です。最初に出来ない欠点や弱点って成長するほどに格差が広がるし、どこまでも永久にその欠点がつきまといますから才能って重いですね。

では自分自身がどうしてある程度の形の曲を作れるのかですが、理由は幾つかあって複合要因なので個別で挙げます。

  • 無尽蔵にフレーズが浮かぶ
  • 正しい音を判別出来る
  • コード感覚のほうが音程感覚より優れている
  • スケールやコードの基本理論を理解している

これは多分一つでも条件が欠けたら作れてないと思います。すべてが合わさってやっと出来ているような気がします。しかも一部は才能要因です。なのでこれらの複合理由が集まって、ようやく音感が無くて全然意図した音が置けなくても、それらしい曲が作れます。

1つずつ説明します。

無尽蔵にフレーズが浮かぶ

作りたいフレーズを完璧に忘れても、そのかわりに次から次へ新しいイメージが浮かぶことです。

たとえば自分は音感が無いので最初適当に音を置くのですが、大体は思った音と違う音が出ます。そして違う音がなって音を探しているうちに何をしたかったのか、当初のイメージは全部忘れてしまいます。

これじゃあ全く先に進めないのではと思うのですが、その間違った音を起点に新しい発想が出るかどうかです。間違った意図しない音でも意外と良くてそこから新しいイメージが湧く感じです。自分はいつもそうなのですが大体最初に考えて置いた音と関係ないものができます。

なので自分でゼロから音を置いて作った場合はどういう曲が出来上がるかは偶然です。そして常に意図したものと全く違うものが出来上がります。なのでメロディから作曲は絶対にやりません。それでは確実に意図したものを作れないからです。

正しい音を判別出来る

フレーズが浮かんでも整合性が取れてなければ音楽になりません。そこでこの要素が重要になります。まずは置いている音を聞いてきちんと音楽になってるかどうかが判定できる能力が必要です。

それがわからなければ、適当においた音からまともな音楽にはなりません。これは難易度の高い曲や実力ある作家の曲を耳コピすることで鍛えられるので、そういった質の良い曲の耳コピをするほど判断能力が上がると考えています。

だから最低限、作曲をやる前に耳コピを沢山やることが本当に音感のない人にとっては大事だと考えます。最低限コードから外れたメロディ音を置いてみてそれが正しいかどうか全くわからないうちはまともな曲は作れないでしょう。

コード感覚が音程感覚より優れている

これは自分の特例だと思っているので参考にならないかもしれませんが一応書いておきます。

なんとなく体感的になんですがコード感覚と音程感覚はまるで切り離されている別物の能力だと思っています。幸いなことに自分は元々コード感覚が優位でこの部分は同程度の音感レベルの人より優れていると思います。体感的に音程は全然わからなくても不思議とコード感覚ってあるんです。

なので先にコード置いて、この段階で結構作り込んでから他の音を置くと凄く作業がしやすいです。イメージ的には足場を組んでから細部に取り掛かる感じですね。この足場になるのがコードって印象です。この部分でイメージが出来ているとうまくいきやすいです。なぜならコード+テンションが決まれば使えるスケールがほぼ決まりますし、それで曲自体の雰囲気も決まりますので、これをきっちりと決めてあればあとは飾り付けをするようなものだからです。足場がきっちりしていれば音程なんかわからなくてもそこそこ音楽になります。

コードだけで行き詰ったときはメロを組んで、メロの流れで次のコードが思いつくこともあるのですが、基本的に最初に手を付けるのはコードです。

もしコード感覚がないと足場がないので、音感もない場合には足がかりがどこにもなくて作業続行が困難になってしまうと思います。それはちょうど足場のない崖を素手で登るようなイメージです。コードだけでも置ければ飛び飛びの足場があるので頑張って手探りでも登っていけます。

ただしこのコード感覚は自分自身の場合は例外的に曲を聞いてたら身についてしまったので、分からない人がどうやって身につけたら良いのかはわかりません。おそらくこれも耳コピで育つと思います。

スケールやコードの基本理論を理解している

上記コード感覚の話と連携します。上に書いたようにコード+テンションが決まれば使えるスケールも決まるって話はまさに理論的な部分です。この法則を理解していないとどこに音を置けば良いのか決められないです。もともと音感がないならなおさら理論の補助はあったほうが楽です。とはいえ最初から理論を覚えても意味不明なのである程度慣れてからじゃないと何もわからないのが難しいところです。この辺の話も作曲少女に出てきます。

■追記 ここに良いまとめがありました。

http://musicplanz.org/musictheory

http://musicplanz.org/wp-content/uploads/2017/02/MPtheory2-9.pdf

あまり参考にならない話ですが、以上のように、音楽理論+正しい音の判断能力+コード感覚のセットがあればほとんどの音楽を作るのに有利な条件が揃っているので、細かい音程が全く把握できなくてもなんとかなるというわけです。その上でフレーズが沢山思いつくならば、想定通りではなかったとしても思いつきでなんとか出来上がったりします。

作曲サンプル

コードからちゃんとしたものを作ろうとしたら

ということでこの方法で作った曲のサンプルを置いておきます。元々は2005年くらいに作った曲です。なにか良いのがないか色々探してみたのですが、そういえば作曲なんて全然やってないので紹介できるような新しい曲は一個も無いのでした!

↑こっちは下書きです。これだけだと正直どうしようもない曲ですね。

↓アレンジして歌入れするとこんな感じです。元々は凄いつまらない曲だと思ってるのですがアレンジしたらなんかそれっぽい感じがします。

↓ メロだけで作るとこうなる!

適当に音をおくと当然ながら大抵は不協和音になるので、そのまま思いつきと勢いだけで作るとこんな感じになってしまいます。これではいつまでもまともな曲になりません!!

もうちょっとラクに作曲するなら

コードがあればなんとかなるなら、もう作曲少女にも書いてあるように既存曲からコードなんて丸パクリでも良いと思います。コードで雰囲気はだいたい決まるので作りたい曲に似てる曲を探してそのまま使ってしまいます。さすがに1曲から全部取るとバレバレなので別の曲からもパクって組み合わせてしまえばまずわかりません。音色や上に乗っかるフレーズが別物なら同じ曲かどうかなんて結局誰もわからないです。それで仕事するのはどうかと思いますが同人レベルなら全く問題ないと思います。

実は商業の曲でもコード進行がほとんど同じ曲ってありますよ!最近はないと思うのですが昔はありましたね。

他にも色々ありますが例えばこれなんかは原曲これですよ。原曲が超有名な曲ですから勇気があるものです。