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単体と複合の木材インシュレータの音の傾向

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2018/08/31更新 表、組み合わせに追記しています。

木材大量購入しました。

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先日nemo3氏のお宅で木材インシュレータの各種素材の傾向と複合させたときの音の傾向をチェックしてきました。ぐっちょんさんの影響で最近木材にハマっているとのことで沢山の素材があったのでとても面白かったです。

1日だけの試行でしたのでまだまだ不完全な部分やわかっていないこともあるかと思いますが、とりあえずのまとめとして理解できたことを公開しておきます。自分はインシュレータは専門外なので是非参考程度にお願いします。

チェック方法は実際にインシュレータとして使うのではなくて、実物をそのまま叩いて響いた音を聞きます。事前に叩いた音とインシュレータとして使ったときの音に明確な相関性があることを確認しておいたのでこのような方法が使えました。

叩いた音を聞いてインシュレータと下の音を予測して予想通りの音がすることがわかったらもうインシュレータとして使わなくても音がわかります。これだとかなりの速度で多様な選択肢まで網羅できるのでおすすめできる方法です。

まずは素材単体としての音の傾向についてまとめてみます。

単体素材の音

良かった素材について先に書きます。単体だとブラジリアンローズウッドがかなり良かったです。これは素材自体が心地よい響きです。響きの帯域はやや高域よりですが上までかなり広く分布しており音楽的な木材と言えそうです。サイズに対して高域が強めになりがちですが帯域の広さが嫌味のない解像度感を出してくれる素材ですね。

次にブラックチェリーです。ローズウッドほどの魅力的な響きはこそありませんが単体として安定感のある響き、どこにでも使っていけそうな帯域バランスの良さがありました。

A アルミ、御影石、ステンレス

単体ではかなり強いピーク感と長い余韻があります。明らかな金物の音なので一部の特殊な音楽を除くと音楽的な響きとはとても言えず、単体で使っても良い音にはならないでしょう。御影石も目が細かいものほど金属質で目が粗いものは木材よりという傾向があって一つにまとめられません。いずれにせよ複合で癖を抑えるのがコツになるカテゴリです。

B 黒壇、キングウッド、スネークウッド

アルミほど強いピークではないですが木材の中ではもっとも高い帯域での共振があって単体で使っても良い音にはなりにくい印象です。この分類はDと組み合わせると良さを発揮するようです。

このなかでは黒檀は個体差があり高域が弱い個体もありました。サイズが大きくなると高域はローズウッドよりおとなしくなる傾向があるようです。スネークウッドはほか木材と組み合わせても高域がしっかり強く響きます。

C シカモア、ブラックチェリー、オリーブ、パープルハート、ケヤキ、サティーネ、カーボン

A,Bの分類と比べて共振帯域が下がる、またはワイドレンジになるので単体でも音楽的と言える領域に入ってきます。これらは単体のインシュレータとして使いやすい素材でしょう。カーボンは組成によってBよりのものとCよりのものがありました。この分類は木材の種類によって組み合わせで異なる個性を発揮することがあります。後述します。

C+ ローズウッド系(ココボロ等)

Cと分けました。ローズウッド系は単体でワイドレンジな響きを持っています。Cとの違いはより低音まで伸びるかどうかです。Dのような低音とCのような高音を両立しているのがこのカテゴリです。他の木材と組み合わせるとレンジが更に広がることがありますが余韻が抑えられることが多く組み合わせではなく単体での使用が良さそうです。

単体で音がいいからと言って使用箇所を増やしていくと、共通した帯域ばかり強調されるのでやりすぎはバランスを悪化させてしまいます。サイズを組み合わせる、使用箇所を組み合わせる等工夫が必要そうです。

D ブナ、マートル、松

Cよりさらに低域にシフトします。単体では音が丸くなったりまろやかになる印象です。実はこれらは単体よりも組み合わせで威力を発揮する素材だと思いました。サポートが得意な木材でしょう。詳しくは後述します。

E マグネシウム、シャムガキ、(メープル)

単体の響きが音楽的ではなく、しかもサポート用途としても向かない素材です。マグネシウムは付帯音が支配的でどうやってもその響きを消すことができませんでした。シャムガキも単体では高域が強すぎるのですが組み合わせると余韻が死ぬことが多い素材です。

これらは全然音が違いますが同じ分類です。これらは不思議なことに組み合わせても自らの響きが支配的で特性があまり変わりません。結果中途半端な響きになると感じられました。

メープルは素材のばらつきが大きいようなので今回聞いた個体が良くなかっただけの可能性が高いです。湿度や木目によって音がぜんぜん違うので注意が必要です。

良好な組み合わせ

組み合わせのチェックは2つの素材を押さえて叩いてチェックします。押さえ具合でも音が変わりますが、強く押さえつけなくても面で接して組み合わせると予想外の響きになって驚きます。よく響く素材なのに響きが収まったり2つを合計した響きではない別のワイドレンジな響きに変化したりします。サイズによっても違いますが基本的な傾向は素材同士の組み合わせで決まってくるようでした。たとえばですがaとbを足してa+bの音にはならずcの音になるものもあればa+bになるものもある、というような印象です。

ローズウッド、ブラックチェリー等は単体として優秀な素材なのですが、そのかわり組み合わせで光る素材ではありませんでした。単体が優秀なだけに中途半端な響きになることが多かったです。

ケヤキ+サティーネ+スネークウッド

ケヤキ+サティーネは共振周波数が下がります。ケヤキ単体ではローズウッドより高い音なのですが、サティーネと合わせたら低音まで伸びました。この特性はケヤキ側の特性のようでサティーネ以外でも同様に低音が伸びる組み合わせも合ったのですが一番余韻が長いのがこのセットでした。これだけだと高域が不足するのでスネークウッドを更に重ねます。サイズはケヤキ>サティーネ>スネークウッドとしています。この組み合わせは木材ではないような異様なワイドレンジかつ余韻を持ちます。

アルミ+カルダス松

カルダス松はこれです。マートル時代よりもアルミとの組み合わせでは良好でした。マートルでは抑えきれないアルミの響きがこれを使うときれいに収まります。異種素材を乗せるインシュレータとしては優秀な素材だと思います。

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これをアルミコンセントベースに付けて叩くとアルミのピーク感がかなり押さえられます。金属じゃないみたいな音になります。他の木材ではアルミの金属音を押さえきれなかったので、この日の組み合わせではこれだけがアルミの音を効果的に押さえました。実験の様子をアップしたらぐっちょんさんがこのような情報を見つけてきてくれたのですがこれは昔から定番の方法みたいですね。納得です。

https://twitter.com/Duuq9hrRjed0S4Q/status/1029324643679662080

ブナ+キングウッド

落ち着いて丸い音がするブナに鋭いキングウッドのセットです。これも両者を溶け込ませたようなワイドレンジな響きが得られます。響きが低い帯域から高い帯域までバランスよく広がるので安定感や重さをもたせつつ高解像度な音が得られます。組み合わせのサイズを変えると共振帯域をコントロールできますが大きめのブナにキングウッドを試行錯誤で組み合わせるのが良いと思います。ブナの安定感がいい仕事してます。これはかなりバランスの良い音だと思いました。

カルダスマートル+黒壇

こちらは落ち着いた音です。この組み合わせでもやはり振動がワイドレンジになるのですが響きがより押さえられる傾向です。解像度感はあまりないのですがしっとりおとなしくという方向になります。ブナ+キングウッドよりもサイズが小さい木材同士の組み合わせだったので、もっと大きい木材で組み合わせれば更に落ち着いた音にできそうな気がします。これも調整に積極的に使っていける音と思います。

カーボン+黒壇

高域を強調するのに使えそうな音です。単体で使うよりワイドレンジかつ高域よりの余韻です。ピーク感があまりないのに高めに響く音のセットです。適材適所でシステムに1つ2ついれると解像度感を演出できそうな感じです。ただしこれは使いすぎはダメそうです。

まとめ

そもそもインシュレータによる音作りの必要性は既存の製品の設計上の限界を突破するためにあると考えます。なぜなら既存のオーディオ機器に使われている素材は単一素材であることが多いからです。筐体はアルミだったり、ケーブルの被覆も大抵はそうでしょう。素材そのものが単調な共振特性をもちますので、インシュレータの役割は機材やケーブルが持つ響きの不完全性=単調な響きを豊かで広帯域な響き、要するに音楽的な響きに変換することを求められます。

この日の実験ではインシュレータは硬さ、響きのワイドレンジさ、この2つが音の良さにつながっているように思いました。

硬さがある程度ないと低音のレンジが伸びなくなります。オーディオの駆動力を担保するのはこの強度のようです。なので硬さはインシュレータの基本性能といえるかもしれません。スピーカで床が弱いと低音が抜けるあの感じと同じです。ただしインシュレータでは適度な柔らかさが響きのワイドレンジ確保のための必要条件なので現実には難しいです。本当は硬くワイドレンジな共振が両立できるなら極限まで硬い方がパワフルな音となり良いはずです。しかし普通は硬い素材は狭くて強い共振を持つので音楽的とは言えません。この兼ね合いが難しいです。共振帯域が狭いとピークが強く耳障りな音になりやすいからです。

なので最終的には響きのレンジの広さの確保が音楽的な音を作るのに重要な要素と思いました。特定の帯域ばかり強調しても、システムの弱点を補うときを除き、それは音楽的とは言えません。ですからシステムトータルで帯域バランスよく響くことが求められるでしょう。もちろんその回答はシステム、機材、部屋の組み合わせによって大幅に異なることが予想されますので、これが絶対な正解ということはありえないと思います。しかし最初のステップは強いピークを持つ素材の音を分散し拡散させること、これがシステムトータルでの帯域バランスの良い響きの確保のための第一歩だと感じました。次に足りない帯域の補強や強調となるでしょう。

今回わかったことは以上です。

おまけ

Brazilwood

Purpleheart

Snakewood

Honduran Rosewood

Cocobolo

American Beech

Black Spruce

Kingwood

Narra

Bloodwood