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インシュレータ、足回り対策のまとめ

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機材、スピーカの足回りはインシュレータやボードがよく見かける対策ですが、実はこの部分の音への影響はすごく大きいです。床の強度も大いに関係があります。理想は全く揺るがない土台です。機材すべての土台が振動せず動かないことが基本ですが現実ではそれは不可能です。

鉄骨づくりの家や分厚いコンクリートの床ならだいぶ良いと思いますが、普通はそのような床の環境を手に入れることは難しいです。例えば自分が今借りている物件は一軒家ですが、オーディオを置いているのは木材二階で強度はかなり弱いです。こういう環境でどうやって音を良くしていくのか、この一ヶ月間この課題を中心に対策してきましたのでここでその方法、そして考え方などを紹介したいと思います。

基本は強度が大切

先日書いたこちらのレビューです。このシステムの床環境は上記の理想に近い、70cmコンクリートの床に薄い木材を貼り付けたものです。全く揺るがないその床の強度は、部屋に足を入れた瞬間にわかります。部屋も大事ですが床も大事なオーディオコンポーネントだと思います。

lookkg486さんの余力溢れる超ハイエンドシステム

既に記載していますが音はやはり非常に安定感と余裕があり非常にレンジが広いにじまない音です。低音は床の強度によって担保されていますので、強度がないと伸びない膨らむ低音となり、これはちょうど駆動力の低いアンプと同じような音です。低音の駆動力が足りなければ中高音も速度が不足して不明瞭になりますので結果全帯域で濁る結果となります。

このように床は機材の限界性能を決めるボトルネックになってしまいます。床が弱ければ機材だけ良くてもその性能は発揮されないので駄目ということです。それを最近の自宅での対策で強く感じました。このアプローチを最初にやった人物は不明ですが、知る限りsiinaさんがかなり早期(何年も前)からこの重要性を指摘していたように思います。最近の発言を引用します。

非常に効果的ですが、最大の問題は床が抜ける、腰を壊す、限度をわきまえておかなければならないという先人の忠告ですね。これを踏まえて対策をしていきます。

ホームセンターでできる対策

最初にやったのは、近所のホームセンターで投げ売りされていたコーリアンボードと御影石の組み合わせです。御影石はオーディオではNGと言われますが、お店でひたすら叩いて音を聞いてきた限りでは目によって音が全然違います。その当時の発言からの引用を見てください。御影石は目が粗いもののほうがピークが低音よりになってきつい音がしないようです。目の細かいものは安いですがこれは金属に近い音でオーディオではハイ上がりになりそうです。

コーリアンボードの方はこんな感じです。発言でも書いてますが単体で鳴らすとややぼやけた音です。でも複合だと石でも金属でも木材でもない素材なので振動をうまくダンピングしてくれる印象があります。

異種素材を組み合わせると全く傾向の異なる次元の音になるというのは先日の木材の記事でもまとめたとおりです。このように木材だけでなくさらに異種素材まで手を広げればかなりの広帯域のダンピング+強度を確保することも可能という手応えを感じました。重ねる順番でも音の傾向が変わるので面白いですがなかなかいい組み合わせを見つけるのは大変そうです。

また異種素材を合わせることで特定帯域の共振を防げるように思います。木材と木材なら異種木材を使う、金属は金属と接触させない、硬い材料ほどピークが強いので金属を使う場合にはある程度柔らかい木材やアクリルと接触させることが重要と思います。金属はピークが強いので金属同士で分散しても強いピークは残るからです。ということでうちでは金属インシュは金属以外の台の上に置き、カーボンで受けて金属ケースに接触させたりしています。叩いた感じがマットになるので効果はあると感じています。

とはいえ、お店で叩いた感じでは巨大な金属板は注意が必要と感じました。強度は最高ですがサイズと重量のわりにとても強い共振エネルギーを持つので、物量勝負で金属のピークを抑え込む覚悟がないなら投入はリスクが高いと思いました。同等の重量の材料では金属の強いピークを抑えることは出来ません。数倍以上の物量を持ってピークを制することが条件になりそうです。物量が投入できるなら強力な武器になるかとは思います。

ウッドデッキ材の検討

強度が高く、強いピークを持たない、現実的な重量とサイズで、手頃な価格の素材。これを探しているときに見つけたのがウッドデッキ材です。リンク切れ発生対策で重要箇所の画像を引用しますが、元リンクはこちらです。

http://www.ai-products.co.jp/pdf/hikakuhyou.pdf

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これを見ると最強クラスの素材はどれも入手困難ですが2P目の第二グループの素材は安く大量に入手可能です。

現在では強度が高い木材は伐採制限などがあって希少かつ高額なことが多いですが、ウッドデッキ材は強度がかなり高いのに安いです。無垢で大きいサイズの材料が手に入るのも良いですね。楽器用の実績がある木材と違ってウッドデッキ材ですからちょっと音が良さそうなイメージが無いですけど、イメージを度外視すれば強度自体はあるのですからウッドデッキ材は足回りの強化としては非常に適している素材かもしれません。問題はオーディオでの採用実績がFoQ製品くらいしか見当たらないことです。しかし強度は正義のはず。ここは自分が突撃して試すしかありません。

ということで近くで売っていたウリンを買ってきました。叩くとかなり固いです。響きは余韻が短くて詰まった音がします。ワイドレンジに響かせる材料ではないですがピークは強くなくデッド気味な音がします。これは強度と物量で振動を抑え込む用途にはいい感じだと思います。売っている残りが少なかったのでちゃんとフラットが出ている材料を選別したら2枚しか買えませんでした。前回買った安い中途半端な木製合板を撤去して代わりに買ったウリンを足回りに追加してみます。

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合板よりは明らかに良いです。低音が更に良くなり中域の透明感が出てきました。ここまでの対策を空気録音でアップします。

今回から録音のセッティングを変更しているので、床材以外の音の差もありますので注意してください。強度アップに伴って低音側のアンプのゲインを今までより2dBアップした(以前は低音を上げると中高域が不明瞭になるのであえて下げていた)ことと、マイクセッティングを変更してSP軸上1.3mからリスニングポイント上約2.3mの場所へと移動しました。これによって前回までと傾向が変わっていますが、今後はこのセッティングがメインとなりますのでご了承ください。

サラ・オレイン – fantasy on ice

TAK – freedom

ウェルフロートのアップグレード

うちは床が弱かったのでウェルフロートで床の弱さから逃げていたのですがこちらにも手を入れました。Philewebのharubaruさんが行っているウェルフロートのアップグレードサービスです。個人的に知り合う機会があったのでそこでウェルフロートのアップグレードのお話を聞いて申し込みしました。アップ内容は次のとおりです。

  • 内部メカの交換 メカは構造分の板厚アップ、補強金具の追加、動く支柱部分の太さが倍以上に
  • ネジ受けを木材ではなく金属のワッシャーに
  • 最終組み上げのネジ締めトルクを大幅に向上

これはピアノフルコンメカと言われるメカへの交換がメインです。これによって浮いている板の動きそのものが変わります。収束が早くなり初速の抵抗も増加します。基本的には強度のアップと同じ方向性です。強度のアップですので低音が伸びて中高域に余裕が出てくるという方向性で、今までの対策と全く共通です。このアップグレードにはドリルもいりますし加工には注意点があったり手数が思ったより多いのですが、ほとんどharubaruさんにやっていただきました。感謝です。

上記にもリンクがありますが、同じものをこちらにも貼ります。一番わかり易い違いとしては低音がより下まで伸びていることがわかるかと思います。

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ウッドデッキ材イタウバを追加投入

買ったのはイタウバです。なぜイタウバにしたかといえば、木材のパラメータを投入して検証した結果でバランスが良さそうだったからです。木材は基本固くなるほどハイ上がりの傾向が出てくるのですが、それを緩和する要素がヤング率=変形しやすさだと思いました。変形しやすい木材はピークが高周波に固まらずサイズに応じて低周波に降りてくるのではという想定です。これは数十種類の木材を単体で叩いてみた傾向からの推測です。

この仮説を元に数値化を試みたのがこちらの表です。強度/曲げは大きいほど音が伸びる、強度/ヤングは数字が大きいほど高域よりになる、という仮説になっています。聞いたことある材料はそこそこ体感と一致する結果が出てます。もちろん木材は個体差、品種さがとても大きいのであくまで参考程度です。原理に則った厳密なものじゃないので追試は必須ですが明らかに目的外の木材に手を出すリスクは避けやすくなるかと思います。

一見硬くて変形しやすいというのは相反する性質なのでありえないのではと思いますが、素材は限られますがそういうものは存在します。たとえばフェルナンブコなどはバイオリンの弓に使う木材で強度と柔軟性が必要です。下の表でも強度は最高クラスなのに変形はしやすいことがわかります。曲がるけど折れない潰れない木材ということです。今回はこういう木材で安く大量に手に入るものを探します。

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ウッドデッキの中ではこの表でイタウバは硬いのに粘りがあり強度/ヤングが低めです。音質が良い木材と言われるローズウッド系はどれも強度/ヤングが200前後なのでこのあたりを基準にしていますが、イタウバは強度の高いウッドデッキ材の中で強度/ヤングが低い244です。ウッドデッキ材の他のもの、イペ、ウリン、クマル、アマゾンジャラは300を超えています。このことから強度が高いのにピークのない音が求められると予想してイタウバを選択しました。

結果は予想通り粘りがあり全くピーク感のないしっとりした音に変化しました。今までと比べると低域の共振はかなり減っています。

アクリル板をスピーカの下に引く

これで終わりではありません。ウェルフロートを強化してもまだ音には弱い部分がありましたのでSPの下を更に強化します。実はツイッターのDMでアドバイスを頂いておりました。(DMなのでお名前は明かしません)

それはアクリルです。ここまで木材やコーリアンや石を使ってきましたがアクリルは盲点でした。そこでアクリルの物性を調べてみましたが、意外なオーディオ的素性の良さが判明します。その資料はこちらです。

http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1209-11.pdf

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これをみると、スプルース、メープルの特性をより平坦して余韻のピークを除去したのがアクリルなのがわかります。アルミは明らかなハイ上がりの周波数分布と長い余韻が支配的で金属素材を使う難しさがよくわかります。アクリルはフラットな周波数特性とフラットな減衰特性を持っているのです。これはかなりオーディオ向きではないでしょうか?

アクリルの特性はこちらにありますが、比重は重い木材と同じ位、強度は音が良いと言われる希少木材と同じくらいです。ウッドデッキほど硬くなく、普通の木材よりは硬い、ローズウッド系の平均的な硬さに近いです。

https://www.kda1969.com/materials/pla_mate_pmma2.htm

アクリルの最大の優位性は完全一体型で精度が完全な材料が手に入ることです。床にピッタリ張り付くような精度を出そうと思ったら、木材では個体差、反り、サイズ制約、諸々の問題があり安定性がありません。特にSPの下に敷くサイズとなるとかなり大きいですので木材だと無垢はまず不可能で端材を組み合わせた集成材しかありません。しかし強度の高い木材の集成材はかなり高額です。がアクリルは安く精度が高く強度が高いしかも癖のない共振特性です。

ということで購入して敷きました。

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この対策はかなり良かったです。全帯域の音の余裕がかなり出てきました。低音は大げさな音ではなくなって中高域は透明度がかなり上がっています。この音を録音をしましたのでアップします。実際に違いを聞いてみてください。

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超弩級電源ケーブルKraken投入

nemo3さんに持ってきてもらった電源ケーブルをこの状態で更に追加します。

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ただの電源ケーブル1本ですがこれもすごい差です。録音をアップします。

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クラーケンを入れることによって今までの限界を超えた立ち上がりスピードとなり全帯域のタイミングが揃う印象です。ここにはこれ以上足回りを強化しても到達しそうにない感覚があります。クラーケンの音質は今までにも何度も外で体験してきていますが、自宅でもやはり電源ケーブル1本だけでここまで変わるという恐ろしさを体験しました。普通のクリーン電源より音が支配的に変わってしまうほど影響力があります。このケーブルについてはこちらにまとまった記事があります。

http://cablefan.net/archives/a-s-p-reference-kraken

ということで足回りの対策はここまででひとまずは十分。次は良い電源ケーブルを投入しないといけないかなと思いました。目玉親父さんに教えてもらったFMRでしょうか…。

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