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最強のNcoreパワーアンプ

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2012年の初頭頃に登場した、Hypex社のUcdの後継デジタルアンプ(D級アンプ)です。世界最高峰の特性を引っさげて登場したこのアンプの情報は英語ですがこちらのあたりに情報が集まっています。

http://www.hypex.nl/docs/nc1200%20folder%20web.pdf

http://www.6moons.com/industryfeatures/ncore/1.html

上の写真で実装しているアンプユニットのモデルは400Wのものでインプットバッファもディスクリートという完全フルディスクリートのクラスDアンプになっています。登場したばかりの頃は海外のDIYAudioでも相当に盛り上がっていました。クラスDアンプ(デジタルアンプ)というと一時期国内でも質の悪いものが流行ったせいで印象が悪いのは仕方ないですが、これは全然違います。高い音の綺麗さは既にUcdでも及第点に達成していたので当たり前ですがNcoreはよく出来たアナログアンプとほとんど変わりません。

この記事を書いている時点で2014年になりますけどNcoreの情報は未だに国内では殆ど無いですね。これが採用されている製品はありますが表に出てない印象です。国内でも海外製含めて最近クラスDアンプは各社から意欲的なモデルが出てきているように思いますが、Ncoreは現在でも特性だけなら間違いなく最高峰のアンプだと思います。音質については他の全てと比較しているわけじゃないので何とも言えませんが、色付けとか細かい音の好みにこだわらないとか特性と素性さえ良ければいいならこれはパワーアンプの最終回答に限りなく近い仕上がりかもしれません。小型で軽い、低消費電力、ハイパワー、ローノイズ、高音質なので、ほとんど文句をつけるところがありません。もし文句がつくとしたら周波数特性がアナログアンプほど伸びない点、自作にしては非常に高額だという点です。

NcoreはUcdと比べるとすごく引き締まっていてとにかく駆動力が高いです。Ucdはかなりゆるく感じるくらいです。オーディオ的なクオリティ、品位では圧倒的に良いですが、優しさや柔らかさを求める方はUcdのほうが良いかもしれません。音は全然別物になっています。なので電源さえちゃんと奢れば相当のハイエンドスピーカとつないでも許されるアンプだと思います。実は一部のアナログハイエンドアンプとか国産アナログアンプとも比較してみたことあるのですが、相当すごいものを持ってこない限りNcoreのほうがいいんじゃないでしょうか?もちろんメーカーの個性とか色付けとかの要素はなしでの話ですけど。

あとはクラスDアンプの方式でしか出ないような中低域のクリアさはこれももちろん持っています。この音質傾向は真空管とトランジスタの違いなどと同じような方式上の音質の違いだと思います。クラスDアンプは謎ですがやたら低域がスッキリした音が出るんですよね。低域が出ないってことじゃなくて細身で見通しの良い低域のことです。これはどのような非力なクラスDアンプでも共通です。とにかくこのような方式ごとの音質的特徴というのは特性だけじゃ全然わからないのが面白いところです。真空管アンプの音が好きな方ならこの辺は良くご存知と思います。普通のトランジスタとかのアナログアンプじゃ出ない音です。

というわけで猛プッシュしてしまいましたが、Ncoreはいわゆるユニット組み立てで完成できるので自作の喜びは少ないのですが、とにかく良い品質の音が欲しい自作派の人ならこれは是非試して欲しいです。トライパスとか雑誌の付録とかをいじってもこの領域には絶対になりません。もちろんアレコレ考えていじるのが楽しいってのはわかるのでそれが目的なら全然いいんですけど。

安く完成品が欲しいって人は受注生産で作ることを考えています。同じものを使ってるハイエンドメーカーより当たり前ですけど安くできます。っても原価が高いのですごく安くはなりませんけれども。そのかわりケースとかそれなりにこだりたいです。デザインや仕上げは自作ではまず無理なレベルまで持って行きたいですね。そうじゃないとやる意義がありません。ですがもしこれを読んでいるあなたが最安にこだわるなら海外でユニットは売ってますから自作するのが一番良いです。ただしユニットは全然安くないです。

アンプの特性

クラスDアンプいわゆるデジタルアンプですが特性はこのとおりです。アナログアンプでも400W以上の出力でこのレベルの特性を出しているモデルは非常に少ないのではないでしょうか。これを見てしまうとデジタルアンプは特性が悪いというのは完全に過去の話になってしまったのだと思います。凄いですね。クラスDアンプ特有のクリアさとパワーを持ち、小型で軽量で消費電力が低い。その上でアナログアンプの最高峰に近い低い出力抵抗、SN、THD特性を兼ね備えているわけです。Ucdの時もそうでしたが、しばらくこれを超えるようなクラスDアンプは出てこないことと思います。

ncore

ハイエンドメーカーでも採用実績がある

ちなみにNcoreは実際にジェフローランドのmodel 925というハイエンドモデルでも採用されていますし、その素晴らしい音質は大手のブランドも認めているということです。日本語ではソースがありませんが、英語ならこちらにNcoreであると明言があります。ジェフでのICE-Powerの値付け(Model201とか)と比べると音質のレベル差も想像がつくと思います。

http://jeffrowlandgroup.com/kb/questions.php?questionid=709

jeff925

ただしジェフローランドは電源に2500Wもの物量を投入しているのでその分パワフルな音が出ることだと思います。電源が変われば音は大きく変わります。なのでこのあたりはなかなか個人では真似ができない部分です。これと同じようなものが簡単に自作でも同等品が作れるというわけではありませんが、普通に組んでもその音質は大半の高級アンプよりも素性として優れています。クリアさ、パワー、ひずみ感のなさ等は大変素晴らしい物があります。

とにかくNcoreは非常に素性として優れており、大手ブランドが超高級ハイエンドモデルに採用するほどのポテンシャルがあるということです。

もう一つはインターナショナルオーディオショーのハイエンドブースでLansche Audioのスピーカーと組み合わせられていたMola-Molaのアンプです。ここは実はHypexのハイエンドブランドで中の人は同じなのです。ということで当然この中身はNcoreです。あの癖のないクリアなサウンドが実現できているのはコロナツイータスピーカーの威力だけではなく、このアンプの力も大きいと思います。このあたりは実際に音を聞いた人も多いのではないでしょうか。

http://mola-mola.nl/index.php/ct-menu-item-3

molamola

海外のオーディオショーでは内部を公開していたようです。

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自作品の特徴

せっかくなので自作ページらしく、自作品の売りを書きます。

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電源とアンプはモジュールなのでそのまま組むのは簡単です。ケースもタカチなので面白くはありません。

あえて書くような工夫をしたのはスタンバイスイッチの部分で、AVRを使ってフロントスイッチを認識して電源スイッチの赤LEDを制御しています。待機電力は5Vの追加スイッチング電源が担当していて、こちらは電源OFFの時も常時通電になります。アンプ側の電源ユニットに対して5Vを外部供給することで、アンプ用のスイッチング電源はスタンバイモードに入ります。これをスイッチ監視しながらマイコンでOn/Off制御しているわけです。スイッチング電源が待機に入ればアンプの電力は切れますから見かけ上の電源が切れるというわけです。

また電源投入時に時間差があるので音が出るまでのタイミングに合わせて赤のLEDは点滅して音がでない時間を示すようにしました。このアンプは結構気に入っています。現在でも現役です。

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現在貸出中で写真はありませんが後に1200W電源のバージョンも作りました。基本的な音は同じですが、こちらは更にパワフルな音です。

Ncore技術資料

技術的なことは下のPDFにありますが、かなり高度でほんの少ししか理解出来ていませんが、日本語資料もないので書けることを書きたいです。

まずNcoreには4つの新技術があるようです。分かる範囲で意訳ですので間違っている可能性もあります。

  • コンパレータを改良。より理想モデルに近い動作に
  • ゲート駆動回路を改良してオープンループゲインを増やし、アイドル損失を減らす
  • より安定した発振周波数。大振幅駆動の信号特性を向上
  • オーディオレンジにおいて安定性を確保しながら20デシベルのループゲイン向上。

このうちの3つは既に後期のUcdでは実装されており、Ncoreはこれら4つ全ての改善を含むもののようです。しかしその内訳はかなり複雑のようです。安定性とオーディオ帯域でのゲイン確保のためにUcdでは2ポールだったものがNcoreでは5ポールの位相補償?になったような話もあります。実際に2ポール位相補償はアナログのディスクリートアンプでも使うテクニックなのでわからないでもないですが、5ポールってのは余り聞いたことが無いですね。

それとクラスDアンプでDCループゲインを増やすのは非常に困難だと思うのですが、ゲートの改良でそれが可能だと言っています。PDFを見た感じでは何をやったかは書いてありますが具体的な実装方法や対策の方法は書かれていないようです。一部書いてあるような場所もあるのですが、正直理解するための基礎が足りていないのでこのあたりはよくわかりません!

この資料の解読はより専門的なノウハウのある方に任せたいと思います。

http://www.hypex.nl/docs/papers/ncore%20wp.pdf

新しいNcoreモジュールが登場

つい最近までNcoreはハイエンド向けの1200WモジュールとDIY自作向けの400Wモジュールの二種類しかなかったのですが、ここにきて新しい種類が増えていました。OEMモジュールはバッファが搭載されていないのでバッファ部で音質のコントロールが可能=メーカーの個性と設計の違いが出る部分です。個人や小規模の会社ではOEMモジュールの交渉は厳しく多分入手は出来ない気がしますが、もし可能性があるならばこのNcore+自前設計のバッファ部でチャレンジしてみたいところです。

i-KTs2LBw-L新しいNcoreのOEMモジュール

 

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