AK4499を使ったDACプロジェクト

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トップの画像は設計中のAK4499基板です。最近は少しずつこれも作っています。

最近はなかなか時間が取れない状態なのですが、他のプロジェクトと並行で進めています。たとえば今ほかにマルチビットADC基板も手がけています。こちらは未知のFPGAが絡むのでもう少し時間が掛かりそうです。ADC基板も報告できるようになったら記事としてまとめてみたいと思っています。

話を戻します。まだチップも入手できていないので話が早すぎるのですが、AK4499基板は出来上がって良い仕上がりなら久しぶりにキットとして売ってもいいかなと思っています。他にもDACプロジェクトがあるのですが当分公開できそうにないので気分転換でもあります。キットにする場合はですが、今まではすぐに基板が売り切れになっていましたが今回はしばらく継続で売れるようにしたいところです。

以前のDACキットは部品実装済みだったのは良かったのですが、各自でパネルの組み立てが必要だったため、実際に動作できるようにするまでに手間がかかりました。しかし今回はピンで設定をすれば電源入れてそのまま動く簡単なものにします。以前と同様に基本的な表面実装部品はフル実装済で、電源とI2Sさえ繋げば誰でもすぐ簡単に動かせるようなものにします。

そして音質対策も最新のものとします。測定値もデータシートどおりまで行けるかわかりませんが、きちんと測定値も公開したいと思います。このあたりは既存のキット用基板との差別化要因です。まともな測定値が出せる基板だということをきちんと示したいです。なお、詳細をアップすると無断でパクるキット製作者がいるので、基板画像はシルクなし、パターンは表面のみ、そしてぼかしありです。

基板の全体像は以下のような感じです。並べればマルチチャンネル、モノパラレル、これらに対応できるようにするかもしれません。(念の為これもパクリ防止でぼかしています)

AK4499について

現代的なDACチップについては積分形DACとの出会い以降、いろいろ問題について記載してきました。それは高速デジタル回路が内蔵だったり、パッケージサイズが小さかったり、その割に電流量が多く微小電圧変動の原因になっていることなどです。パッケージサイズは大きくなりましたがそれ以上に消費電力は増えており、結局AK4499もこれらの問題は共通でした。しかし試しもせずに文句を言うのは個人的には無しです。最新、最高スペックのチップが出たのですから実際に試してみて、上記の課題がやはり残っているのか、それとも改善しているのか、それを実際に確かめてみたいと思います。

データシートからわかったこと、AK4499について思うことについて、書いておきたいと思います。

  • 普通の電流出力とは違う設計、抵抗スイッチング方式

この部分は音質に大きな影響があるはずです。根本的な方式が違います。それがわかるのはデータシートの以下の図です。これはアイドル時の動作だそうですが、まず従来の電流出力型と明らかに違うのはIVアンプのフィードバックがDAC側に入っていること、DAC内部の抵抗をスイッチングしていることです。

この抵抗スイッチング方式の利点は何か考えると、おそらく電流エレメントのリニアリティをスイッチング制御であとから補正できることでしょう。従来であれば抵抗をレーザートリミングして精度を揃えるか、ランダムに入れ替えて平均化するなどの方法が取られていたものと思いますが、これはそこから更に上の補正を行うための技術ではないかと思いました。

要するに高精度の電流源を並べるだけではなく、その動作タイミングを調整することでさらなる実精度を実現したのではないか、ということです。この結果、独自の構成となり、音質面でも今までの既存の電流出力型、電圧出力型と何か根本的に違う異質な傾向になっている可能性があります。個人的にはとても楽しみです。

  • 大電流かつ4ch合成が可能なこと

これはES9038と似ています。データシートを見ると1chで72.8 mAピークtoピークとあります。これをIVで受けるには最近の高出力電流のオペアンプが必要です。データシートではOPA1612を推奨しています。廃番となったフラッグシップLME49990は出力電流が低いのでこれでは受けることができません。

そしてそれを4chモノラルで合成することができます。AK4499では出力できる信号電圧が上昇し1chのSN比も大幅に向上していますが、さらに4ch合成することで究極に近いSNを実現できるようになりました。合成の方法はリファレンスでは抵抗での合成ですが、このあたりは工夫の余地があるように思います。もちろん中途半端なアンプで受けたりするとノイズの原因になるので慎重な設計が必要でしょう。従来のDACと同じような発想で部品選定をすると全く性能が出ないということにもなりかねません。

このあたりはES9038でも同様で、DACチップ自身は良い性能であることが記載されていますが、現時点ではその限界値を実現した製品はほとんどありません。少なくとも大半のES9038搭載機の性能は真の実力を引き出すところまではできていません。

AK4499でも同様にこれを使ったから即高性能とはならないことは注意が必要です。個人的にはデータシートどおりまで行けるか不明ですが限界性能まで行けるかぜひチャレンジをしてみたいと思っています。

 

今回はこれで終わりですが、また追記をします。ひとまずICが発売されないとどうしようもありませんからね!