中古物件でオーディオシステム再構築~完結しない編

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こちらの記事の続きです。中古物件シリーズもこれで一旦終了です。あとは普通のオーディオ記事として大きな対策があったときに個別記事としてまとめたいと思います。

基本的なルームチューンの考え方、対策については前回記事にまとめました。やり残したことがありますので、少しだけ前回の続きを書いたあとは今回はスピーカシステム周りについてまとめていきたいと思います。まだ全て完了していないと思いますが、オーディオは終わりはありませんし、いちいち細かく試したことやったことはなんとなく忘れてしまいますので、何を考え何をやったのか、測定結果などを一度現時点でまとめておきたいと思います。

Vicoustic Flexi Waveを大量設置するとどうなるのか

測定はRoom EQ WizardのDecayです。音の減衰特性をみてどの帯域がどれくらい収束が遅いかを見ます。定在波がある帯域はエネルギーが留まりやすく、収束が遅くなって音がこもる原因となります。

周波数特性より減衰特性に効いているようにみえますが、これだけだとわかりにくいので重ねたものがこちら。みやすくはないですが違いの場所の判断には使えると思います。

70Hzくらいから中域くらいまで少しずつ効いているように思います。150HzはSP固有の特性なのでこれで改善しないのは仕方ないとして、それ以外は数dBの効果でしょうか。Decayの青色の山は比較的素直になっていますので、減衰特性が素直になったとは言えそうです。

ということで、これだけ大量につけても大幅な効果はないです。ルームチューンは小さい努力の積み重ねでしか達成できないということですね。この手のオーディオアクセサリーは国内だと妙に高額なものが多いですが、個人的な意見では精度とか仕上げの品位より、特性と物量勝負の世界だと思います。高いものを少しより量をたくさん積み重ねたほうが効果は大でしょう。物量は部屋に見合った必要量があります。

特に広い部屋だと大量に設置しないと測定上は大した違いが出ない可能性があります。なのでなるべく安く、特性が公開されている製品をたくさんおいたほうが良いでしょう。予算の制限で少ししか設置できないくらいなら、安いものをそのぶん数買うべきです。ここに低価格な製品を見つけたので紹介しておきます。事前にこれ知ってたらこちらを買っていたのですが知らなかったのでVicousitcにしてしまいましたが。

システム構成について

スピーカ

  • 低域 Duntech改造品 低域ユニットはHivi D8.8へ差し替え。バーチカルツインで左右合計4発
  • 中域 富山県Iさん製造のタイムドメイン風スピーカ
  • 高域 これも富山県Iさん推奨のFostex T500A

まずはここが今回のスタートラインです。初期ではDACは試作機の2ch出力のものしかないため、とりあえず中高域はLC一発の適当なパッシブで分割しておきます。最終的にはDSPを使った3way完全マルチへ移行する計画です。

床強者になりましたので、ウェルフロートは除外しました。ウェルフロートは床があまりに共振する場合には良いですが低音は出なくなります。王道は床を強化して振動しない床を手に入れることだと思います。低音を諦めて中高音の精度を求める用途には良いと思います。

Duntechは以前はこれだけで完結して使っていましたが、新しい部屋はだいぶスペースの余裕ができましたので中高域は分離構成にしました。Duntech単体では定位も一線を越えられませんし、Duntech側は結構振動するので中高域は振動を分離したかったです。しかし現実的にはウーファータワーは時間軸で見ると数msecのズレが必ず出ますので、これもDSPで補正を入れる予定です。

結果としてウーファータワー構成なんですが、ハイエンドで最近流行しているのか以下のように超ハイエンドの領域ではよく見られる構成みたいです。YGもXVからはそうなりますね。うちは低予算な本格オーディオですが、偶然見た目はそれっぽくなるようです。バーチャル富裕層的にはとても良い偶然です。突っ張り棒で見た目重量を稼いで振動対策するのも個人的にはお気に入りです。こういう対策は背の高いタワー型でないとできません。

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上流の構成

上から順番に書いていきます

  1. PC(データ再生、定額配信サービスなど)
  2. Antelope Orion Studio(USB-DDC、測定/録音用ADC、FPGA-FXによるEQ処理、ルーティング処理)
  3. Apogee Bigben(同軸>光変換用 長距離伝送と電源分離のため クロックとしては期待していない)
  4. AK4499使用マルチチャンネルDAC DSPとしてADAU1452を搭載
  5. Hypex NC500使用パワーアンプx4 200V駆動

以上のようになっています。DTM系出身なので個人的には違和感ありませんが、ピュアオーディオ系の方からしたら変わったシステムだと思います。

システムの説明

構成のポイントはOrion Studioですね。これ非常に良くできていてマルチやオーディオで色々試すには便利です。DDCやAD/DAとしての音質も結構優秀ですしルーティングも自由自在で内蔵のエフェクトも充実しています。

現状は

  • ヘッドフォンOUTはUSB OUT直結
  • SPDIF OUTはUSB出力からFXに送りMIX1経由で割り当て

こうするとヘッドホンで聞くときはEQを経由しません。

応用例として、ここにCDPを追加するとします。内蔵FXを経由しなければスピーカは補正がかからないので、スピーカへの出力のみエフェクトを通したいです。これを実現するには、CDP=SPDIF IN(Analog INでも良い)とPC=USB OUTをどちらもMIX2に入れ、MIX2をヘッドフォンOUTとFX INに割り当てます。FX OUTをSPDIF OUTに割当すれば、CDPとPCは切り替え不要で再生すれば両者の音はMixされ、ヘッドフォンは補正EQなし、デジタル出力は補正EQありの状態になります。使い勝手を犠牲にせず切り替え不要でPCとCDPを同時に使えるシステムになります。ちょっと説明だとわかりにくいですが、理解するととても便利です。

内蔵エフェクトはビンテージシミュレート系の種類が豊富でちょっとした音作りも可能です。初期はバランスに色々問題があったので忠実系のEQより色付けのEQでやや音を派手にしたほうが聞きやすい音でした。

この時点のシステムの空気録音の動画はこちらにも上げておきます。音の比較は主にこの曲で行います。

上の動画の空気録音だけ聞くとそんなに悪くもないのですが、癖の出方とこの曲の相性が良いだけで、実際には元の音に忠実ではないです。このシステムだとボーカル曲とかを録音すると子音が聞き取りにくくて何を喋ってるのかわからなかったりします。

このままではよろしくないですね。原因はやはり5kのディップだと思います。

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この時点では緑が実質的なクロスの特性、赤は問題箇所です。かなり非対称のクロスですがこのようにしないと音が混濁して駄目だったので、深めに切ってあとからEQで程よく聞こえるように調整をしています。ツイータ側の低域は6dB/octでは落ちきらないので素のスロープ特性のまま、スコーカ側も5k以上は特性が暴れてくる領域です。

赤の歪も良い特性ではないですね。画像で見ると結構な歪レベルに見えますが一応1-2%位でホーンとしては特別に悪い歪み率ではないです。ですが現代的なスピーカは1%は余裕で切ってますから、このままだと現代水準ではあまりよくない特性です。

Fostex T500Aの特性改善を試みる

以前のDuntechのときも色々やったのですが、こういう特性の凸凹はバッフル面の影響が大きそうです。まず円筒形のスピーカの特性がよろしくありません。以下の資料を見てください。

https://www.aes.org/e-lib/browse.cfm?elib=17816

なんとなく円筒形状の特性と実測特性はにていると思います。なので本当にバッフルの影響なのか確認のために色々やってみました。

対策前後の特性差は以下のとおりです。

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少しは良くなっていますが、山谷がなくなるほどではないです。

周囲を吸音すれば少し良くなるとはいえ、ちょっと吸音するくらいでは全然駄目ということがよくわかりました。残念ながら見た目を大幅に損なうような改造をしても、そこそこ良くなる程度。それでは納得できないのでT500A自体を諦めることにしました。

これも無理やりEQで補正できるといえば出来るのですが、Qの大きいEQは副作用が大きいので微調整以外には使いません(音楽制作時代の知恵です)。このディップは10dBもありますのでEQでは副作用なく補正できる範囲外と判断します。

本家公開の特性はこれなんですが、どうやってもこの特性は出ません。何かがおかしいです。円筒形の箱じゃなくて違う箱に入れた特性なのかもしれません。

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複数ソースで特性が公開されているツイータへ交換

上に乗せるタイプのツイータを探していたのですがあまり良いものが見つかりません。特性非公開の安いものはカーオーディオ用でたくさんあるのですが素性がわからないし方向性も違う感じがするので買えません。

公式以外で特性データがあって良さそうなものを探していてやっと見つけたのがこれです。

https://www.visaton.de/en/products/drivers/horn-tweeters/tl-16-h-8-ohm

測定データはここにあります。メーカー公式のデータだけではあまり当てになりませんが、これは公式ではない測定で概ね公式と一致しています。これなら信頼できそうです。相変わらず歪み率はあまり良くないですがホーン型なのでこんなものでしょうね。今の時点だと合うのがこういう形状しかないので仕方ないです。

http://www.dibirama.altervista.org/home-page/driver-a-compressione/379-visaton-tl16h-tweeter-a-tromba-16-mm-8-ohm-150-wmax.html

到着後の測定

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T500Aから変更したので、軽いスロープでのEQ補正は修正済みです。

青は普通に載せただけの特性、茶色は位相を合わせた特性です。上の画像でパテの上にツイータを載せているのは物理的な位相を合わせるためです。実はこの写真の状態はこれ以上無理というくらい前に置いてるのですがこれでもあと1-2cm足りません。測定は手で押さえて取ったもので常用はできません。

ただ位相を合わせれば周波数特性がフラットになることがわかったのでツイータはTL16Hで良さそうです。本体を叩いてもT500Aより鳴きも素直で良い感じですね。音の鳴らしたてはやや明るい音に感じましたがエージングしたら落ち着きました。

歪み率は事前情報通りで特に驚く点はありません。完全3wayになったら4kからFIRで急峻なクロスとします。この時点の空気録音です。高域は位相ズレが完全に修正できていないためまだフラットではなくて少し凹みがあります。

それでも高域がしっかり聞こえるようになったことがよく分かると思います。T500Aは癖があったことがわかります。でも本当はそのうち金属削り出しで箱作ってハイエンドユニットつけたいです。TL16Hはそれまでの繋ぎとして使います。

フル3way化

壊れていたDAC基板を修復して3way化しました。パワーアンプはそのへんに転がっていた部品を組み合わせて作りました。

デジタルフィルターは最初499タップのFIRフィルターで4kカットを試みました。499タップですとフィルター遮断特性としては申し分ないのですが、色々測定していて副作用があることに気づきます。

これがその時のステップ応答です。長いプリリンギングがあるのはFIRだからなのですが、実際には前後両方にリンギングが出ます。実はリンギングがCumulative spectral decay特性を悪化させます。ちょうどユニットの共振とよく似た結果になります。

そのときのスクリーンショットを取ってないのですが、以下の画像の赤矢印くらいまでクロス周波数=4kの成分が残ることが観測されました。

これが耳で聞こえるかどうかなのですが、FIR-EQ特有の圧迫感の原因がここにあるのかもしれないと思いあたる部分があります。聞いて違いが分かる可能性があるので対策しました。それが上のCSD特性の画像、これ自体が対策後のものです。これくらいの余韻なら十分許容範囲だと思います。周波数特性的なバランスも良さそうですね。

対策内容はタップ数を減らすことです。499から149に減らしました。そうすると上の画像のCSD特性になります。Rephaseの設定は以下のとおりです。少ないタップ数で減衰特性を確保しています。

ステップ応答は以下のようになります。プリリンギングはかなり短くなっています。EQ関係を頻繁に調整していた時期なので前後の波形が完全には一致していませんが、あくまでプリリンギングの長さ比較の参考画像としてお願いします。

問題の歪み率は以下のようになりました。4k以下のホーンの歪を除外しましたのでこれを見ると優秀です(高域の高いところで0.4%)。ただこれは通常音量時の特性です。

上より7dB大きくしました。ある一定の音量より大きくなると急激に歪み率が悪化します(一番高いところで2%)。高域にエネルギーが集まるほどの大音量を出すことは音楽では少ないですが、そういうシーンに弱いということになります。ホーンの固有特性なのでこれは仕方ありません。

ホーンの歪の原因についてはここに詳しく書かれています。

saya-audio.com/horn-hd2.html

原因は空気のスルーレートらしく、ある程度音量を出すと歪むのは仕組み上修正不能のようです。

低域の対策

最初Duntechと中域のクロスはFIRで130Hzに設定していました。しかしDuntechにはちょうど150Hz付近に大きい内部定在波を持っていて音がとどまるのでそれが気になります。以下Duntech単体のDecay特性です。

これを見ると150Hz付近に高い青の山=音が減衰しない領域があることがわかります。200Hz前後も細かい山があってここも減衰特性があまり良くないです。130Hzクロスだとこの部分が完全に減衰できていません。単体の癖を知っているとシステム全体でも同じ音がしています。この低音の癖は気になりますね。この帯域の癖がDuntech臭さの原因です。プラスチックぽい音というのか個性的な音です。ピュアではないです。

この部分はクロスの特性を変更してカットするしかないのですが、これ以上はADAU1452のFIRだとタップ数が厳しいです。内部88/96kHz駆動だと合計3000タップ辺が上限です。1500タップでも100Hz以下を完全に切るのは大変です。以下1200タップくらいの特性例です。

150Hzの減衰が10dBもないことがわかります。しかしFIRでここからさらに低周波に設定すると低域がほとんどカットできなくなります。これ以上の特性のFIRフィルタはハードウェアDSPだと処理能力が厳しい領域です。

これを解決するにはIIRです。これなら急峻なカットを実現しながら負荷はかなり低いです。いわゆる普通のデジタルEQですが、こうなると位相が合わなくなる問題がありますが、あとで時間差をディレイで補正するプランを検討します。70Hzほどまでクロスを下げてしまえば位相差もそこまで気にならないような気もします。

ちなみに70Hzクロスの判断は上記のDecay特性以外には歪、周波数の特性をみて決めました。以下のように特性比較すると、歪み率と周波数特性が大体70Hzあたり境目に性能が別れています。70Hzなら150Hzに対してかなり余裕があります。これがDSPを使わない設計なら中域ユニットは300Hzくらいから周波数特性が下がりはじめますので、そのあたりまでにクロスするのが普通だと思うのですが、ここはDSPの利点を利用してEQ補正で持ち上げます。正直EQ補正よりもDuntechの150Hzのほうがはるかに深刻な問題です。

中域ユニットの無補正特性

低域ユニットの無補正特性

70Hzでのクロスは以下のようにDSPで組みます。バタワースを2つ直列するとlinkwitz rileyになります(3dB + 3dB = 6dB)。FIRにこだわらなければ低周波でも急峻なカットが実現できます。これで-48dB/octの特性です。

群遅延の調整

Duntech臭はだいぶ改善して良い感じなのですが、測定してみるとIIRにしたことで大幅に低域がずれることがわかりました。

群遅延はRoom EQ Wizardで確認ができます。やり方はGDから右上のCotrols。出てきたGenerate minimum phaseを押してExcess Group Delayを表示します。個人的にはカラー表示のWaveletよりこちらのほうが低域は合わせやすいと思います。下のFIRで既にずれているのはウーファータワー構成が原因です。物理的群遅延です。音速で計算するとたしかに2-3msの距離です。

FIR時の群遅延特性

IIR時の群遅延特性

FIRの状態だと約3ms位のズレなのですが、IIRにすると10ms以上ずれてしまいます。これはDSPのディレイで補正します。

80Hzと150Hz周辺の群遅延は補正ができていませんが、60Hz以下は修正されました。

肝心なのはこの違いが聞こえるかどうかなんですが、曲によってはわかると思います。2msの違いはほとんどわかりませんが10msは無視はできないくらいの違いだと思います。実は空気録音で比較できるようにしてありますが最近は権利関係がうるさいのでアップはできません。今回のリファレンス曲だとこの違いは全くわかりませんでした。10msの違いは曲によって気になる、曲によっては全くわからない、というレベルでした。だからこれも補正をします。

80Hzと150Hzの群遅延はそういう視点で言えば大きな課題ですが、現状すぐに解決は難しく対策は考えています。位相だけずらすフィルターを設計して打ち消しが出来るかもしれませんが現実的な精度で適用できるのかは未知数です。そのうち試みてみようと思います。

ちなみにステップ応答は以下のように低音が先に立ち上がる形となってしまいます。

軸外特性

一部で大変重要視されている軸外特性です。5k周辺が若干軸外フラットではないですね。一応TL16Hの公式特性では以下のようになっています。これを見る限りそんなに悪い特性とは思いません。ただこのデータに5kはないですね。

軸外は壁の反射音とかで耳に入りますので無視ができません。そして軸上フラットでも軸外は勝手に乱れますのでDSP等で補正がしにくいということで問題視されています。ただしこの部分の対策をするのはツイータの形状を加工しなければなりませんし、大変なのでこれはとりあえずこの状態で置いておきます。

軸外フラットを実現できない場合は軸外の成分を吸収することが簡単な対策だと思います。悪い成分を出すくらいなら吸ったほうがましですが、吸収の問題はリスニングポイントが狭くなることでしょう。

床の一次反射点の対策

この対策によって以下のように初期の反射特性と周波数特性に変化があります。初期反射がなだらかになっている方が設置後です。音で聞いて定位感もたしかに若干ですが改善します。

周波数特性も以下のように変わります。もちろん低域にはほとんど変化はありません。

これは床ANKHと同じような効果だと思ったのですがどうでしょう。床ANKHはなぜかSPのすぐ前に起きますが効果があるのは一次ではなくて床と天井の反響特性に影響を与えているのだと思います。図で書くと以下のような感じです。影響は1次のほうが大きいはずなので、1次反射の場所も念の為試してみると良いかもしれません。

これのどちらにより効果があるかは部屋によって変わるかもしれませんが、一度比較してみても良いと思います。

3way化後の最終調整

最終調整はデジタルEQでの補正です。T500AからTL16Hに移ってから色付け系のEQを使っていたわけですが、ここでクリア系EQでウィークポイント含めて補正を試みます。補正の順番は以下のとおりです。

  1. 測定しながら概ねフラットになるように補正する。
  2. 録音をして録音したファイルにEQをかけ、問題帯域を探しておく。
  3. 実際に2でチェックした部分の補正の有無を聞きながら評価する。
  4. あとは2-3を繰り返し聴感で良くなるように微調整する。

ちなみに3wayの無補正だと周波数特性はこのようになっています。かなり凸凹のある特性です。このままでは聞けたものではありません。

EQで補正しました。

EQの設定は以下のようになっています。

150HzにQの大きめの補正が入っていますが、これは部屋とSPに起因すると思われる癖を取るための対策です。これは有無を比較できる空気録音を用意しました。測定結果の見た目だと元々凸凹が結構あるので全体で見るとどちらの設定でもフラット気味にみえるのですが、実際に音で聞くと結構違います。

↑150EQ off

↑150EQ on

問題がある場所はむしろある程度ピンポイントで削るほうが結果は良いと思います。減衰特性含めたらフラットとは言えない可能性があります。なので自動補正などで完全な周波数フラットを狙うと、実は問題のある場所をブーストしていたということがあるかもしれません。

記事の終わりに

あとは過去記事との比較用の楽曲を2曲置いておきます。(測定上異常はないですが音で聞いた限り高域で位相ズレ起こしてる帯域がありそうです。反射音との干渉の可能性も)

Brad New Type – TAK

Freedom – TAK

以前の録音と比較するとわかりますが引越し後は低音の質感がかなり変わりました。以前は30Hz以下が全然出なかったのが、部屋や床が変わって床強者になったのでウェルフロートをやっと除去したのですが、それで20Hzまで出るようになった理由は本当に謎です。パワーアンプを200V駆動にしたもの影響があるんでしょうか。だいぶ低周波まで出ているせいか低音は若干暴れててこれはこれで楽しいですが、もう少し押さえないと忠実とは言えない音です。低域の対策はまだ終わりではないです。

今後の構想としてはウーファータワーを完全に作り直そうかと思っています。シミュレーションを使ってケースもかなり強度の高いものにして下から300Hzくらいまで癖なく鳴らせる性能が望ましいです。ユニットは今の所SeasのL26ROYを考えています。低周波の歪特性とサイズのバランスが理由です。一応こんなシミュレーションもやってみましたが、実際に作るのは先になりそうです。等位相を狙うので180cmくらいの高さでバーチカルツインにします。Duntechの設計思想は引き継ぎます。作るのはかなり大変ですしDuntechが粗大ゴミになり困るので躊躇しています。

最終結果

REWのファイルはここにおいておきます。あとは上であまり紹介しなかった特性を貼り付けておきます。

インパルスとステップ応答

RT60

Filtered IR(インパルス応答がキレイになったのでリスニングポイントでの初期反射が-25dBになりました)

Spectrogram(-40dBレンジ)

Waterfall

楽曲紹介

原曲はこちらのリンク先のものからお借りしています。良いものなので紹介します。私も買いました。

https://ukitazawa.bandcamp.com/album/raise