中古物件でルームチューン~とりあえず完結編

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前回記事の続きです。前回までで概ね基本的なルームとスピーカの特性はまとまったのですが、今回はそこで残った不満に対する対策が中心です。

さらなる対策が必要に

やっぱりDecay特性の100Hz台は気になりました。リスニングポイントで音楽を聞いていると中低域がどうしても濁る帯域があって、これは対策をしたいと考えました。問題のDecay特性は以下のとおりです。

この100から400Hzくらいの凸凹が気になるということです。少しとどまる帯域がまだあります。

ここからできる対策の方法

既にAVAA、FlexiWaveは入れました。ここからできるこの帯域への対策といえば、追加でベーストラップを入れるのが最も効果的な対策でしょう。しかしいきなり専用品を購入するのはためらわれますので、手持ち資材で対策の効果を試してみましょう。

画像は試行錯誤中の画像ですが、特性は個別に記録してあるのでそれぞれの特性をアップします。

中央に布団のみ

中央布団+片側AVAA持ち上げ

中央布団+両側AVAA持ち上げ

中央布団+両側AVAA持ち上げ(前回記事で追加した150HzのEQ補正を解除)

中央布団+両側AVAA持ち上げ+片側コーナに布団設置(EQ解除)

中央布団+両側AVAA持ち上げ+両側コーナに布団設置(EQ解除)

ここまでやると、ようやく100Hz台の減衰特性がおとなしくなったことがわかると思います。

何故良くなったか

それは吸音材の厚み、背後空気層による複合効果のようです。こういう資料があります。

画像画像

これを見ると結局は吸音材の厚み、その背後の空気層の厚み、最後に吸音材の重量これらが重要な要素だとわかります。布団は重さはそれなりで厚みがかなりある、そして背後空気層もうちは10cm以上取れているので、これらが低音に効果を発揮したということだと思われます。同様に、ベーストラップをコーナーに設置すると効果がある最大の理由は、ボードを角に置くと背後に空気層を自然と確保できるからだと思いました。

なのでこの理屈がわかっていれば専用のルームチューン材ではなくただの吸音材単体を買って設置するだけでもある程度の中低域の対策は簡単にできそうですね。私が上でやった対策もこれと同様の理屈です。布団は分厚いです。そして角には空気層も確保できています。結果はちゃんと100Hz台に効果がありました。

布団で検証が出来たので、きちんとしたボードを購入

購入したのは吸音ボード 「MGボード」 厚さ50mm、80kgのロックウールです。表面ガラスウール張りのものですが、裏面はロックウールが露出しているので、両側を表に来るように10cmのジョイナーで固定します。(購入したのは写真の工型じゃなくてコ型です)

こうすることで10cmのロックウールボードが出来上がります。設置後は以下のようになりました。ピンクの布団が中央にあるよりはましですが、最初のような統一感はなくなってしまいました。見た目的にはそのうちなんとかしたいですが当面はこれで行きます。

布団からロックウールボードに変更したあとのDecay特性は以下のとおりです。良くなるかと思ったらそうでもありませんでした。これは布団の物量がかなり優秀だったようです。布団のほうが良い部分もあります。

測定マイクをEarthworks M30に変更

画像

画像

これも重要な記録なので記事としてまとめておきます。以前はDBX RTAというマイクを使っていたのですが、16kHz以上の特性に疑問があったのでマイクを買い替えました。マイク変更前後の同じセッティングの特性は以下のとおりです。

RTA DBX

M30

実は特性は高域が少しずつ下がる特性になっていました。今までの特性は正しくなかったということです。こういう点でも校正済みまたは校正特性があるマイクを買うべきでしたね。幸い歪み率などは殆ど変わらないのでこの部分は良かったです。

ゲインが違うのはマイク感度の差でM30は感度が高いので同じ音量で再生しても大きい音量で録音されます。

M30で補正後

マイクの特性に合わせて再生側のEQ特性を設定し直しました。その結果が以下です。ようやく高域まで測定ができるようになりました。このようなことならもっと早くマイクは買っておくべきでした。

最終仕上がりの空気録音

前回記事と同じ音源です。比較用に前回の最終音源を貼っておきます。

前回最終録音↑

今回最終録音↑

いかがでしょうか。あくまで録音は参考用ではありますが少しは違いがわかると思います。現場での音の差ですが、まずDecay特性の対策でよりベースの音階が安定して、しかもかなり明瞭になりました。中低域が混濁しやすいパートの多い楽曲でもクリアに聞きやすく聞こえます。次にM30による高域特性の再補正の結果ですが、今まではやや刺激的で個性的な高域の質感だったものがより自然で透明感がある力みのない高域へと変わりました。個人的にはこの方向性は望ましい変化です。

今回は以上です。おそらく部屋のチューニングはこれで一旦完結編になると思います。

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