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MSB discrete DAC, dCS Bartok, Chord DAVEの音について

中野のフジヤエービックさんで試聴をさせていただきました。貴重な高額品を比較試聴できる機会はなかなかありません。機会を提供いただきまして、大変有り難うございます。

このなかでChord DAVEは所持品ですが、実際に所持していた関係で音をよく覚えているのでこの中に比較として参加させてみたいと思います。価格帯も似ていますので気になる方も多いかと思います。

いつもどおり、いきなり音についてのみ書きます。褒めるレビューと言うよりそれぞれの特徴、良し悪しもはっきりと書きます。音以外の部分、見た目や機能や操作感とかは書かないので他を参考にしてください。個人的に長々使用感や外観などの前置きを書くレビューは好きじゃないのでうちではやりません。

試聴条件ですがヘッドフォンはすべてFinal D8000です。

MSB discrete DAC

初試聴です。接続はLANです。MSBはなかなか比較評価ができることが少ないのでとても良いデータが取れました。ヘッドフォンアンプがReleafのE3ですがMSBは内蔵ヘッドフォンアンプがないので仕方ありません。電流伝送はD8000だと低音が出なくなるのでdCSと条件を揃える目的もあって電圧伝送で聞きました。

音の特徴は大人しさ、背景音の静かさ、定位の左右の広さでしょうか。SN感はとても優秀です。全体的に癖が少なく「これが強い」という部分が目立たない印象です。そうなると上品で大人しいことが最大の特徴かもしれません。

よく言えばバランスが良い、悪く言えば強みも特徴も薄い、となります。他のコンポーネントの個性が強くDACで何かの要素を追加したくない場合には良い選択肢になるかもしれません。

ちなみに弱点があるとしたら中高域の付帯音です。かき氷みたいな少しだけ硬質だけど透明な棘のような成分が音の周囲に常に舞っている印象があって、アタックの強めの音に特にはっきりとまとわりついています。ただしR2Rでよくあるチリチリ音のような露骨な成分ではないし、ΔΣ系のサラサラした質感とも違います。MSBの最新モジュールの方式によるものかもしれません。個性的な質感に聞こえました。これは最悪の場合E3の音の可能性もありますが比較評価ができないのでなんとも言えません。(追記:以前のMSBモジュールでは感じなかった個性なので最新のモジュールで若干方式が変わったのか、その他内部設計上の問題、E3側の個性、これらの可能性を残します)

この付帯音を含めた使いこなしとしてはこの成分をもう少し散らしてある種の美音系にもっていくか、外部でこれが目立たないような機器と組み合わせてより上品さや大人しさが感じられるように調整すると良いのではないかと思いました。

ちなみに駆動力はこの中では低めです。R2RディスクリートDACなのでもっと音にパワーがあると予想していたのですがそうでもなかったので意外でした。これはE3の駆動力もあるかもしれないので参考程度にしてください。これ以降、こういう部分部分での音のパラメータはあとで比較して列挙します。

dCS Bartok

送り出しはDELAからUSBです。ヘッドフォンアンプは内蔵です。

低音と駆動力が最大の特徴になります。背景音はやや見えにくい、背景が白っぽいです。遠い奥行き成分は小さく聞こえます。なので基本は前に出るパワー、駆動力、そして少しの荒々しさ、このあたりがBartokの特徴と思いました。このうち半分の要素はヘッドフォンアンプの音だと思います。

これだけだとdCSでイメージされる美音や上品さというイメージから遠いですが、これがヘッドフォンで聞いた正直な印象です。上品さで言うならMSBのほうが今回の比較では印象的です。それよりもやや荒い力押しの印象を受けました。そして低音の厚みです。高域はかなりあっさりしています。その上で駆動力がありますから、そういう特徴が生きる音楽ジャンルにはよく合うかと思います。EDMとかロックとかベースブリブリ曲、迫力系映画音楽などでしょうか。若干感じる荒さが良さにつながる音楽がいいです。逆に繊細な女性ボーカルとか背景音主体のクラシックとかは合わなそうかなぁと思いました。美音成分があればこのあたりも面白さがあるのですがBartokではそこはかなり控えめです。

低音について。低音はヘッドホンで聞くと個性的です。それは量がまるでEQで盛ってるのではないかと思うくらい、特定帯域に音がとどまる印象があります。多分なんですが押したあとに引かない帯域があるためにそう聞こえるのだと思います。初めて聞くとびっくりしますね。でも個性が強いので注意が必要です。長く使うと人によっては違和感を感じるはずです。とはいえ下支えはしっかりしているし量が多く聞こえるので好きな人は好きかなと思います。安定感はありますね。これが好きかどうかがとても重要と思います。

ただしこの低音の個性はDACとしてdCSを聞いた場合には感じなかった変な個性なので、ヘッドフォンアンプ固有の音ではないかと思っています。DACとして使ったら普通の低音の可能性もあります。

Chord DAVE

以前にレビューを書いたので下にリンクを張りました。

ここで簡単にまとめると解像度高め、高域情報量最高、付帯音あり、左右狭め、駆動力弱め、このようなところです。どちらかというと人工音の曲と相性が抜群と思うのですが、生楽器の曲が駄目というわけではないです。

最近気づいたのですが、DAVEで生音を綺麗に鳴らすための使いこなしとしては、付帯音が弱点であり帯域外ノイズが原因なのははっきりしているので、100kくらいから急激に減衰するトランスを出力に挟むととんでもなく化けるかもしれないです。もしこれでノイズがなくなったら大きな弱点が解消されます。

Chord DAVE来ました!(とても高額なDAC)

各音質パラメータの比較

駆動力とパワー

dCS Bartok>>MSB discrete>Chord DAVE

これはヘッドフォンの比較なのでDACとしての比較ではない部分も含まれます。ですがこの中ではBartokの駆動力とパワーは圧倒的でしょう。dCSはDACとして使っても駆動力が高い印象がありますのでこの順位は大きく変わらないはずです。discreteとDAVEは大差ない印象ですが、DAVEは内蔵ヘッドフォンアンプが弱いのでDAC出力同士で比較したら逆転する可能性もありそうです。

奥行きと描写力

MSB discrete>Chord DAVE>>dCS Bartok

減衰の描写力とディテールの部分です。リバーブ成分の消え際とそこに含まれるディテールをどれだけ聞き取りやすいかを評価します。この要素はdiscreteとDAVEでかなり迷いましたがdiscreteを上にしました。SN感は若干discreteのほうが良いかなと思いますがディテールはDAVEとが良いかもしれません。ちょっとここは自信がありません。とにかくDAVEもこの部分は強いので他の要素の好みで選んでもいいと思います。

高域の情報量

Chord DAVE>>dCS Bartok>MSB discrete

高域成分のデジタル階調感です。この部分はNOSのアナログフィルターだったり特殊なデジタルフィルターのDACで優秀な傾向があります。普通のDACチップ内蔵のデジタルフィルターではすぐに不明瞭になる部分です。ここは各社独自のアルゴリズムによるアップサンプルだったと思いますから個性が出てくるところです。ですがDAVEがこの部分は圧倒的に良いでしょう。それと比較するとBartokとdiscreteは大差がなく付帯音が目立つので付帯音の優劣で選んでも良いでしょう。どちらも一般のDACよりは良いかもしれないですが圧倒的に優秀とは思いませんでした。この部分はDAVEが優秀です。

高域の付帯音

dCS Bartok>Chord DAVE>MSB discrete

付帯音は余計な音がまとわりついているかどうかを示します。高域の素直さとも言えます。この順位は付帯音が少ない順です。discreteの高域付帯音はR2Rとしては異例に多いです。ΔΣのような帯域外ノイズではなく、R2R特有のどこまでも上に続く高調波成分が原因ではないかと思いますが普通のチリチリ音と違います。どちらにせよマルチビットはこの部分が課題なことが多いです。ΔΣは帯域外ノイズの問題があります。その点でDAVEは帯域外ノイズが大きのでそれが付帯音になります。この中ではBartokが一番素直でしたが、dCSの美音をあえて求めるならBartokは物足りないでしょう。

左右の定位広さ

MSB discrete>dCS Bartok>>Chord DAVE

文字通りです。ただしdiscreteの左右定位はちょっと違和感がありまして左右のバランスが正しくないかもしれません。R2Rの誤差の可能性があります。中央の音が僅かに曖昧です。左右の分離自体は良いのですが必要以上に広がっている可能性があるということです。この中ではBartokが一番違和感がなく広い定位、DAVEは明らかに狭いです。

番外:Antelope Amariはどうなのか?

先日このようなレビューをTwitterで書きました。ちなみにですが個人的にはこの中に入れても勝負できる製品かなと思います。特にAmariの奥行きの描写力は高性能です。あとはDACとしての駆動力、高域解像度は普通なのでそこを気にしなければというところです。ヘッドフォンアンプとしての駆動力はDAVEよりはありますからなかなか侮れません。

療養の進捗と今後の展望について (小紺ココ)

ごあいさつ

同志各位、こんにちは!
お久しぶりです、ココです °˖✧◝(*´△`*)◜✧˖°
さむーい日が続いていますが、みんな元気に過ごせてますか?

生きてたら大小様々な辛いことや苦しいことがあるから、もちろん「いつでも最ッ高に幸せ!」っていうことはないと思います。でもそんな中でも”毎日の小さな幸せ”を発見して、ほっこりまったりする瞬間がみんなに訪れてたらいいなぁ!

長いこと何のアクションもなく、ご無沙汰してしまってごめんなさい。
今日はみんなにご報告があってこの記事を起こしました。久しぶりだから緊張しちゃう!
勝手をして急に姿を消したので、ボクを忘れたみんなや、見限って離れたみんながいても当然だと思っています。それでもきちんとご報告をさせてください。それが、助けてくれた関係者各位や応援してくれたみんなへの、ボクなりの誠意と感謝の現れにもなると信じています。

長期療養の経緯

ボクは大いなるかかりつけ先生からストップを受けて療養に入っていました。実を言うと去年や一昨年の時点で既に、音楽活動は体調の悪い中で騙し騙し続けている状態でした。CD制作をしては寝込み、イベントに参加しては寝込み…。ひどい期間は半分寝たきりみたいな状況になったり、ひとりで日常生活を送るのも難しい状況になったりしていました。あまりにギリギリの状態までダダをこねて粘ってしまったから、身体が本当に限界を迎えてしまったのです。その結果、同志各位や関係者各位にごあいさつも出来ないままに、突然全ての活動をストップすることになってしまいました。大好きなクリエイターさんと制作できるのが、同志のみんなが応援してくれるのが嬉しくて嬉しくて、頑張りたくて頑張りたくて、自分の限界を見誤ってしまったのです。

当時のボクは、周りに心配や迷惑をかけたくなくて、傍目には元気に見えるように振舞っていました。「元気づけるなら、エールを送る側はもっと元気で明るくなくちゃいけない」「少なくともエネルギーに溢れているように見えなくちゃいけない」そんなマイルールで勝手に自分を縛って、活動を続けていました。

だって、ボクが活動するのはみんなに元気やほっこりした気分をお届けしたかったからなんです。みんな毎日辛いことがある中お仕事したりお勉強したり、必死で頑張って生きてる。どんなに辛くても月曜日は変わらずやって来る。だから、ほんのちょっとでもいいから、明日また頑張ろうって思えるエネルギーをお届けしたい。ボクは頑張って生きてるみんなが愛しくて、少しでいいからこんなボクでも力になりたくて、届く人だけでもいいからみんなにエールを叫びたかったんです。

でも、こうやって前触れもなく姿を消すことになったのは、どんな理由があろうと結果的に、協力してくれたクリエイター各位や応援してくれたみんなへの裏切りになったと感じています。特にユニットを組んで一緒に歩いてくれていたななひらちゃんには本当に、義理を失したことをしてしまいました。何のご報告もなく全てを急に止めてしまってごめんなさい。こんなに大好きなのに、どうして恩を大事にけじめをつけて療養できなかったのかと、後悔と反省でいっぱいです。

同時に、この記事を読んでくれているみんな一人ひとりに感謝の気持ちでいっぱいです。小紺ココを思い出してくれて、覚えていてくれて、気にかけてくれて、好きって思ってくれて…どれでもすごく嬉しいです。本当に本当にありがとうございます。ボクもいっぱいいっぱい大好きです。

療養の進捗について

ちょっと自分語りが長くなっちゃいました。恥ずかしい!
でもちゃんと読んでくれてありがとうございます。すき!

ボクが療養を開始したのは、去年の秋頃時点でお受けしていたご依頼を終えてからでした。具体的には、イベント出演ではななひらちゃん (Confetto) の「Confesta!」が最後、歌唱と作詞では塚越雄一郎さん (NanosizeMir) の「オール電波」が最後です。Twitterなど公に発言しなくなったのは Confesta! が終わった後なので、みんなから見たら療養期間は1年くらいかなと思います。

療養中の禁止事項は以下の内容でした。

  • お歌を歌わない (身体に負担がかかりすぎるから)
  • ななひらちゃんと連絡取らない (興奮しすぎて体調によくないし、活動したくなるから)
  • Twitterは全面禁止 (ななひらちゃん以下略、同志との触れ合いも興奮しすぎるから)

厳しい!!ですが頑張って療養したおかげか、日常生活は調整しながらならなんとか問題ないレベルまで回復しました。いえごめんなさい、嘘をつきました。今でも”普通”レベルで生活するのは無理です。そもそも知らなかったんですけど、ボクの”普通”とみんなの”普通”って違うんですね。みんな毎日頭痛だし、お風呂に入ったら息切れするもんだと思ってました。恥ずかしい!今は介護レベルでいうと軽い要支援1くらいかな。ひとりでお出かけは難しいです。はやく人間さまレベルになりたい!

それでもボクとしては目覚ましいほどの進歩を感じています。なんかちょっと元気になった気がする!体重も1キロ増えたし!早速大いなるかかりつけ先生にご指導頂いて「活動の再開は可能なのか、出来るとしたらどの範囲まで?」をご相談してきました。

チェックのためにまずは歌ってみなくちゃいけませんよね、わくわく。やっぱり今の身体でどんな感じなのか調べないといけませんしね、わくわく。ということでワンコーラスだけ、レコーディングはせずに歌ってみたんです。

その結果、微妙に寝込みました…。いや、前よりは確実にいいんですよ!2週間とか1ヶ月とか寝込まなかったし!でも数日は持っていかれました。かかりつけ先生も苦笑いです。人間さまレベルが遠い!

今後の小紺ココについて

大いなるかかりつけ先生によると、ボクの体調は今後回復するとしてもかなり緩やかなカーブを描くことになり、療養以前のような活動の再開は残念ながら難しいということでした。しれっと生涯まで人間さまレベルに到達できない宣告をされました。そんな!悲しい!

でも、部分的になら、かなり大幅に縮小した範囲なら、体調によって調節することで可能ではないかということになりました。

そこで先生にご指導頂いた新しい禁止事項が決定しました。

  • 納期のある活動はしない (体調に合わせて加減できないから)
  • ひとつひとつの活動は小さいもの、間隔を調節できるものにする (やり遂げられないことは始めない)
  • 気持ちだけで突っ走らない!

何か最後の項目にとても強い思いを感じます。ああ、ボクの前科が心に痛い!大きな失敗は完全にボクの自業自得です。それでもずっとボクの身体をきちんとみて、やりたいことを無理やり諦めさせることもなく、バランスして下さっている先生には感謝と尊敬しかありません。

今後は、身体に無理のない範囲で、不定期に小さな活動をしていきます。まだ記事を書く余裕が出来たくらいの段階なので、すぐには難しい状況です。ですが、リハビリを重ねて本当に少しずつ、何かを創っていけたらいいなと思っています。

最後に

ここまでお付き合い下さって本当にありがとうございました。長くなっちゃってごめんね。最後まで読んでくれて本当に本当にありがとうございます。

ボクの願いはずっとずっと変わりません。頑張るみんなが大好きです。頑張るみんなにエールをお届けしたいです。ほとんど活動らしい活動ができなくなったって、身体が思うように動かなくたって、声が出る限り、みんなに愛を叫びたいのです。いつまでに、とはお約束できません。何をお届けする、ともお約束できません。それでも、いつか小さなコンテンツをお届けできた時には、気が向いた時に聴いてくれると嬉しいです。

ボクのエールが、ほんの少しでもキミを抱きしめられますように。

801takaさんのおもてなしオーディオ

基本理念

ワイドレンジ、ハイスピードが基本、情報量の多さ→多彩な表現力→ソースの中の音楽性が出る

こちらが801takaさんの基本理念になります。これを念頭に置いて、以下をお読み頂ければと思います。

システムの音の印象について

まずは音です。一言で言うならハイクオリティで多くの要素において隙がなく、音楽的ということです。音楽がすっと入ってくる音で、気づいたらいつの間にか音楽を聞いているのです。抜きん出たシステムでよくある現象なのですが、リファレンス音源で音質チェックをさせて頂いていたはずなのに、ハッと我に返るとただ音楽を楽しんでいました。音質の細かい部分をチェックするより前に、圧倒的表現力で音楽を聞かされるのです。

基本的な基礎クオリティを隙なく積み上げて、その上で音楽的チューニングをしたようで、その順番を取り違えていないと思います。私自身も音作りや音楽性は基礎クオリティを限界まで引き上げてからが望ましいと感じていますのでその点では目標となる鳴らし方です。

もちろん注意して聞くと音質面では他の超越したハイエンダーと比較して劣る部分もあります。そういった凄いシステムを聞いたときの第一印象も同じ様に、気づいたら音を聞かされています。しかしそれらの超越システムでは「〇〇の音が凄い」という感想が出るのに比較すると、ここはちょっと違います。行き過ぎた部分が目立っておらず自然に音楽を聞いているのです。

まるで気づかないうちに高度なおもてなしをされて自然とくつろいでしまうようなそんな体験です。もちろん優しい曲だけじゃなくて激しい曲であれば相応に感じるので、この例えは一例であって適当ではないかもしれません。とにかく言いたいことは、音質の精度ではなくて音楽性に集中できるシステムであるということです。

これはなかなか体験したことのない感覚です。高度なバランスがなせる技?と思いましたが、かなり長時間聞いていてもなかなか深く真相にたどり着くことが出来ませんでした。

音質面の特徴

まずNautilusシリーズでセッティングはしっかり決まっていますので定位はかなり良いです。ほかと一番違う特徴はハイレベルな帯域が低域にあることです。ありがちなパターンとしては細部を丁寧に神経質に仕上げていった結果の印象として、低音より高音が目立つ、悪く言えばハイ上がり気味になることが多いのですが、ここが逆です。最も低音の存在感が目立っており、中、高より低音のほうが特筆して質が良い、または存在感や実体感がある、と感じます。

かつての評判としてNautilus 801の低音はかなり鳴らすのが難しいと言われているので、これは非常に高度な仕上がりだと思います。

感じたのは大抵の人が陥るオーディオの罠にハマっていないシステムだということです。それはどういうことかというと、全体の俯瞰を維持した上で顕微鏡を見るように細部の改善に取り組んでいくやり方です。木を見て森を見ずというように、大きな欠点を孕んだまま微細な改善のみに目を奪われてしまうことは、結局システムのバランスが永遠に改善しないことと同じです。オーディオではそのような効率の悪い対策でもしっかり音が良くなってしまうところが落とし穴なのです。

自分はオーディオの最終結果は正方形の面積に例えています。辺の長さを投資(お金だけでなく労力も含め)、面積を音質だとすると、同じ投資なら辺の長さが等しい正方形が最も面積が大きくなります。短辺をそのまま短いままに長辺のみ伸ばしていくことは投資効率が悪いのです。実際のオーディオではこれが超多次元に軸があります。まだ見ぬ軸を探しそこを先に改善する方が効率が良いのですが、そのようなまだ見ぬ弱点を見つけ効率的に対策することは難しく、すでに見えている軸を伸ばす対策に目を奪われることが多いかと思います。自分のシステムが絶対だと考えているような自信過剰では見えない軸がある事が多いでしょう。

しかし、801takaさんのシステムは短辺が殆ど残されていないようです。もしかしたら最初から短辺の改善を本能的に意識しており、さらに仕上げとして微細領域まで対策されているシステムではないかと感じました。

音楽性の幅、浸透力が高い

音質というより音楽のバランスが非常によく、ジャンルごとにシステムやケーブルを切り替えています。通常システムでも対応力が高いですが特化したシステムのほうがやはり説得力は高かったです。初めて聞いた曲であっても、その音楽に素直に感動できる、聞いたことがある曲であってもその音楽の良いところを再発見しやすい、こういう特徴がありました。

これは音楽への高度な理解とシステムの最適化によるものです。そしてその感性に個人的に違和感は感じず、音楽性と音質のマッチングはとれていると感じられました。

具体的には、激しい曲はダイナミックに、エネルギーを感じるように、美しい曲はより華やかに、哀愁を感じる曲は暗くしっとりと、このように多様な音楽に適応する柔軟性がシステムにありました。文章だと味気なくしか書くことができませんが、音楽で感動したことがある方ならどういう意味か理解していただけるものと思っています。

正直自分があれこれ評価できるレベルではないかもしれません。普段なら音質的には欠点だと感じる音質的特徴も、音楽とともに説得力を持って鳴らされていたのがとても印象的です。高度に音楽と音質を理解していなければこれは出来ません。

当日鳴らされていたCDをよく見ると、システム構成と音量の指定がすべてにメモされていたのが印象的です。これを鳴らすときはこの音量でこの構成、というところまで普段から追求しているという証拠です。

どのようにして現在のシステムを作ったのか

普通の人にとっては未知の欠点を見つけることは大抵難しいものですが、どうやって欠点を解消しここにたどり着いたのかはとても興味があるところです。これは皆さん興味があるかもしれません。とても興味があったので聞いてみました。最初は国産の低価格からスタートだそうです。しかしそこからが違います!

なんと音を試聴してあまり迷ったことはないそうです。比較的最初から必要な要素を理解しており、あれこれ取っ替え引っ替えや迷ったりしていないそうです!天才的ですね。最初から音楽性や音質をよく理解しており無駄のない投資を繰り返してきたということのようです。

これでは普通の人はどのように参考にしたら良いのかわかりませんが、私個人の経験からするとまずはとても良い音を聞いてそれを覚えて真似から入って最後は自分の音を探していくことでしょうか。最初はとにかくハイレベルな再生音を知ることが最初な気がします。良い音を知らなければどこに向かったら良いのかわかりません。良い音を知らずに好みという迷宮に入るといつまでも答えが見つからないということはあると思います。

ウーファー駆動とハイエンド評

ここは詳しく書いてよいのか迷いましたのでとても簡単にだけ書いておきます。最初はNautilus 801をいまだに使う理由です。重く鳴らしにくいウーファーに拘る理由はサイズと重量にありました。そして1chに1つのユニットということ。音がにじまないからです。2つ以上のユニットがあると個体差や動作ズレなどがありますので100%同じ動作にはなりません。しかし1つであればそれはありません。そしてサイズと重量からでしか得られない音、この2つを同時に追求した結果ということのようです。

もう一つはパワーアンプの電流供給を強く意識しているということです。これにより重いウーファーを強力に制御します。確かにこの理念に違和感はありません。重いウーファーから逃げることなく確信的にそれを追求した結果がこの存在感の高い低音ということかもしれません。

ハイエンド評についてはあまり詳しくは書けませんが、上記のような流れから、このシステムは現代的なハイエンド志向とはちょっと違うということだけ書いておきます。しかし出ている音楽は本物でした。ここからわかることは、オーディオの答えは最新のものが最高ではないという可能性です。少し前にPCM-501ESの記事もありましたし、謎男さんの家でも感じました。現代ハイエンドは全てにおいて最高、ということではないかもしれません。少なからず得たものと失ったものがあるように思いました。

ご挨拶

空気録音で圧倒的な浸透力を感じ、ぜひ実際の音を聞いてみたいと思っていました。突然の申し出にも関わらず快く受け入れてくれた801takaさん、素晴らしい音をありがとうございました。

最後に大事なうどん!

四国なのでこれは外せませんね。とても美味しかったです。食レポは得意じゃないので写真だけアップしておきます。

あと四国の噂が本当か確認しました

  • 朝うどんは一般的なのか?  → NO
  • 風呂うどんは一般的なのか?  → NO

意外と普通でした。

本物のギターアンプで打ち込みギターを生録音!

発端はこのツイートです。

オーディオオフで盛り上がって、そのままの勢いでギターアンプをもってきてくださいました!大変感謝です。自分的にも打ち込みギターで音色が気に入らない曲を、実際のギターアンプで取り直してどうなるのか、とても期待が高まってきました。

実際に持ち込んでもらったのがこれです。アンプ以外にもフォンケーブルや小さいエフェクター類ももってきてもらいました。

つないでちゃんとした音が出るまでは電源のルーティングや設定でちょっと手間取りましたが、盛大なハムは電源を3Pのアース付きにすることで解決、ゲインの問題はオーディオIFのギターアウトを使うことで解決できました。

こんな感じでセッティングしました。この日は基本的なセッティングと音作り、レコーディングのテストをして、超ラフミックスで良い音が出ることを確認して終わりました。

その後いろいろ調整を掛けて仕上げたのがこちらです。プラグインのディストーションは潰れて埋もれる音でしたが、空気録音による生アンプのギターの音色はだいぶ音色だけで聞かせられる感じになりましたね。

Rose in Nightmare

収録作品:Collapse of Vampire (廃版)

作曲:yohine アレンジ:yohine

作詞:いずみあや ボーカル:真野紫(元:いずみあや)

そのあと上記のようにメッセージで送りました。その後のやり取りは以下のとおりです。

具体的な改善意見がもらえるとのことで、実際にやってみようという流れになりました。

そのあとで来たのはこんな内容、ADCのFPGA開発が落ち着いたタイミングで、上記の意見をもとにフレーズ追加してみました。それが以下のものです。ついでに遊びのフレーズも足して、Vo食うギリギリなところに調整しました。

以上のように、感想もいただきました。もちろん遠慮込みの内容と思いますが、お仕事じゃなくて遊びなのでこれでいいですね。こういうお気楽な作業はとても良いです。とっても久しぶりにギターの打ち込みをやりました。長いことやっていませんが、作業を始めると普通に以前と同じようにできますね。こういうのが本当に身についているものだと思います。もちろん生ギターは弾けませんが。

ギターを取り直した、その他の曲

当然ながら全部打ち込みギターです。他にも取り直そうと思っている曲があるのですが、LTC2380-24とAK4499に取り掛かっているのでなかなか思うように進められていません。今やり直したいと思っている曲は、Eternity Vow、叙聖のクオリア、GrilledBird、ですね。古いバージョンは全部ここからダウンロードできます。

Significant point ~加速する崩壊

収録作品:背徳姉妹~紅に染まる片翼、Innocent Key The Best 2

原曲:U.N.オーエンは彼女なのか?

アレンジ:yohine

イントロの音色はオリジナルと同じエフェクターがなくて適当再現になっています。

求聞持の能力

収録作品:東方萃翠酒酔、Innocent Key The Best 3

原曲:夜の鳩山を飛ぶ-Power Mix

アレンジ:yohine 作詞:ひくら、夕野ヨシミ ボーカル:あさな

ベースライン、ドラム、最後の繰り返しのギターは細かいところですがダレないように修正してあります。特にミックスバランスはイオシス収録の旧版より劇的に改善していると思います。

アンプと一緒にギターも借りました!

ありがとうございます!でも

弾けません!!!!

一応一人暮らし時代の音楽制作環境の時代にギターもってました。大学生の頃に買ったんですよねこれ。でも自分がもっていても弾けないしギターがかわいそうなので、ギター引きたいけどギターもってない、という人にただであげてしまいました。その頃の写真が出てきたので貼っておきます。画面が液晶じゃないのが時代を感じさせますね。SPはDynaudio Audience 42でアンプがICE-powerの500Wです。トラペのクリーン電源使ってました。

おまけ

lookkg486さんのオーディオオフの感想は以下

高級スピーカユニットに囲まれて…takeさん宅訪問

先月になりますがまささんの紹介で表題のtakeさん宅に訪問しました。膨大なユニットがあることからわかるようにかなり自作SPの経験豊富な方です。すべてのお話を伺ったわけではありませんが、お話をした限り有名なハイエンド系ユニットの大半を実際に試してこられているように見受けられました。

その中でも特筆はなんといってもメインシステムで使われているのがAccuton最高峰のダイヤモンドユニット、これで中高音を統一していることでしょう。このダイヤモンドツイータだけでも数十万ですが、その中でも5cmの下記ユニットは300万円だそうです。ユニットだけでこの価格となると搭載SPが市販されたらいったいいくらになるのかあまり考えたくないですね。takeさん自身は円高のときに買われたそうですがそれでもかなり高かったのでしょう。

https://accuton.com/en-home/produkte/lautsprecher/diamant/Diamant-Technologie

と、価格についてまず書きましたが、じゃあダイヤモンドの何がそんなに良いの?というお話になるかと思いますが、ダイヤモンドの優位性は軽さと強度、そして素直な固有の音にあるのではないかと思います。スピーカユニットの材質は薄く軽くしたほうが動作は有利です。ですが強度がないと変形したり(これが音質劣化の元)壊れたりしてしまいますのでそこは材質の特性に強く依存します。ダイヤモンドは非常に硬く軽いのでそれがスピーカに求められる特性にあっているということになりそうです。

従来からAccutonはセラミックのユニットで有名ですが、このセラミックも軽くて硬い材質なので基本的な発想は同じで、それを更に推し進めたのがダイヤモンドということになります。

diamond_measurement_prog.jpg

実際にダイヤモンドの特性を見てみるとブレークアップ周波数のピークは相当上の帯域に来ています。一般にハードドームツイータでは強い共振特性をどこかに持つことが普通ですが、ダイヤモンドはその中でも非常に高い周波数にまでピークの帯域を追いやることが出来ています。70kはダイヤモンドでないとなかなか実現できない領域でしょう。セラミックやベリリウムでも30-50k位までのものが多いです。

いずれにせよ音声帯域外になりますが、アンプで実験してもわかりますが意外と100k以内のピークは音声帯域内の過渡応答にも若干影響を与えているように思います。人間の耳はサイン波に分解して聞いているわけじゃないのでFFTの理論がそのまま当てはまるわけではないようで、過渡応答の違いを意外と敏感に察知していると思います。要するにこの帯域のピークは音の違いとして聞こえる可能性があるということです。

まとめますとセラミックでも20kHzより余裕のある帯域にピーク周波数がありますが、ダイヤモンドはさらに音声帯域から遠い=音声帯域内の音がより素直になるという解釈をしています(音を聞く限りでもそうです)。

もう一つ上の図からわかるのは歪率がとても低いことも特徴ですが、これはAccutonではセラミックでも優秀な特性だったのでダイヤモンドだけの特性ではありません。

極めてなめらかな高域、伸びる低域

p1040319

前置きが長くなりましたが、実際の音について書きたいと思います。4wayのメインシステムです。上の帯域の2wayがダイヤモンド、mid-Lowは平面型ユニット(詳細忘れてしまいました)、LowはAudioTechnologyの大口径ユニットです。チャンデバはAD/DA一体型の業務機でFIRではなくIIRで組んでいるというお話だったように思います(違っていたら訂正します)。

この日はクラシックがメインだったのですが、私のテストソースといってもいろいろな曲で構成されたものを一通り掛けさせてもらいました。

ここのシステムで特筆すべきは中高域の質感ですね。磨き上げたような美しい高域です。決して美音系の作られた美しさではありません。つるつるに磨いた鏡面をイメージさせるようなかさつきやざらつきとは無縁の透明感あふれる中高域です。これはかつて聞いたことがない領域の音です!非常に早く自然でなめらかな音質で自分の趣向にもとてもあっています。個人的には作られた美音よりは中高音の質感にはこういう方向性を求めたいところです。

それ以外の音の特徴としては、部屋が左右に広く天井が高いので非常に空間に余裕のある音が出ています。左右と奥行きがとても広い音場空間であると言えるでしょう。定位もなかなか良かったのですがそれよりも絶対的な音空間の広さのほうが印象的でした。また低域にAudioTechnologyの大口径ユニットを使っているので低音の伸びも十分です。ホールの雰囲気をしっかり描ける帯域の余裕があります。とはいえ流石に中高音の速度には追従出来ず低音はむしろゆったりした感じです。

オーケストラを中心にチューニングをされているので相性の良いジャンルは本当に最高です。ホールのような音空間の広さ、中高域の圧倒的な質感と情報量の両立、周波数レンジがもたらすスケール感、これは凄い完成度だと思いました。

ただ万能システムではなく、これはあとから恐る恐るお尋ねしたのですが低音が遅いのは意図的ということでした。オーケストラの再現を目指されているというお話で、低音は早いより遅めなほうが生のソレらしさ(低音の質感など)が出るということで、あえてそのように設定しているというお話でした。

なのでここでリズム主体のEDMみたいな曲をかけるとバスドラがワンテンポ遅れて聞こえますが、明らかにそういう高速なリズム主体の曲をかけることは目的としていないシステムです。

takeさんは主にクラシックを愛好されているようで、当日も室内に入りますとバロックの曲がかかっていました。この日は同じくクラシック好きのまささんも同行ですのでほとんどクラシックばかり掛けていました。過去の貴重な録画映像を見ながら名演を聞かせていただいたりと、私自身もクラシック愛好家とは呼べないまでもクラシック楽曲はそれなりに好んで聞いていますので、非常にクオリティの高い音と楽曲に囲まれて、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。

超ハイコストパフォーマンスな小型スピーカ

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次に聞かせていただいたのはこれです。見た目は自作感のあるSPで高価なものには見えないというか、実際にユニットはかなり低価格(数千円、ネットワーク、エンクロージャ込みでも10万円以内)だそうですが、これは音を聞いてびっくりしました。

目をつぶったらこのSPから出てるとはとても信じられないような広大な空間描写力と描写力。音の立ち上がりの速度が早く粒が揃っています。バランスがとても良くどんな音楽でも良くなりそうです。

とはいえ低音の伸びは流石にこのサイズなので物理的な限界がありますが、低音の伸び以外はかなりの高性能、見た目を良くしたら結構いい値段で売れてしまう(数十万円は余裕?)レベルと思います。木製の箱型ですが木箱っぽい音はしませんでした。ネットワーク周りも見せてもらったのですがとても謎のテクノロジーです。

このSPは聞いた方が欲しがるそうですが手間がかかるし商売するつもりはないのでそういう対応はしていないそうです。上のユニットはVifaと聞きましたが下のユニットはちょっと忘れてしまいました。

豊富な自作経験から無駄のない取捨選択をすると、お金や物量を掛けなくてもこういうものが出来上がるという良い事例かもしれません。

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この日に印象的だったこと、その他

部屋の温度

冬場にもかかわらず、かなり暖かい部屋でした。暖房はしていないと聞いて驚きました。かなりしっかりした断熱材が入っているそうで、冬も夏も温度変化の少ない快適な部屋のようです。

クラシック音楽

あまり指揮者まで掘り下げて聞く方ではないのですが、この日良いなと思ったのはベルリン・フィルの指揮者、確かクラウディオ・アバドだったと思います。この演奏です。非常に静と動のコントラストのはっきりした、キレと表現力のある演奏が印象的でした。詳細聞いたのですが名前を覚えるのが苦手で忘れてしまったのが残念です。また今度確認してみます。

ケーブルの音質対策

オーディオ的にはこれが一番インパクトがあると思うのですが、個人的なノウハウということなので詳しくは書けません。

大雑把に書きますとケーブルに直接行う音質対策です。この部屋のすべての機器、すべての電源と信号線に対策を施しているとのことで、実際に付けたり外したりすると音の質感が大きく変わります。高域が落ち着いたしっとりした質感に変化します。しかもレンジ感はあまり犠牲になっていないので副作用が少ないようです。

確かにこれがあると無いとではかなり音の差があります。しかも機器に繋がっているすべての配線に対策をすると相当違うそうで、たしかに目的や理屈とかを聞くと、おそらくそのとおりだと思いますし、とても理にかなった対策です。

この対策による音質差、品位差がかなりあるため、実際に「この部屋にハイエンドケーブルなどを持ち込んでも大した音の差が出ない」という、とんでもないお話もありました。私は実際に聴き比べをしたわけではないのですが実際に試した方がいるそうです。持ち込んだ本人も思ったほど違いが出ないことに驚いていたとか。すごいですね。

しかもここで使っているケーブルはどれも元々使っている線自体は高額なものはなく、独自の対策によって高級ケーブルを無用なものにしているということでした。

その他の写真

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書いていると終わりがなくなってしまいそうなので、大事な点のみまとめました。この度は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました!

中国、上海のオーディオクラブ訪問と思ったこと

12月上旬に中国の上海に行ってきました。今回は付き合いの長いオーディオ関係の友人と会うのが目的です。現地のオーディオ関係の方が集う場所にも行けましたのでこちらにまとめておきたいと思います。

道中で思ったこと

まず行きの飛行機で思ったことなのですが、中国人と思われる方がたくさんいたのですが、皆さんよく喋るし自由です。

離陸のときに色々注意事項の説明がありますが、周りがうるさくて全く聞こえなかったです。あと反対側の席の人が3シート一人だったのですけどずっと横になって寝てました。そしてその方は着陸のときにシートベルトつけるように注意されてましたが一度起きてつけたのは一瞬で、すぐ横になって寝てました。添乗員も一度しか注意せずあとは放置です。降りてベルト外すサインが出たときもベルト外す音がしなかったのでみんな付けてないようです。

適当でゆるい空気はすでに飛行機内にもありました。良くも悪くも他人に興味がないというか自由です。ちなみに自分はこういうのをけしからんという姿勢では見ておらず、そういう感じなのだと思うだけです。自分自身も元々自由なタイプなので窮屈なルールや厳密な空気よりこういうゆるい感じのほうが気分的には楽です。

なんとなくなんですが平地の続く大陸なので日本みたいに細かいことに神経質なタイプは殺し合って滅びたのかなとか思いました。わかりませんが。それくらいみんな適当でゆるいです。見方を変えれば日本が異常に見えてくる位です。このあたりは土地柄でしょうね。日本だと逆に細かいことしっかりしないと駄目だったのかなというところです。

また現地は英語がほとんど通じないので合流するまではちょっと苦労しました。いや英語もヤバイのですけど中国語より絶望感ないですね。当日は空港から町中までは自力でたどり着かなければなりませんでした。目的地を印刷した紙をタクシー運転手に見せれば大丈夫と言われていましたので、何もわからない現地でタクシー乗って紙を見せます。

ちなみにタクシー内は禁煙マークが付いてるのですがすごいタバコ臭い!窓開けても空気が悪いレベルです。そして運転手は運転中スマホで奥さんとビデオチャットしてたりラジオを聞いてます。さすが中国自由です。運転は凄い荒くて渋滞に入るとイライラしてて無理な割り込みとか追い越し(日本ではありえないレベル)もするし、このあたりは中国に来てる感ありました。

ちなみにラジオでは現地の歌が流れてましたが泣くように歌う曲があって面白かったです。歌というより途中からはほとんど泣いてて歌としては崩壊してるのですが溢れる情感は伝わってくる感じの曲でした。日本ではあまり聞かないタイプの歌いかたですね。

その後タクシー内でWeChatを運転手に渡して会話してもらったりしてなんとか友人と合流できましたが、無事に合流するまではちょっとドキドキする時間でした。

上海オーディオクラブ

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紹介で現地のオーディオクラブに行くことが出来ました。ここでも空気は非常にゆるいです。オーディオがかかってるのですがみんなお茶を飲んで自由に談笑しています。子供連れ、奥さん連れ、色々です。各々寛いでゆったりした時間を過ごしています。

システムは見ての通り最新のものではありません。入った瞬間に感じた音質は時代を感じさせるものなのですが、しばらく音を聞いていると段々なれてきます。そうすると非常に雄大で力強く、ゆとりや余裕があり、温度感と柔らかさと厚みと存在感を重視した音楽性なことがわかります。これは良い音です、そしてしっかりとした明確な方向性を突き詰めた音です!音楽的に明確なポリシーを感じます。

システムを見ると古いわからない機材が多いのですが、こだわっていることは伝わってきます。例えばこのレコードプレイヤーはお気に入りらしく予備で3台所持しているとのこと。いろいろ買い替えてきてここに行き着いたそうです。またHifi堂の常連さんで年間ランクトップ取ったと言っていました。ここのオーナーさんとは別の方もHifi堂を使っているそうで中国ではHifi堂が人気があるようです。相当な勢いで音源や機材を買っているようです。

決して現代的な分解能とか細かい情報とか性能を重視した音ではありません。神経質さは最大限に排除した余裕とゆとりのある音です。包み込まれるような音です。まったりこってり系ですね。ここのオーナーさんも非常に柔らかく包み込むような優しさを感じる方です。出ている音を聞いてオーナーさんを見るととても納得が出来ます。

この出音はまるで富裕層の生活そのものではないでしょうか?この部屋も上海の中心地にありながら町中の喧騒とは別世界のような隔離された場所です。広い庭園があり日本の盆栽が並んでいて、室内の随所にインテリアのこだわりも見せています。そしてオーディオがあり、休日にオーディオ仲間が集って自由かつゆったりした時間を共有する。そしてここに集まる皆さんも同様にあたりが柔らかく他人への配慮がある、良い人たちだなと思いました。聞いた話ですが中国では他人へ配慮できる人はすごく少ないそうです。そういう意味でもレベル、階層の高い方々なのだと思います。中国語が全然わからないのが残念でした。

ちなみにここでかけてもらったのはマーラーの2番、指揮は小澤征爾。小澤征爾というセレクションがこのシステムによく合っています。個人的な印象では小澤征爾は雄大さとややテンポが後ろノリというのか貯めが長めでスケールの大きさを感じる演奏をする方です。このシステムで彼の演奏を聞くとなるほどと思う瞬間が多くて納得でした。

とても心地よくリラックスできる感じで、そこそこ時間いたのですが、体感的にはそんなに長く感じませんでした。

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某有名ブランド製品の偽物

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どこの何とは書きませんが、これも音を聞かせてもらいました。中国製です。これは上記オーディオクラブにあったものではありません。勘違いのないようにお願いします。彼らの名誉のためにそれは否定します。彼らなら本物を買うでしょう。

こういものは一律でけしからんと思う方が多いと思うので深くは触れませんが、こういうものが実際に存在するのは事実です。そして中身と音質もチェックさせてもらってきました。音は本物と同じではありません。中身は改造が施されておりオリジナルとは意図的に違う部分があります。とりあえず本家のほうが「味が濃い」とだけ言っておきます。

重要なのは彼らは手段を選ばず解析によって技術を身に着けているということです。一部の中国ブランドでかつてコピーをやっていたメーカーがあります。有名ブランドのノウハウを彼らは貪欲に学んでいるということです。技術的な解析と探求とマナーの重要性をどう考えるかというところです。個人的にはこういうものを金儲けで売ることはどうかと思いますが、解析し身につけることは重要だというスタンスです。もちろん異論はあると思いますがあくまで私の意見です。

他人を納得させるようなセンスは簡単には身につきませんが、最低限の技術がなければビジョンは実現できません。どちらも大事ですが技術は疎かにしないほうが最終的に良い表現ができる確率は上がるでしょう。

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中国インターネットと巨大企業による効率化

現地で感心したのは効率化と分業化です。どのようなお店でも一つにアプリで出前ができるし、タクシーも同じように都心ならいつでもどこでも呼べるしキャンセルも自由です。出前をしているのはお店の人じゃなくて請負人だそうです。

このあたりは自分が書くより、詳しいBlogがあるのでこちらを参考にしてください。

http://takiyori-china.hatenadiary.com/entry/2018/01/31/193449

そして支払いはすべてスマホのみ。顔認証がついているのでセキュリティはそれなりに硬そうです。食べ物屋もスマホ決済のみでした。現金がないのでひったくりや空き巣、盗難も減ったそうです。今だと随所にある監視カメラの影響も大きそうです。

重要なのがこの効率化を単一の巨大企業が請け負っているというところ。日本だと出前というと各社自前で賄っています。人員もシステムも。だから統一された一つのシステムですべてを賄う中国とは全然違います。

電子決済もpaypayとか出てきましたがこれから各社の囲い込み競争になりそうです。既存のnanacoとかsuicaとかバラバラですよね。これが中国だとほぼ独占企業(テンセント、アリババ)が賄っているイメージです。このあたりは共産主義の良いところなのかもしれません。決して日本もこうなるべきという意味ではありませんが使う方は便利ですね。

あと滞在はホテルじゃなくて友人宅だったのですが、ハウスキーピングは物件のサービスだそうです。掃除とか洗濯とかベットメイクは全部家賃に入っているそうです。ゴミの分別もないで勝手にやってくれるそう。

日本では自分のことは何でもできるのが一人前という認識がありますが中国ではこういうところは分業化なんですね。

よく考えれば時給1万円の人がいたとしてその人が何時間もかけて家事をする位なら、もっと安く外注したほうが良いとなりますね。その分の時間は仕事や休息などもっと有意義な時間に使うほうが効率的という考え方はあると思います。

人生には時間に限りがありますし、すべてのスキルをマスターできるわけでもありません。苦手なことは素直に頼んで向いていることに集中する。合理的ではあります。

中国料理の写真

現地で撮影したものです。

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日本のかつての強みと衰退した理由?

これは帰りの飛行機でふと思ったことです。そしてここからは半分ファンタジーというか自分の狭い知識からのお話なので話半分で読んでください

専門じゃないしこれについて掘り下げることに時間を使う気がないので、これについて長文でコメントとかは勘弁してください。大事な話じゃないので料理の写真の下に配置しました。料理の写真のほうが大事ということです。あくまでちょっとした合間に考えたお話です。普段こういうことあまり書きませんがたまにはこういうことも書いてみたいと思います。

日本の強みは何かと考えたときに頼まれたら一人でなんでもやる、組織の一員として理不尽だったり無理な要求でも頑張ってなんとかする、みたいな部分があると思うのですが、そういうやり方はインターネット前の日本が強かった理由と関係しているのかなと思いました。

例えば分業化って人と人をつないだり連携するためにコストと手間と時間がかかります。だから日本みたいな白紙の新入社員を入れて年功序列で縛り会社に絶対忠誠として会社の都合で一人を使い倒すシステムは、人員を分業化でその都度専門家を集める手法よりネット以前は効率が良かったのかもしれません。個人の努力が分業化を結びつける様々なコストを上回っていたということです。

しかしインターネットを境にこれが変わった、人と人をつなぎ、仕事をシステムで瞬間的に効率的に管理できる手法が広がっていきました。特に中国の現状なんかはまさにこれが極端に進んだ姿に見えました。スマホでリアルタイムで人と人を繋いでそれが仕事になっています。支払いも瞬時で確実です。各人の都合で仕事ができる。ネットやスマホがなければ実現出来なかったことです。

そういうインターネットによる適正と仕事をつなぐ効率化が一人でなんでも頑張る効率を超えたこと、これは一つの要因じゃないかと思いました。個人がいくら身をすり減らして頑張っても、特化した適正を持つ専門家の分業効率に負け始めたのではないかということです。

もちろんこれはただの一面的な部分だけだと思うのでこれが全部なんて言うつもりは全くありません。日本の大きな成長には人口ボーナス期とかインフレ後の円安など世界的なサイクル要因があると思うので、この限りではないはずなんですが、上記のような視点の意見はあまり見たことがなかったので(的はずれなだけかもしれませんが)書いてみました。

上記を踏まえて日本はどうするべきか

これも個人的な意見でしかないし専門家でもありませんから適当に読んでください。

日本が中国みたいに分業化で効率化するのが良いとは思いません。やっぱり民族の基質ってあると思うので、日本の価値観や考え方に沿ったやり方で進めていくのが良いと思っています。中国や欧米にならって同じやり方では勝てないと思うからです。

自分の意見ではこれからはいろいろな意味での規制緩和と棲み分けのバランスが大事な気がしています。

たとえば国内でよくあるのがローカルルール。エスカレータで右空けるなんかもそうですよね。これは極端な例なのですが、国内だとマナーとかルールは誰かが文句を言い出すといつの間にか出来上がっていて、いつの間にかそれを守れないと駄目という空気が醸成されていく。最近日本がとても息が詰まる感じの一つはこれかなって思います。良くも悪くもそういうルールは建前だとしても表向きしっかり守るべきっていう真面目さは美徳ですがそろそろ限度問題かもしれません。

またルールを守ること自体が問題ではなくて、上記の基質がネットと相性悪いと思ってます。ネットでそういうルールが次々と全国的に共有されていくことでルールやマナーみたいなのがどんどん増えていって、あらゆることが段々と面倒になっているような気がします。ネットで全国的に色々な規制が「誰かわからないがこれがけしからんらしい」ということでどんどん共有されていくイメージです。

それは本来限られた範囲(村社会?昭和の会社?)でうまくいく考え方だと思うのですが、ネットによって全国的にあらゆるジャンルで規制が発生し増殖していくと最後は何をやるにも窮屈になりそうです。そもそも規制って生産的じゃないです。もちろんなんでもアリにしろって話じゃないです。

上手く言えないのですが、細かいルールみたいなものは局地的にうまくゾーニングして棲み分け、それぞれが前に進んで行けたら良いのかなと思いました。価値観の違う考え方はうまく距離をとって尊重しあい、無理強いせずそれぞれが個別で前に進む。各分野の特区をつくって相互に異なるルールを細分化して適用するようなイメージです。狭い範囲でルールを守って協調していくのは日本人は得意だと思います。でもやりすぎると横のつながりが薄くなりそうですけど、それこそはネットでつなぐ分業化でカバーなのでしょうか。村社会に戻るだけってのはただの退化です。テクノロジーと日本的価値観でうまく付き合っていくこれが大事なのではということです。あくまで私の意見です。

とにかく長い時間によって培われた基質は変えられないので、基質にあった形で、というのが大事なのだろうと思います。少なくとも今は何かうまく行っていない感覚はあります。まぁふわっとした意見ですし、あくまで個人の妄想ですからここは適当に解釈お願いします。

MYTEK Manhattan 2 レビュー

大変ありがたくお借りしましたので感想をまとめます。内容は購入検討されている方が比較参考になるように意識して書きました。強い部分、弱い部分、音楽的な特徴、性能的な特徴、そして設計面での特徴にも触れます。

音楽的、性能的特徴

男性的で力強い音、左右定位と上下帯域のワイドレンジさ、前に出てくる音、そしてスピードとパワーを重視する描写が特徴です。スピードとパワーに振った分丁寧さにかける部分もありますが、その分勢いを感じさせる出音となっています。繊細な描写を要求するクラシック系は荒くて相性が悪いですけど、低音重視の曲やリズムの強い曲では優位性を感じました。

低域に個性のある帯域があります。ベースのちょっと上くらいの帯域です。このあたりに倍音の厚みのある帯域があって、そこから下は細くなっていきます。絶対的な伸びるローというより少し上が張り出してその下からはパッと聞いた印象ほどは出ていません。

これが個性的な低音感を生み出しています。多分ですけどレギュレータ出力以降に大きめの電解コンデンサを並べているのでその特性の帯域にちょうど上記のような個性が出ているものと思います。美味しい帯域ではありますから意図的だと思います。

駆動力についてはICを使ったDACの中では実力が高いです。大半の現代的なICを使ったDACよりは駆動力があると思います。同じような現代的なICを使っている自分のAK4497とはかなりの駆動力差があった(Manhattan2がより良い)ので驚きました。

でもdCSみたいなディスクリートDAC、古い積分形DACのような余裕を感じさせる程の駆動力はありません。これらが余裕で低音から高音までビシバシ正確に描写する感じだとしたらManhattan2は必死で描写している印象があります。やはりES9038であっても小さいIC一つなので限界があるのだと思いました。

楽器演奏で例えるならスピードの早いたくさんの音符をしっかり演奏できずにややルーズな演奏になってしまっている印象と似ています。早く正確に弾くという意味ではdCSや積分形DACが最も高性能で、Manhattan2はパワーとスピードでやや力押しが目立つ表現です。

例えばですが、爪弾きのような非常に細かい表現の機微を正確に描写することは苦手です。演奏の抑揚や現場の空気感は埋もれがちで明瞭に聞き取りがしにくいです。そのため抑揚がない一辺倒な演奏に聞こえたり、録音現場の雰囲気やまとわりつく余韻などが埋もれがちです。この点でもManhattan2は細かいことは良いんだよ的な勢いと力強さでパワフルに押す音という印象を受けます。

駆動力、特定帯域の厚み、この2つはどちらも低音にとって重要パラメータです。Manhattan2は独特の厚み(ベースの上、ギターの胴なりのあたり)があり、勢いを感じさせる個性があるのでこれらが気に入ったら強いです。

最後に高域ですが、色付けは現代的な標準で薄めであり付帯音も少なめ、Manhattan1と比べるとだいぶ個性は薄くなりました。Manhattan1のほうが筐体デザインと音とのマッチングはしっくりきます。でも2のほうがクオリティは明らかに上です。

高域のトータルバランス=仕上がりは若干色がある程よいバランスだと思います。dCSほど個性的ではありませんが粒子感もあるので空気感にも程よく貢献しています。この粒子感によって余韻が前に出てきますし、色彩感もあります。そのかわり本当に細かい部分は均質になります。またDAVEほど高域の付帯音が強くないので最初の印象ではむしろおとなしい高音とすら感じました。

高域のピントの正確さとか緻密でなめらかな描写を追い求めるならDAVEなど他の製品が良いでしょう。高域の正確な描写力はDAVEや積分形DACにはかないません。滲んだ音で一般的な現代DACと同じです。(高域の付帯音と解像度は別の要素です)

そのほか、Manhattan2は上記の通り音の前後感が若干希薄になりますので、この点はDAVEのほうが前後感と現場の雰囲気が感じられます。

DAVE比では高域付帯音の少なさ、定位の広さ、音の安定感、に注目するならManhattan2が上になります。DAVEが優位なのは高域情報量と奥行きですが、奥行き描写もDAVEより少し劣るレベルでそこを重視しない方なら問題ないレベルで描写出来ているのでなかなかハイレベルかと思います。

どちらにせよ試聴して比較したら、聞きたい音が定まっている方なら迷うことはない位に個性が異なります。

設計上の特徴

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設計上の音質の肝は次のとおりかと思います。

・トランスと電解コンデンサと整流ダイオードの物量が凄い
・電流の余裕を重視した設計でパワフルな出音が期待できる
・ESSの専用電源ICを使っている=DACの電源がローノイズ
・クロックが低位相雑音品(ただしBrooklynも同等)
・IVオペアンプが8パラレルになっている=アンプ起因のノイズが抑圧

デジタル段はFPGAで処理してそうなので不明です。

アナログの電源ICはLM2990とLM2940でかなり平凡なスペックです。なのでアナログ回路は実はローノイズ重視ではありません。オペアンプが8パラなのでアンプ回路側に起因するノイズの影響を防げていると思うのですが、実は電源起因のノイズは共通なのでパラレル化では打ち消されません。

アナログ電源はハイスピードなレギュレートではなく電流の余裕を重視した設計のため絶対的なフラット感やスピードよりも電流持続力と余裕に舵を振った設計になっています。

アンプ直近に大きな電解コンデンサがついているので負荷への電流供給を狙った設計だと思います。そのかわり電解コンデンサは周波数特性、特に低域方面への特性の伸びが限定されますので周波数応答にはどうしても個性が出ます。これは独特の低域が強調された音作りと繋がっているものと考えます。

大型トランス、大型整流ダイオード、DACとしては巨大な整流用電解コンデンサ(22000uF等)、太い配線、MELF抵抗、フィルムコン、負荷直近の大型電解コンデンサ、ES9038Pro+ESSの専用電源IC、IVオペアンプ8パラ+平凡なアナログ電源レギュレータ、これらが設計上の特徴となりそうです。自作の場合でも上記設計に似せたコンセプトで設計すれば基本的な出音の雰囲気は似てくる可能性が高いと思います。

もしここから最も手軽に音質的なアップグレードをするならLM2990とLM2940をローノイズなレギュレータに変更することが一番でしょう。しかしそうするとManhattan2の独特の音楽性でもある勢いがなくなって、おとなしい地味な出音になって物足りないということがあるかもしれません。

Manhattan2はデジタルフィルターを色々変更できますのでそういった音質要因もありますが、実装されている各種フィルターはどれもChordほど音質に支配的なフィルターではない普通のフィルターなので微調整レベルで音に支配的ではありません。

測定値(個人測定なので参考程度にお願いします)

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アナログボリュームフル設定、1kHz THD、+24dBV trim

1000hz_thd_trim24_dgvol

デジタルボリュームフル設定、1kHz THD、+24dBV trim 同じ出力ですがアナログボリューム経由よりTHDは良好です。

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J-test、+24dBV trim

crosstalk

クロストーク -120dB前後

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5Mhz帯域のノイズフロア分布。帯域外ノイズは少なくよく抑圧出来ています。これが付帯音の少なさに関係します。なお60kHzの膨らみは外来ノイズの影響でDACによるものではありません。

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100kHz帯域+20kHzLPF時の微小領域の残留ノイズ。この結果は現代DACとしてはやや高めです。

超低音とスピード感の高度な両立、avcatさん宅システム

2018/11/03にお邪魔しました。現代最高峰と思われるYG acoustics Sonja XV jrを使用されています。いつもどおり詳しい機器の情報などは書きません。写真にシステムを写しましたので写真から判断してください。音質についてを中心に書きます。

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驚愕の低音とそれ以上に凄い中低域の描写スピード

他の方のavcatさん宅レビューでもXVに変更してからのシステムについては非常に低音の評価が高かったのですが、個人的には超低音そのものよりも低音+速度の両立のほうが驚愕でした。

まずは低音の伸びがどれくらいなのかを書きます。最初にRodrigo y Gabrielaのギタープレイを聞いたのですが、この曲は実は凄い下の帯域で暗騒音と思われる超低音が録音されているのですが、それが非常に明瞭に聞こえました。これは自宅システムでは全く出ていない帯域です。一応自宅システムも30Hz台までフラットに出てますのでもっと下です。この帯域を綺麗に再生できるシステムは少ないでしょう。

次に凄いと思った低音のスピード感です。これは中低音について特に強く感じた特徴です。今まで聞いたYG AcousticのSonja 2.2、Haileyとは明らかに異質な部分です。非常に下の帯域まで出ているのに低音の立ち上がりが圧倒的に早く、それにより中低域の透明感と描写力がかつて聞いたことがないようなレベルにあるということです。この音源のこの部分はこんな音だったのかということが色々な曲を聞いていて何度かありました。

avcatさんのお話ではXVではないSonjaまでは単一のユニットで低音をミッドとウーファーで分担して受け持っていますが、これがXV jrになるともっとたくさんのユニットで低音を受け持つようになりました。なので一つ一つのユニットのストロークがかなり小さくても同じ音量が出せるようになり、その結果立ち上がりまでのスピードが上がっているとのことです。これがフルXVになると更にユニットが増えるのでもっと立ち上がりが早くなるとのことです。全く出音が予想できません。恐ろしいです。

確かにこのXV jrの出音を知っているとノーマルSonjaまでは低音がやや遅く中高音との接続が不完全だったことがわかってしまいます。唯一このネガをカバーできていたのはlookkgさんの低音ネットワークバイパス+バイアンプ状態の音でしょうか。おそらく普通にネットワークを経由したSonjaではこの音は出ないのではないかと思います。

ということで個人的には超低音再生能力も凄いですが、それ以上にこの低音とスピード感を両立していること、それによって初めて浮かび上がる中低音の詳細なディテール、この部分が非常に印象的でした。

スーパーハイエンドの条件、高音の”色”

もう一つ書かなければならないことがあります。それは高域の質感です。私が持ち込みをした試聴CDの前半では高音に明らかに色が乗っていると思ったのです。最初は高音が滲んでいると思ったのですが、後半のソースで高音の質感と帯域バランスをチェックするための曲をかけたときにすばやく立ち上がっており、決して出音が滲んでいるわけじゃないことがわかりました。

ちょうどボーカルのサ行より少し下の帯域に継続的に響く付帯音があります。やや大きめの粒子感のある音がその帯域にずっと漂っています。実際の高音描写は非常にピントが合っていてシャープかつ高速な描写なのですが、基本的な描写とは別に上記のような付帯音が常に鳴っているのです。

私自身はこのたぐいの音はとても好物ではないほうなのですが、それについてavcatさんに聞いてみると、この音が鳴っていないと逆に駄目というご意見でした。理由についてお伺いすると世界のスーパーハイエンド、今で言う100万クラスから上の数百万円クラスの機材の持つ共通した特徴とのことです。

元々はオーディオイベントで高額な世界のハイエンドが出していた音のようです。憧れとしてこの音があり、そのためにオーディオで聞く意義があるというほど重要なエッセンスのようです。ちょうど銀線とか美音とかそういう方向性ですね。

トランスポートの支配力、Vivaldiの魅力

この日は最近出来上がったデジタルコンバータを持っていったのでPCから接続させてもらってVivaldiトランスポート+クロックとの比較をさせていただきました。ノートPC+デジタルコンバータからVivaldi DAC、それ以降は既存のシステムと全く同じなのですが出音は全く違いました。

驚いたのはシステム全体の音色のうち40%くらいが変わったように聞こえました。極端かもしれませんがトランスポートが実は音を支配しているというお話です。体感的にはトランスポートを自分の設計品に変更したら半分くらいシステムが自分の音になってしまったようなイメージです。

avcatさんにトランスポートの重要度のお話を聞くと、やはりVivaldiはトランスポートが大事というようなことを言っていました。どうしてもDACに注目が集まりがちですが実は音色面ではトランスポートの支配力はかなりあるとのことです。Vivaldiの音色はDACだけでなくトランスポートも含めて完成するようです。

トランスポートも含めたVivaldiはやっぱり美音系と力強さに独自の魅力があると思います。上記にも書いたハイエンドらしいオーディオらしい高音です。それに力感と量感があって図太さを感じる描写になります。

例えるならVivaldiが鈍器で殴られる感じだとしたら、こちらのトランスポートは槍で刺されるとか刃物で切られるような感じです。このあたりははっきりと好みの分かれる方向性の明確な違いがあると思いました。

支配力というのは、フルVivaldiとDACだけVivaldiという構成に予想以上の大きな差があったということです。そしてVivaldiの音色が好きならばトランスポートまで揃えないと真の個性は発揮されていないのだと思いました。

その他、印象的な部分

良くオーディオに大金をかけるならコンサートやライブに行ったほうがいい的な意見がありますが、以下のavcatさんの考え方はそもそも生音を基準にしていない、生音を理想としていない点で個人的には面白い考え方だと思いました。

  • オーディオでしか実現できない音世界を理想とする
  • 生音ではなくオーディオの音が聞きたいという境地

ここからわかるようにavcatさんは音楽より純粋にオーディオを愛する方だと思いました。日本国内は勿論、世界中のオーディオイベントに出かけていって写真を取りそれを記録していく、それを安定して長期間にわたって継続していく…、それは熱心なオーディオファンであっても簡単に誰でもできることではないと思うのです。むしろ専業の仕事であってもここまで熱心にできるのかと思うようなことを長期で継続しています。とても凄いことだと思います。

私としては今回がほとんど初対面で、あまり長い時間お話できたわけでもないので、普段の発言から推測や引用した部分もありますが、大まかな印象的な部分をまとめますと以上です。

この度は貴重なお時間をいただき、素晴らしい体験をさせていただきまして、ありがとうございました。

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Nazo-otokoさんのオーディオ多次元空間

2018年9月上旬、念願のNazo-otoko邸に訪問いたしました。オーディオ界隈では間違いなく国内有数のシステムをもつ方です。御本人のBlogとダブルウーファーズのHPを紹介しておきます。Nazo-otokoさんはダブルウーファーズ会長とも呼ばれていますね。

https://blogs.yahoo.co.jp/nazo_otoko

http://www.double-woofers.com/

去年ふとしたことで実はかなりの近所にお住まいなことを知りました。なにしろ普段買い物に行くスーパーのちょっと裏にあるようなイメージです。普通に歩いていけるくらいの場所なのです。しかし相手が相手ですのでなかなか声はかけられずでした。以前にうちオフでIMAIさんがこちらに来られたときに「近所にすごい人がいるんです」って言ったら何とNazo-otokoさんとは何度か会ったことがあるとのこと!いつか行きたいですと伝えておいたのですが、その念願がかなったのが今回の訪問というわけです。

そしてIMAIさんの提案で若手をTwitter上で募ってメンバーを増やして同行となり、当日はIMAIさんTaxsisさんまささんの3人と向かうことになりました。いつもなら音質のことをすぐ書くのですが今回は色々なことがありましたので音質だけではなく前置きも含めて色々書きたいと思います。

自宅の入り口

流石にプライベートに近い写真はアップできませんが自宅の前の写真は御本人のBlogにも掲載がありますので、同等レベルなら問題ないと判断して入口写真のアップです。

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写真で見るとなにかの施設のように見えますがこれが家です。凄いですね。富豪お宅訪問が好きな自分でもここまでになると盛り上がるというより気持ちが引き締まります!

IMAIさんがピンポンして巨大な玄関ドアが開き恐る恐る中に入りますと、とても広い玄関が広がっていました。奥の大きなガラスごしに中庭が見えます。広さとしては靴が20人くらいは余裕で並べられそうな玄関です。大きい旅館じゃなくて落ち着いた平屋タイプの高級旅館入り口の雰囲気といったら伝わりますでしょうか。

最初にオーディオルームへ

入ってからすぐにオーディオルームへ案内されたのですが実はここからすぐに音出しではありませんでした。音が出たのはここから1時間後です。

まず全員で中央の椅子に座りました。そこで現在のシステムの詳細な資料とNazo-otokoさん宅のインタビューが乗っている雑誌のコピーを頂きました。コピーと言ってもかなり分厚い資料です。

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そして次に一人ずつ自己紹介です。ここで結構細かいところまで聞かれたりします。自分は別に隠すことはないのであれこれ今までの経緯とか色々お話しました。最初の印象はとてもお話し好きな方という印象でした。

今日のメンバーの中でもTaxsisさんは色々突っ込みが入っていて面白かったです。まぁ持っているスピーカの数もラインナップも普通じゃないですからね。現役学生でどうやって揃えたの?的な鋭いツッコミが入りつつ、和気あいあいとお話を挟んだことで最初はとても固かった空気がだいぶ和らぎました。これももしかしたらNazo-otokoさんの配慮だったのかもしれませんね。

お話の中でApogeeのスピーカの話が盛り上がったところで別室に移動になりました。

このお宅には実はメインのオーディオルーム以外にも複数の部屋にオーディオシステムが設置されています。メインの部屋だけでも凄まじいですが現実は更に上を行くオーディオコレクションでした。それを一通り端から案内していただきました。今日のメンバーはみんなスピーカに詳しいので反応がとても良くNazo-otokoさんも見せる甲斐があると判断したのかもしれません。これはとても幸運でした。もちろん初対面の方にはみんな見せているのかもしれませんけどね。ちなみに自分はあまり古い製品は正直わからないものが多かったです。今日のメンバーはみんな詳しすぎです。でもその分色々なお話が聞けてよかったです。

ほかには作業用のスペース、ユニットが大量に置かれている部屋も有ります。中にはサイン入りのユニットや往年の高性能ドライバもありました。こちらの部屋そのものは本家のBlogでも公開されているので問題なさそうな写真だけ紹介しておきます。(OKの確認済み)

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下のアポジーの部屋にはスピーカと貴重なクレルのビンテージ製品が良い状態で設置しており、製品個別についても詳しく説明していただきました。クレルはシリアルナンバーの若い初期のモデルだそうです。アポジースピーカの導入にも色々なストーリーがあったそうで、ここで長々とは書きませんが本当にそれぞれの機器にエピソードがあるものです。

そういう細かいエピソードについて、今でも細かく覚えておりしかも並行してシステムとして維持されているというところに、Nazo-otokoさんの人生におけるオーディオの比重の高さが伺えるような気がしました。

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試聴と音質

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実際の試聴順とは違いますが、写真順にシステムの音質的感想を書きます。また実際には各機器には背景となるエピソードがあり、試聴前にそのお話を聞いてから音を聞くという流れでした。それぞれに本当に分厚いバックグラウンドがあるのです!

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ダブルウーファーズのルーツと言われるJBL4350Aのシステムです。この時代のこの構成のスピーカをちゃんとしたシステムで聞くのは初めてです!曲はもちろんジャズですが、厚みと存在感が非常に強い音です。低音は38cmのダブルなのでグッと空気の圧力が面で迫ってくるような低音です。一言で言えば脂ぎった熱い音と言われる方向性になると思います。ただしそれは中低音についてはです。

しかしこの手の典型的な音質と異なる部分があります。非常に面白いのが高音で、高音はかなり明瞭かつなめらかで引き締まった音になっていると感じました。これがマルチの威力でしょうか?中低音とは明らかにキャラが違う高音なのです。しかしそれが音楽として見事にマッチングしています。この高性能寄りの高音が適度に現代的な風味を醸し出しており、描写力が高く緻密さや丁寧さを感じさせる要素となっています。現代ハイエンドしか聞かない人でも、ジャズを聞かない人でも、この音なら楽しめるのでは?と思うような雰囲気です。

こういう音が好きな人によくあるような典型的な一点型ではない、ただ単に厚み、存在感、熱気、こういう方向性だけを追求するのではなく、緻密で丁寧な高域がスパイス的に加えられてまとまっている。非常にセンスの良い仕上がりに感じました。

このシステムで印象的だった音色はバストラムの腹に来る音圧とウッドベースの存在感と実在感です。バスドラムは非常に生っぽいです。生といってもスタジオの端正な音じゃなくてジャズバーとかのやや飽和感のある音という趣です。ウッドベースは生よりも存在感ありそうです。

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次はオリジナルノーチラスです。オリジナルノーチラスはダイナ7Fで昔に聞いて以来です。当時は経験値も少なかったのでこのSPの真価は理解できませんでしたが、今は大分経験を積みましたので実力がよくわかりました。これはSPの設計としては大分古いのですが現代でも通用するクオリティがあります!本当に優れているものは古くならない、オリジナルノーチラスは紛れもない名機でしょう。

Vivid Audioと同じ設計者ですがある意味Vivid Audioの設計はこのオリジナルノーチラスを「現実的な使い勝手に落とし込んだモデル」と言われても納得してしまいそうです。マルチ専用でウーファーが物理的にセパレートになっている設計は正義です。ウーファーユニットが一つで中高域と物理的に分割されていますので箱の共振から分離されています(Giyaではウーファーの管の中に中高域ユニットが取り付けられているようなデザイン)。このおかげか混濁感がとても少ないクリアな音と感じました。ここの出音は相当にハイレベルです。

この日聞いたシステムの中では最もバランスが良くオールラウンダーだと思います。非常にまとまりがあって弱点の少ない音という印象です。低音はもちろんYG acousticsの最新SPと比べればわずかにエンクロージャーの音は感じますが、十分現代ハイエンドクオリティです。

このあと写真に写っている「Nazo-otokoさん自作のアンクもどき」をつけ外しして聴き比べです。つけているときのほうがふわっと広がる空気感があって優しい音ですね。取ると引き締まって優しさとか空気感からは遠くなります。中高音が乱反射するので像が散るのだと思います。かける音楽で相性が変わってくる部分だと思います。私はどちらもありですね。

このシステムで印象的だったのは、空間の広さと音像の緻密さ、この2つです。低音重視のソース以外なら何でもバランスよく鳴らしそうです。聞くところによるとExaktが予想よりも良くて結局導入することになってしまったそうです。

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本当はこの日の最後に鳴らしたシステムなのですが先に書いていしまいます。

フルエピローグは王道ハイエンドをそのままにスケールアップしたような音、と思いました。王道故に説明が難しいのですが、駆動力と余裕と聞きやすさの両立でしょうか。もしかしたら現代では王道とされる方向性はゴールドムンドが切り開いたのでは?と思わせます。

一言で言えば非常にスケールが大きく余裕のある揺るぎない音です。低音の躍動感や動的なうねりのようなものはダブルウーファーのシステムのほうがあるのですが、こちらはより静的な低音と感じました。ある意味ノーチラスの音を「大胆に」レンジアップスケールアップしたような感じです。

ですが緻密さや丁寧さならまだノーチラスのほうがまとまっていると思います。より具体的に言えば高音のピントの合い具合には結構な差があると感じました。サイズや描写される音楽が大きくなった分、高域の描写は大胆な性格に変化していると思います。だから受ける印象も余裕と大胆さとスケール感という感想になります。

このシステムで一番印象的だったのはパイプオルガンのスケール感と余裕です。

この日はゴールドムンドというメーカーの設計についてはNazo-otokoさんは結構辛辣なことを言っていましたが、現実には沢山のゴールドムンド製品を使われているので、その音質と相反する設計の部分に納得出来ない部分がありながらも、やはり惹かれるところがあるという複雑な部分なのかもしれません。性格の悪い美人で苦労させられるけど別れられない的な関係でしょうか。よくわかりませんが。

ちなみにNazo-otokoさん曰くこのシステムはまだまだ調整中とのことなのでこれからさらに説得力を増した凄い音が出てくるのでしょう。

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この日聞いたダブルウーファー製品では最もおとなしい音でした。このSPはダイナのマラソン試聴会できいたことがあります。その時はDD67000とDD65000の比較でした。DD67000のほうが現代的、DD65000は濃い音だと思っていたのですが、ここのシステムですと他のシステムの濃さが浮き彫りになってしまう、現代寄りの仕上がりの音だと感じました。

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これはワケありのスピーカらしいです。知人伝での入手とのことでその経緯などを聞いてからの試聴となりました。このSPはウーファーの設計が特殊のようで、内部に駆動ユニットが入っており外側の表裏4つのウーファーは見えない内部のユニットによって駆動されるとのことです。そのためウーファーの駆動にはかなりパワーのあるアンプが必要というお話です。実際に音が出ると鳴らしにくいという印象はあまり感じないくらいしっかり鳴ってました。

このシステムの音はこの日聞いた中では真面目ではあるのですが、ただ真面目なだけじゃなくて枠を少しはみ出す奔放さも感じる仕上がりと思いました。お話を聞いていると元々は暗めの音でもっと真面目なSPなようですが、ここでの出音は端正なだけでなくあえて枠を飛び出すような部分を作ることで、楽しく聞けるようなチューニングになっているようです。(元々の音を知らないので深くは語れませんが)

比較すると、ノーチラスほどのまとまりと締りはなく、かといってJBLシステムほどの躍動感や存在感もない、ちょうど両者の中間的な位置づけの印象を受けました。入手金額は使われているシステムの中では格安(訳あり)だと思いますので、値段を考えると正直とんでもない実力の出音だと思います。

一度上記のDD65000と同じ曲で比較ができましたが、ダイナミックなDD65000、真面目なSB-M10000という印象です。

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ここのシステムの中ではノーチラスに次ぐ「普通の」ハイエンドスピーカです。超高額のダイヤモンドツイータが乗っているモデルだと思われます。セラミックのモデルは聞いたことがありますがダイヤモンドのモデルは初です。

音質的には非常に透明感と滑らかさのある中高域が特徴です。この日のシステムの中ではこの部分は突出しています。また箱の設計によると思われる嫌味のない自然な長めの余韻もこのスピーカのもう一つの特徴です。これはセラミック型のモデルでも共通していました。まさに上品で繊細、貴婦人のようなスピーカじゃないでしょうか。特に弦楽、クラシックに合うというのはよく言われていますが、そのとおりだと思います。

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個人的にこの日で最も印象的だったのがこのシステムです。150kgのステンレス削りだしホーンは見た目にもすごいインパクトでしたが音はそれ以上のものでした。

ここでかかった木琴と鉄琴のオーケストラ編成の曲は生音でなければ出ないようなアタックと余韻の力強さを感じることができました。例えばですが最近木材にハマっていて色々な木材を叩いていますが、木材を強く叩いたときに出てくる高音のエネルギーは自宅のスピーカーからは全く出ません。自宅のスピーカーから出る高音は非常に弱々しいものです。

しかしこのステンレスホーンから出てくる高音はすごい浸透力のある沁み入るような高音です。ただ単に透明感があるとか引き締まっているのとは次元が違う、生のあのエネルギーが飛んで出てくるような感覚があります。

それに合わされる低音はエクスクルーシブのダブルウーファーです。4350よりレスポンスが良くステンレスホーンのエネルギー感と比較してもなんとバランスが取れている低音です。並外れた高域に並外れた低域を組み合わせた現代の典型的ハイエンドとは全く違う方向性で突き抜けた凄みのある音でした。このシステムの音はもう一度聞いてみたいです!

試聴後の印象

多様なシステムがそれぞれ異なる表情と音楽を見せていました。まさに多次元空間のシステムです。当然のようにシステムによってかける音楽も変わってきます。この日にかけられた曲はシステムに合わせて選定されたものだったと思います。だからこそ方向性と音楽性が一致して濃い体験につながったと感じました。それを複数持っているということは懐の広さと深さも伺えるわけです。

しかしIMAIさんによると過去の音はここまで多様性のある方向性ではなかったとのことです。もしかしたら少しずつ、またはある時期を境に今のような多様性をもつようになったということになります。そこで一体何があったのかはわかりませんが、きっと大事があったのだろうなと思います。視野が広がるきっかけのような出来事のはずです。それはもしかしたら雑誌掲載記事にあるような病気や手術がきっかけだったかもしれませんし、そうではない自然な気づきと流れだったのかもしれません。そのあたりは自分が知る由もないことですが。しかしそんなことを考えてしまうような体験でした。

この部屋に共通している要素は、熱さ、奔放さ、ダイナミックさを軸とした方向性でしょうか。もちろんノーチラスやルーメンはこれらの条件の例外となりますが、それ以外のシステムではそういう音楽性が常に見えますので、おそらくこのような要素がNazo-otokoさんのルーツなのかなと推測しています。そして上にも書きましたがオーディオへのとても強い思い入れも共通でしょうね。だからこそ一つ一つのシステムにバックストーリーがあるのだと思います。

あとインテリアや細部のこだわりがとても強いです。フルエピローグのグリルは黒から紺に色を変更していますし、部屋の設計のこだわりも凄そうです。自分はこの部分についてはまだまだなので正直よくわかりませんでした。すべてを理解するには自分にはまだ深すぎるというところだと思います。

その後

あっという間の試聴時間の終了でした。16時から19時半の3時間半でしたがシステムがこれだけの数ありますので、じっくりというよりも駆け足での試聴になりました。最後に床下のケーブルを見せてくれました。総延長が400mあるそうです。これだけのシステムをマルチチャンネルで駆動しているのですから凄い量です。それでも床下を通すことでスッキリと仕上がっています。床材はナラ、天井はスプルースとのことで最近ハマっている木材の知識が生きるシーンでもありました。

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まだまだこの日は本当に色々なお話を聞くことができたのですが、自分自身のスピーカや機材に対する知識不足をとても感じました。あまり反応できない話題も多かったので今日の強力メンバーはいろいろな方面での話題の対応力がありとても良かったと感じます。Taxsisさんの様々なスピーカの知識、まささんのユニットの知識、IMAIさんの人脈やNazo-otokoさんの趣向への理解の深さ、です。

この後はNazo-otokoさんは別の用事があるようなので、残りのメンバーで近所のご飯やさんに移動して、楽しく今日のオーディオの感想と、何故かavcatさんとIMAIさんの昔話などで盛り上がりつつ解散となりました。

非常に充実したオフでした。そしてまた音を聞きたいなぁという思いが残りました。IMAIさん、貴重な出会いを提供いただきありがとうございました。Nazo-otokoさん、お忙しい中お時間をとっていただき、また詳細資料を準備の上、数々のシステムを見せて、聞かせていただきまして、ありがとうございました。

lookkg486さんの余力溢れる超ハイエンドシステム

2018年8月下旬にお邪魔いたしました。今回のメンバーはいつものnemo3と、以前にうちにもオフで来られたことのあるLoui(るい)さんの二人、どちらもアニソン大好き勢です。

家は河口湖にある本物の別荘です。個人的に富豪お宅訪問みたいなのが好きなので高まります。そしてここは河口湖の中でも中心地から離れたやや郊外にあるのでオーディオをするための周辺環境としてはとても良い場所です。空気の静寂感があって電気と空気のSNが良さそうです。家そのものの写真はもちろんアップできませんが周辺はこんな感じです。雰囲気だけでも感じ取ってもらえたらと思います。

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システムの構成について

スピーカはYG acoustics Sonja 2.2、ツイーターを最新のものにアップグレード済み、そしてなんとウーファーはネットワークをバイパスしています!ネットワークはマイクで音を取ってから位相とEQを補正できるトリノフというハードウェアを使ってデジタル領域で実現しています。このようなハイエンドシステムでSP内部のネットワークをバイパスするなんてかなり豪胆ですね。プリは1台なので上下どういう接続になっているのか聞き忘れてしまったのですがパワーアンプは2セットあるので上下別のパワーで鳴らしているのは間違いないです。

ということでYG acoustics Sonja 2.2でありながら等位相かつフラットEQで聞ける環境が出来上がっています。ケーブル類はもう意味がわからないくらいの高額ケーブルの山なのでここは完全に未知のゾーンです。一つ一つは音に強力に貢献しているはずですが個別の音については全くわからないです。その未知のゾーンの写真はこれです。

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音質

このようなシステムなので一体どのようなすごい音がするのかと思って音を聴くと別の意味で驚きます。それは全く力みのないリラックスした音だからです。決してぬるい音という意味ではありません。音そのものはレンジが広くかなりの低音から高音まで高速で立ち上がりきれいに消えていきます。すべての音が明瞭に見えるような、音数が多かったり速度の異なる音が折り重なるような難しいソースを持ってきても余裕を持って鳴らします。レンジが広いのに力みがないということです。そして空間と音のSNも高い。凄みを全然感じさせない、実はこれは凄いことです。

もともとYG自体が現代SPの中でも高い安定感、揺るがない力強さを感じさせるSPではありますが、その方向性をさらに推し進めた出音というとイメージがしやすいかもしれません。

自分はいつも色々な要素が分かるまるでベンチマークのような曲を持っていくのですが、それでわかったのは定位感、SN、描写力、駆動力、これらのトータルバランスで弱点が最も少ないシステムと思いました。この音のレンジと質感の均質さでありながら先日の記事にあった富山県のIさんのような定位特化システムと比べて定位の再現も80-90%まで出ています。恐ろしいです。これは確実に等位相補正の効果だと思いますが普通のマルチウェイシステムでは出ません。自宅環境も等位相ですが70%くらいの再現度です。

弱点があるとしたら一つだけ、数kHzの帯域に折り重なったような付帯音があります。シンプルなシンセサイザー波形を使った曲を聞くと等位相ではない環境ではやや潰れたような音がするのですが、ここの環境では基本はきれいに鳴っているのですが一部の帯域でだけ潰れたような印象がありました。それについてlookkgさんに恐る恐る伝えますと2kと10kにちょっと癖があるそうです。恐らくそこの影響だろうと言うことです。しかし一部の特殊な音楽以外を聞いているときには気にならないので些細な問題です。

まとめますと、トータルバランスに優れ、力強さと音の余裕の両立、SN、定位に優れた音源を選ばないシステムです。そして一番の特徴は余裕だと思います。lookkgさん自体が人間的にもとても余裕があって行動力やパワーを感じる方だったので出音にはとても納得できる感ありました。

学ぶこと、感じたこと

ここの床は70cmのコンクリート、その上に板を敷いているだけらしいので超強固です。最近はっきりと気づきましたが床はとても大事です。実はオーディオは床の音を聞いているといっても良いです。

自分はハイエンドの必要条件として絶対的な駆動力が必要だというのは最近になって強く気づきました。駆動力そのものを軽視していたわけではありません。しかし描写力や透明感や解像度によりすぎていたと思います。描写力を担保するのは駆動力ですから、駆動力は絶対的に必要です。そしてコンポーネントの駆動力を担保するのは床です。だから絶対的な音の余裕も単にコンポーネントのグレードだけではなくて床の強固さによる影響がとても大きいと感じました。

自宅に戻って音を聞くと絶望するほどに安定感にかける、弱々しい音しか出ません。なぜなら木造二階で床が弱いからです。歩いていてすぐに分かる柔らかい床です。なので今回は自宅の足回りを強化したいと強く思いました。

実は今回の件のもう少し前にも同じような気づきのきっかけがありました。そちらは非公開案件なので記事にはまとめていませんが同じように駆動力の重要性を痛感する出会いと体験があったのです。そして今回の件もポイントは違うのですが要点は同じでした。それは世界のハイエンドは常に駆動力を再重視していること、今の自分にはまだまだその視点と追求が不足しているということです。この2つの出会いによって強くそれを感じました。

このような貴重な気づき、体験、に感謝したいと思います。対策関係は別途記事にまとめていきます。

おまけ

当日は木材の聴き比べや食事など、楽しく過ごしました。色々お世話になりまして、ありがとうございました。満足なお礼は出来ませんでしたがまたよろしくお願いいたします。あとはツイッターの発言や写真を貼っておきます。

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