※2016/07/13 アップローダの期限切れに対応して一部再アップロード。
ここではオーディオの色々な音質差を実際に録音して比較するための音源公開ページです。内容は随時アップデート、追加予定です。将来のためにまとめページを作成しました。今後DACやパワーアンプ等、各種音質のレコーディングデータをアップしていきたいと思います。
ケーブル否定派の方はこの機会に是非このデータをチェックしてみてください。特にWavの差分を取ったとき各ケーブルごとに異なる特徴の差分が取れます。全てのデータはタイミングを完全に合わせてありますので逆相で簡単に打ち消しが可能です。これはブラインドテストなどよりよほど確実な方法だと思います。スピーカケーブルのほうが帯域分布が変化しますのでわかりやすいです。
レコーディング環境
オーディオIF : TASCAM UH-7000
マイク : DBX RTA-M * 2
DAC : AK4495S dual DAC
パワーアンプ : WF-P400(Ncore)
スピーカ : 特注アルミエンクロージャ大型フロアスピーカ
スピーカから出力される音を測定用マイクで収録しています。再生用と収録用ではPCを分けています。マイクの場所はスピーカの真っ直ぐ前、マイクスタンドでツイータから正面1mの距離に左右等距離でセッティングして収録しました。上の写真はマイクを外した後ですがセッティング自体は画像のような感じでやっています。
左右チャンネルの位相とレベル差はすべてDAWで確認して必要があれば修正します。どちらにせよ厳密に左右が等距離でないので位相の修正は全トラックで必要でした。修正しないと左右の定位が曖昧で中央定位がなくなります。しかしスピーカ依存の位相ズレや左右の距離による左右音波到達時間差による位相ズレによる音の干渉は完全には消去できておらず、位相ズレは完全に消すことは出来ていません。
再生はPC側のプレイヤーでPCM->DSD128に変換、そのままDACにはDSDで入力しております。これは意図的ですが録音データには原音には含まれない折り返しノイズが出ています。その分高い周波数が(約30kHzくらいまで)収録されています。これはケーブルの差をよりはっきりさせることを期待してあえてそのようにしました。
録音データは96kHz/24bitでの収録です。EQやコンプなどのプラグイン類は一切使用していません。
■DACチップの音質差
録音データ(Zip圧縮) 300MBほど
こちらの記事で作成したDSD対応DACプラットフォームによる比較です。パワーアンプはNcoreアンプですべて共通です。あとの条件はDACからデジタルボリュームでパワーアンプへ直結しており。DDCはXmosからのSPDIFをすべて共通で使っています。デジタル回路、電源回路、使用オペアンプ、抵抗の種別はすべて共通ですので純粋なDACの音質差に近い比較が可能です。こちらはPCMによる再生です。
DAC_AK4490.WAV
DAC_AK4495.WAV
DAC_CS4398new.WAV
DAC_CS4398.WAV
DAC_WM8741.WAV
補足です。CS4398の無印とNewの違いは基板レイアウトのみです。部品などは共通。一部パッシブのセラミックコンデンサの数に違いがありますが、これの主な変化要因は基板パターンによる違いです。Newは最新世代のレイアウトです。
差し替え用ボードのES9018が現在貸出中のためES9018だけ含まれていません。ですがES9018の音質的にはこのなかではAK4490に最も近い感じです。AK4490よりも滑らかさにおいてES9018のほうが優れています。ただ高域の神経質さや質感の繊細さはAK4495ではなくAK4490に近いイメージです。
ES9018代表としてカプリース本体の録音も入れてあります。
■DACの音質差
こちらは違いがわかりにくかったので改めてアップし直します。
Caprice_Internal_Volume.wav
Caprice_CS3318_Volume.wav
AK4495S_Ver1.wav
AK4495S_Ver2.wav
CapriceはES9018使用のあれです。ES9018の差し替え基板がなかったので代わりにES9018代表としてこちらを使いました。Internal Volumeは内蔵のアルプスミニデテント、CS3318は自作プリを経由した音になります。
■アンプの音質差
録音データ(Zip圧縮) 150MBほど
これは最も明確な違いがありますのでわかりやすいと思います。DACやケーブルの差よりずっと聴き比べがしやすいです。アンプの違いはそれだけ大きいということでしょう。
PMA50.wav
Integrated_da_ucd180.wav
Integrated_da.wav
PMA-50.WAVはそのままPMA-50へSPDIFで接続して鳴らした場合の音です。このWAVファイルはスピーカで一度鳴らしたものをレコーディングしたファイルですが、実はSPからレコーディングする前のCDソースが有ります。もし原音というものがあるとしたらこの場合はCDそのままの再生音が原音になります。そう考えた時にどのアンプで鳴らしたものが最も良いと考えられますでしょうか。
Integrated_da_ucd180.wavはそのままHypex UcD180で、Integrated_da.wavはNcoreで鳴らした音です。
■XLRケーブルの音質差
録音データ(Zip圧縮) 400MBほど
Belden 8412
Belden 88760
Nordost BlueHeaven
似非Odin
似非Valhalla
AudioQuest Columbia
ラダー型
自作シールド
上記のXLRケーブルの収録はNordost Super FlatLineをスピーカケーブルとして共通して使用しています。こちらはスピーカケーブルよりも聴き比べは難しいです。実際に現場にいる時よりも収録された音声の違いはかなり僅かになっています。それでも違いは収録されていますので実際に聴き比べてみてください。
個人的にはこの中で選ぶならラダー型(癖の無さとバランス)、似非Odin(中域の分離と奥行き)、似非Valhalla(スピードと帯域)のどれかです。これは実際に現場で聴き比べた結果としての意見です。
■スピーカケーブルの音質差
録音データ(Zip圧縮) 200MBほど
Nordost SuperFlatline
似非Red Dawn
CROSS-POINT XP-SP EN(eau-rouge ER-SPと同等?)
ラダー型 8段ラダー
上記のスピーカケーブルの収録は似非OdinをXLRケーブルとして共通して使用しています。Wavの逆走波形で差分を取るとよくわかりますが、スピーカケーブルは低音の量自体が変化するようです。これはXLRでは見られない特徴です。こちらのほうがXLRよりも違いはわかりやすいです。
あくまで個人的な感想ではありますが、音質傾向としてはSuperFlatlineは広帯域で癖のない音質ですがやや平面的な音で細部が曖昧。ラダー型はあっさりとしており分離重視で緻密な描写で彫りが深い音。似非RedDawnはキラキラとした付帯音がありますがラダーよりさらに描写の彫りが深い音です。ER-SPはこの中ではRedDawnの次に色付けがありラダーより少し彫りを浅くした音に聞こえました。
しかしここで書いた「描写の彫りの深さ」はUH-7000のDACで聞いた時は全くわかりませんでした。生の現場で聞くとこの違いが録音されたWavよりも顕著に違いました。
ということでもしこのWavをきいてFlatLineと似非RedDawnのWavの彫りの深さや色彩感の違いがわからない場合はDACやアンプの性能が不足している可能性が高いと思います。このなかではオーディオ的にRed-Dawnが付帯音が明確にある点を除いてはクオリティが高いと個人的には思いました。この付帯音は好みが分かれるところです。それでもこの中では最も空間表現と緻密な描写に優れているでしょう。
使用音源
レコーディング比較には、いろいろな要素が1曲で同時に確認できる「花ハ踊レヤいろはにほ」です。フルバージョンはマズイと思うのでここで公開するのはショート版にカットしてあります。
RT @_yohine: ケーブルの音質差をスピーカからもう一度録音しました。※前回アップしていたXLR比較ファイルは手違いで44.1kに変換されていました。こちらに正しいデータとしてアップしなおしました。
… https://t.co/JvjmkKcvLs
RT @_yohine: ケーブルの音質差をスピーカからもう一度録音しました。※前回アップしていたXLR比較ファイルは手違いで44.1kに変換されていました。こちらに正しいデータとしてアップしなおしました。
… https://t.co/JvjmkKcvLs
RT @_yohine: DACチップの音質差、アンプの音質差を録音したデータをアップしました。
… https://t.co/JvjmkKcvLs
RT @_yohine: DACチップの音質差、アンプの音質差を録音したデータをアップしました。
… https://t.co/JvjmkKcvLs
RT @_yohine: DACチップの音質差、アンプの音質差を録音したデータをアップしました。
… https://t.co/JvjmkKcvLs
RT @_yohine: DACチップの音質差、アンプの音質差を録音したデータをアップしました。
… https://t.co/JvjmkKcvLs
RT @_yohine: DACチップの音質差、アンプの音質差を録音したデータをアップしました。
… https://t.co/JvjmkKcvLs
RT @_yohine: DACチップの音質差、アンプの音質差を録音したデータをアップしました。
… https://t.co/JvjmkKcvLs
RT @_yohine: DACチップの音質差、アンプの音質差を録音したデータをアップしました。
… https://t.co/JvjmkKcvLs
AK4490(4パラ),4495(2パラ)のDAC基板を使用しています。自宅のシステムと市販のソースの組み合わせでは両者の違いがあまり分からなったのですが比較サンプルをダウンロードして音の違いに唖然AK4495の音のグラディエーション素晴らしいと思います。女性ボーカルの音色(情報量)がAK4490と比べてAK4495の方が明らかに多い。愕然としました。
https://t.co/67lo3w9B4m Innocentkeyさんのオーディオ記事、最初の写真からしてただならぬ雰囲気を感じるww
コメントありがとうございます。
オーディオ機器はスピーカもアンプも基本的には劣化の加算だと思っているので、途中経路と出力での劣化要因が多いほど相対的に小さい影響が見えにくくなると思っています。
この相対的に小さい影響とは「DAC素子による音質差」になるかと思っています。DAC素子のみでの違いは当サイトで以前より記載しているように非常に小さいものです。アナログ回路やレイアウトによる音質差のほうがずっと影響が大きく、DAC素子のみだと大きな違いは出ません。(実際にレイアウトのみによる音質差も録音データに有ります)
それでもこちらの録音で違いが見えているとしたらDAC素子以外の経路での劣化が少なくDAC素子の違いが見える状態になっているからと思っています。録音環境ももちろん重要だと思います。途中経路の問題が大きければ、DAC素子だけを変えても違いは見えにくいはずと思っています。
ただこの説で疑問なのは、kkumaxさんの環境では現場でのDAC素子の違いが見えないにも関わらず、当方の録音では違いが判別可能という点です。上記の説だけだとDAC素子の違いが見えない環境では録音データからも違いはわからないのではとも考えられるので、この辺りで整合性が取れないようにも思います。
このあたりはもう少し原因について考察してみたいと思います。少なくともデータ化された時点で現場の音とは違うということは要因の一つだと思います。
たとえば現状ではWavを録音してデータから見える違いは現場よりもかなり小さく、録音環境による問題は感じています。実際に現場にいるとケーブルの音質差などは録音データより遥かに大きい違いに聞こえます。もちろんDAC素子の違いも録音データよりわかりやすいです。
今後録音機材をアップグレードして、よりオーディオの違いを明確に録音することを目指しています。現在超ローノイズなマイクプリアンプを自前設計中です。これが出来上がったら重要な比較データはもう一度録り直ししてみたいとおもいます。
見解ありがとうございます。
自宅メインシステムのDACはAK4490(4パラ)です。AK4490基板はシングル基板も所有しています。個人的にはAK4490の音質傾向は所謂一般的なオーディオマニア向けにチューニングされていると理解しています。その部分が気に入りメインDACとなっている訳です。しかし以前にInnocentkeyさんのAK449X比較記事を読む機会がありAK4495の方にに軍配が上がっていたのでその事がずっと気になっていました。そして今回、言われる通りに自宅での二種類のDACの比較結果について大差が聴き取れない状況で公開されているサンプルファイルを再生しても恐らく違いは聞こえないだろうと半信半疑だったのですが試してみたところ違いが聴こえて驚く事となり思わず書き込んでしまいました(^_^;)
聴こえてしまうと戻れない(笑)
今日聴こえてしまった音の正体を掴むため、
何時でも色々なソースでもこの音色の違いが表現出来るシステム構築のためもう少し弄ってみようと思います。
>オーディオの違いを明確に録音することを目指しています。
この道を進むためにこのサンプルファイルは非常に重要であると考えます。より違いが明確に出るサンプルファイルがあれば行った施策の正当性を確認するための指標となります。
楽しみに待っています。
はじめまして。
このような違いを明瞭にしようとする実験はありがたいことだと思います。
視聴させて頂く前の疑問なのですが、
同一条件で、録音を複数回行われているのでしょうか。
よろしければお教え下さい。
興味を持っていただきありがとうございます。基本同条件での比較を前提に録音、その後のレベル合わせも含めて設定しています。
よろしくご参考までによろしくお願いいたします。
yohineさん
ご回答ありがとうございます。
同一条件で録音すると、まったく同じwavファイルになるのでしょうか。
(波形、バイナリレベルで一致するのでしょうか。)
もし、そうでないなら、同一条件で複数回録音して平均値をとるような処理が必要だと考えますがいかがでしょうか。
全く同じにはなりません。DAWでタイミングとレベルを合わせて差分をとってみてどれくらい一致しているかは確認していますが再生/録音される波形は毎回異なります。デジタルtoデジタルではないので全く同一はありえません。アナログ要因で再生側も録音側も波形自体は毎回変わります。
ざっくりしたたとえですけど同じサイコロを同じ高さ同じ条件で落として必ず同じ値にならないのと同じようなものです。その理由は究極的には量子論の領域まで行くと思います。物質は原子、分子レベルで静止しているわけではありません。どこまでも平均化しても同一にならないのは同じでしょう。厳密を求めるなら天文学的回数を平均化しないと完璧には近づかないでしょうね。私はそこまでやる気はありません。
また測定での事例ですがスペアナ等の測定で平均化モード、現在値モードなどありますが、平均化前と平均化後のデータはちゃんと相関性があります。平均化で減らせるのは無相関ノイズのみです。定常的なスプリアス等はそのまま残ります。なので現在値に相当する録音データは同一ではないから無意味とはならないと思います。測定で現れる定常的な傾向は平均化せずとも一致するということです。
上記の範囲で音の傾向を掴んでいただければという意図でデータをアップしているものです。ご理解お願いいたします。
yohineさん
丁寧なご返事、ありがとうございました。
“測定で現れる定常的な傾向は平均化せずとも一致する”
とのこと、納得いたしました。
実際にアンプの比較ファイルを視聴させて頂いたところ、波形でも
聴いた感覚でも違いが明確ということがわかりました。
私の環境と耳ではyohineさんほどの細かい違いはわかりませんが、
いずれわかる環境と耳を手に入れたいと思います。