Focal utopia レビューと比較

結論から言えばUtopiaは現在最高のヘッドフォンのように感じました。といっても現状ですべてのハイエンドヘッドフォンを聞いたわけではありませんので暫定です。しかしLCD4等の既存の有力高額機との比較では圧倒的な差を感じています。あくまで個人的な感想です。(LCD4は以前のイベントでの比較です)

このヘッドフォンからの出音は自然で弱点や欠点が見えないです。全帯域で立ち上がりと収束が早く、とても見通しが良く、バランスも良い音に感じます。これは基本的な性能の高さを感じさせます。

一般的に、より優れた製品との比較でなければその製品の欠点は見えにくいものですが、現時点ではUtopia自体にはそういう大きな欠点は見えないです。ヘッドフォンはスピーカよりも個体の個性や癖を感じやすいと個人的には思っていますが、初めての視聴時でも全く違和感を感じなかったのは凄いです。そして駆動力の要求もそこまで高くありません。駆動力を入れないとダメじゃなく、駆動力を入れなくてもそこそこいい音です。

ですが既に出ているレビューでもある通りUtopiaはその高性能故に容赦なくシステムの欠点をさらけ出します。これはUtopia自体の問題ではなくてシステムの問題です。Utopiaはシステムに問題があればその問題を突きつけるヘッドフォンでもあります。欠点が見えるとそれが気になってしまうような人にとってはその性能の高さゆえに聞きたくない音を聞く結果となる可能性もあります。

Utopiaを使って一番感激したのはマスタリングでEQいじった結果がスピーカで聞いたときの印象と非常に近いことです。従来のヘッドフォンでは緻密な作業をした結果がスピーカと同じ印象にならないことが多かったです。どういうことかというと、ヘッドフォンではいい感じでもスピーカで聞いたら音がキツかったりアンバランスな面が見えたりということです。

ですがUtopiaは使ってさほど時間が経っていない=使い慣れていない状態でもスピーカとヘッドフォンの印象の差がとても少なかったのです。いままでこういうヘッドフォンはなかったので驚きました。ヘッドフォンで緻密な作業をしたあとでスピーカで聞いても印象が変わらないというのはそれだけ自然な音が出ているということだと思います。もちろんSPとヘッドフォンで同じ欠点を共有しているということではなく、見える部分は違います。

同社のElearも基本的な方向性は同じですが、こちらはUtopia比で明らかに中域の広い分布で音が曇って感じました。そのため上記のようなシステムのあら捜しが気になる状況になりにくくElearのほうが大らかで扱いやすいと思います。基本的な音の方向性は同じでバランスが良く速度も揃っているので使いやすいヘッドフォンだと思います。よりシステムの嫌なところを見ないで済むのはElearです。そのかわり絶対的な伸びしろはありません。

ですが真実の音に近いのはUtopiaだと思います。絶対的な頂点を目指すならUtopiaが良いでしょう。ElearとUtopiaの実力は価格に見合うものか、もしかしたら価格以上の格差があるようです。

今回はUtopia単体のレビューだけでは特徴が見えづらいと思いましたので、比較としてLCD-2とHD800を使います。

Audeze LCD-2との比較

LCD-2は低音寄りの周波数バランス、透明感のある中高域、ややゆったりとして伸びやかな低音が特徴です。LCD-2は低域の遅さを除けば繊細な余韻の描写もこなせますし、帯域の塊や癖が非常に少ないので基礎クオリティはそこそこ高いヘッドフォンです。

LCD-2とUtopiaで最も違うのは低音部です。LCD-2は駆動力のあるアンプを持ってこないと低音が出ません。LCD-2の伸びのある低音も駆動力のあるアンプとのセットでしか表現されません。またどんなに駆動力のあるアンプでも基本的な傾向としてスピードが遅く柔らかい低音の雰囲気は残ります。

これがUtopiaになるとハイスピードかつ伸びのある低音になります。LCD-2ではどのようなアンプを持ってきてもここまでの低音の速さは出ません。アンプへの駆動力の要求もLCD-2ほどではなく、Utopiaなら駆動力の低いアンプでも伸びがあります。

また高域ですがLCD-2は綺麗で滑らかではありますが高域の伸びは控えめでおとなしいです。Utopiaは比較すると綺麗なまま伸びもあって滑らかで余韻まで見える高音です。速度も早く繊細な描写もこなせます。低域ほど大差はないですがここもUtopiaのほうが良いですね。LCD-2はちょっと不明瞭で見えにくい帯域が中高域にありますがUtopiaはそれがないです。

LCD-2は細部の描写力がとても高いヘッドフォンだと思ってたのですが総合的にはUtopiaのほうが良かったです。ダイナミクス面も周波数方面の解像度もUtopiaのほうが高いです。

とはいえLCD-2は価格差があるので音質面の格差も当然ではあるのですが、繊細な描写力と低音の伸びは価格帯の中でも優秀だと思っています。

Sennheiser HD800

こちらのヘッドフォンはUtopiaと一緒に借りました。これも悪くないヘッドフォンなのですが、上記2つと比べると個人的な価値観ではやや落ちる印象を受けました。

特徴としては低音がやや軽く中高域のエネルギーが強い、高音はやや色を感じる方向性、というところです。細部の描写力は上記2つと比べても同じくらいの実力があるのですが、上の方の帯域は明らかに異質です。サラッとした音で常に風が吹いているというのか、Utopiaと比較すると本来の音に混じって風の音が聞こえるように感じました。低音もUtopiaほど伸びておらず、本当に低いところまでは伸びないで途中で消えていくような印象です。

この印象はアンプを良くしてもあまり変わらないようです。良く言えば駆動力に左右されにくいのですが、駆動力を上げて大幅に音が向上する伸びしろも上記2つと比べるとあまりないということのようです。

ということで純粋なクオリティ面ではトップは取れずその伸びしろがあまりないのですが、良いところは音質面以外にあります。たとえば装着感はこのなかでは一番快適だと思います。どんな環境でもそれなりの音が出るのは使いやすさなのでHD800は環境を選ばず快適に一定以上のクオリティを出せるところが最大の強みかと思いました。

Chord DAVEと他のDAC試聴してきました

2016年9月 購入後のレビューあっぷしました

久しぶりにオーディオ試聴をしてきました。御茶ノ水オーディオユニオンでChord DAVEの展示があったので、厳密比較のため自分のヘッドフォン+音源を持参できいてきました。ショップさまには高額機器を快く試聴をさせていただき感謝いたします。

結論から言えばDAVEは予想よりすごかったです。価格はとても高いのですがさすがにHugoとは次元が違いました。Hugoでは前回の厳密試聴の結果、自作AK4495S-DACのほうが概ね良かったわけですが、多分ですけどDAVEと比較したら情報量とか解像度については自作DACのほうが不利そうでした。いままでこの部分について集中的に取り組んできたのですが今回はやられている感じがします。

そして単なる解像度以上に、いくつか印象的だったことがあったので、それについて詳しく書きたいとおもいます。DAVEについてはまだまだネットの情報では突っ込んだ試聴レビューが少ないですので、少しでも参考になればと思うところです。とはいえ一個人の感想でしかないですから、いつもどおり内容の信憑性については話半分にてお願いします。

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[M3]AK4495S DAC展示、ミックスキット、オーディオキット

予定していたSRC、電子ボリュームキットは諸事情で延期になりました。すみません。

今回は実質yohine Best Worksとなるミックスキット集、オーディオキット配布です。電源がある場所なので自作AK4495S-DACの実機試聴も行います。いつものCD類はほんのちょっとだけ持って行きますけど、今回はCDメインのイベントとは考えていませんので、あまり期待しないで下さい。CD関係は次の例大祭になります。

Innocent Keyオーディオ部 第二展示場2F コ-31a

配置はここみたいです。Twitterで告知しているみたいなので知っている人は知っているかと思います。以下、DACの試聴案内、ミックスキットのクロスフェードと詳細、オーディオキットの予定について詳細です。

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